珍形

昨日の中継は、3局とも中盤が長く、濃厚な将棋ばかりでした。
すべて最後は双方1分将棋の大熱戦。
やはり、不思議と連鎖するのでしょうか?

相居飛車の出だしとは思えない、面白い局面が相次いで出現していたのでご紹介。
竜王戦の中座ー村山戦は相掛かりの出だしから、飛車の美濃囲い。

この局面はさすがに先手がつらいのかと僕は思いましたが、感想戦コメントを見る限り、むしろ後手が大変だったのでしょうか。
ちょっと意外な感想でした。

王位リーグの阿部ー阿久津戦は、横歩取りの出だしで8筋に駒柱が。


昔では考えられなかった光景という気がします。
ただ、最近の横歩取りは後手が2筋に飛車を転換して居飛車vs振り飛車の「対抗形」のような将棋になることが多いので、いまはそこまでの違和感はありません。
人間の感覚というのはつくづく不思議なものだと思います。

いずれも、あと取り上げなかった北浜ー畠山戦(竜王戦)も大熱戦でした。
全棋譜は将棋連盟ライブ中継でご覧ください。

ところでこの阿部ー阿久津戦、いま書いたように横歩取りなのですが、仮に出だしを知らなかったら、どう見えるでしょうか。
いまの自分であれば、正しく「横歩取りだな」と判断できるような気がします。
ただ、10年ぐらい前の自分なら、どう判断するかはわかりません。
それだけ、(上記のような)判断の材料を身につけたということになります。

おりしも、ちょうど山口女流1級(妹弟子です)が、面白い連載を始めていました。
チャンク式将棋ドリル

この図でいうと、たぶん2~3筋の駒の配置を「チャンク」として見て、「ああ、これは普通の振り飛車ではなくて、横歩取りから△2四飛と転回したのだな」と思うのではないかと。

飛車と玉の配置だけ見ると対抗形の将棋なのですが、それにしては2三の銀や3七の金が、あまり見ない配置です。

こういう感覚というのは、今後も変わっていくのかどうか?
興味深く思っています。

盤外の話。
昨日は夜、師匠と東京駅で食事してきました。
実は、このたび「東京将棋記者会賞」を受賞されて、東京の式典に出席されていたのでした。
おめでとうございます。
師匠と東京で会える機会はなかなかないので、お会いできてよかったです。

その数日前には大阪でも式典に出席されていたようです。
写真には谷川先生も写っておられて、師匠に聞いたらすっかりお元気そうだったとのことで、良かったです。
自分ももうしばらくしたらまた、式典とかには参加できるときにはさせていただこうと思います。

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