名人戦開幕

今年もこの季節がやってきました。
第1局は恒例の椿山荘です。

戦型は大方の予想通り、横歩取り。
今期は横歩シリーズになることは間違いないでしょう。
ただ、いまは特に流行形が拡散している印象なので、たぶん毎局違った形になると思いますし、この名人戦で登場した形が、その後の流行を作っていくと予想しています。

名人戦は主催の朝日・毎日両新聞の観戦記や当日・翌日の紙面はもちろんのこと、両社のデジタル版でも詳報されます。

また連盟でも、モバイル中継と、名人戦棋譜速報。
ニコ生とAbemaTVでも生放送されています。

また関西将棋会館や、現地椿山荘でも大盤解説会が行われます。
ぜひお楽しみいただきたいと思います。
(※11時50分追記
東京・将棋会館での解説会はありませんでしたので、訂正します。
1日目の本日は現地・椿山荘のみ。
明日2日目は、関西将棋会館と、そのほかに新橋・SL広場でも解説会が行われます)

 

昨日の中継4局も、面白く観戦しました。
東京の2局、5時間の将棋は意外な夕休前の終局だったものの、内容は見ごたえがあったと思います。

三枚堂ー勝又戦は、△4四銀と上がったタイミングで▲4五桂というのが、類型の少ない組み合わせだったのではないでしょうか。
最近は早い桂跳ねがトレンドですが、ああいうタイミングもあるのだなあと勉強になりました。
△4四歩だと▲4五歩の仕掛けを与えるし、突かないといきなり桂馬を跳ねてくるし、困ったものです。

畠山ー阿部戦は衝撃の駒組みでした。
論より証拠、百聞は一見に如かず、なのでぜひご覧ください。
図面を載せようかなと思ったんですがひとつ、ふたつでは済まなくなりそうなので、やめておきます。
(※逆に楽しみを奪ってしまうことになってはいけないですし、権利への配慮もあるので、数多くは載せない方針です)
特に序盤の早い△3三桂や、その後しばらく進んで△5二玉と寄った手はインパクトがありました。

最近のプロ将棋を観戦していると、もともとの予定だったとは考えにくいけれど、指されてみると場合の好手。
という指し手が、序盤から増えている印象を受けます。
全体の流れよりも、その場の最善を追求する姿勢が(ゲームの性質上本来はそれが正しい)、大切な時代になったと感じます。

大阪の2局は、超急戦と、角交換振り飛車。
一昨日に引き続き、戦型がうまく分かれてくれて、観戦には楽しい一日でした。

 

盤面の話ばかりも何なので、日常の話もすこしだけ。

最近は大半の時間を家で過ごしていますが、昨日は大学時代の友人たちと飲んでました。
僕のことを心配して誘ってくれたみたいで、ありがたいことです。
おかげさまで元気にやっていますし(それが一番大事)、将棋に対するモチベーションがあるので、大丈夫です。

30代半ばというのは、会社や組織の中にいると、何かと難しい年齢のようで、それぞれの悩みを感じました。
世の中の大半の人は、仕事をしていればときにはイヤな思いもするし、本当はやりたくなくてもやらざるを得ないこともあるのでしょう。
自分が将棋をこれからもずっと続けていけるのは、とてもありがたいことだと、今日も感謝して過ごしたいと思います。

週末は花見に出かけたいと思っています。
そういえば今年の名人戦は、特にいい時期の開幕になりましたね。

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