封じ手とか

名人戦は2日目に入りました。
佐藤名人が封じ手で大長考。
30分以上封じ手時刻を過ぎるのは珍しいので、すこし話題になっていたようです。
かつては加藤先生が、封じ手で大長考して、休憩を挟んだということもあったそうですね。

本局の場合、ちょうど仕掛けの場面だったので、自然な長考と思いました。
解説されている通り、選択肢も多く、難しい局面です。
10時半現在、封じ手から6手進みました。
ここからはさらに濃厚な長考合戦になりそうです。

昨日の中継の話。
ブログを初めてから、連日いろいろな戦型があり、毎日楽しく観戦しています。

昨日の杉本ー千田戦。(王将戦)
感想戦コメントに「代えて▲4七銀は△5五金▲同角△同角▲同飛△3三角の強襲が気になる」と書いてあって、見たことない筋でびっくりしたので、取り上げました。
以下たとえば▲5八飛と逃げると、△9九角成▲7七角△同馬▲同桂に△5四香の田楽刺しが厳しくなります。

で、▲4八金だとどう違うのか?は書かれていなかったのですこし考えたのですが、そこで▲4五金と受けるということだと思われます。
以下△5五角▲同金と進むと

▲4五金でなく▲7七角だと△5五角▲同角に△5六飛と打たれて王手角取り。
▲4七銀の形だと△5七飛と打たれて王手金取り。
この図だと飛車を打つスペースがありません。

作り物みたいな手順で、びっくりです。
そもそも将棋の序盤で、こんなに早く中央に金が進出することは普通ないので。
ただ実際は、上記△3三角には▲2五飛△2四歩▲2六飛△9九角成▲7七角という対応もあり、自分の感覚では、ちょっと後手が無理している気がしました。

全棋譜は将棋連盟ライブ中継でご覧ください。
(※たしか30手目まで無料だったはずなので、取り上げた場面は購入しなくても見ることができると思います)

この将棋は終盤が面白く、感想戦もかなり詳しく取材されています。
感想戦の取材は記者によってかなり棋風の出るところで、変化を詳細に書く、ワンポイントを取り上げる、形勢の分かれ目だけ詳しく書く、その手を選んだ心情を多く盛り込む、等さまざまです。
総じて、関西の記者のほうが詳しく書いている印象です。
個人的には、形勢を分けた場面がはっきりしているのが良いと思います。
あとは長い変化手順よりも、そうなる理由が言語化されているとありがたいですね。

自分ぐらいのコアなファン(?)になると、誰が中継担当かは読めばだいたい分かります。
記者の方々も棋士と同じで、これからも技術と個性を磨いて、頑張ってほしいと思います。

今日の東京はあいにくのお天気ですが、昨夜からの雨は上がったみたいです。
皆様どうか、名人戦の解説会にお越しください。

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