最近の話題など

先週末の話題といえば、藤井四段の20連勝。
仮に五分五分の相手となら、10連勝はだいたい1/1000、20連勝となると百万分の1になるわけですが、彼の1局あたりの期待勝率はいったいどれほどなんですかね。
僕自身は10連勝だって経験がない、最近だと5連勝も記憶にないので、あれだけ勝てるのは本当にうらやましい限りです。

いっぽう振り駒のほうは8連敗中みたいです。
彼の将棋はほぼ中継されていて、見るたびに後手番だなあとは思ったのですが、調べてみて驚きました。
Abemaの七番勝負は逆に先手番が6局だったので、けっこう偏りが目立ちます。
得意戦法や流行、対戦相手との兼ね合いで、いまのところ角換わりと対振り飛車が多いようなので、今後横歩取りとか、不定形の力戦とかも見てみたいですね。

今日・明日は名人戦第6局。
同世代の二人、1・2局はやや一方的でしたが第3局以降は、お互い波長が合っている印象です。
前3局以上の大熱戦を、期待したいですね。
藤井四段フィーバーの余波が、おもちゃやチャーシュー麺に行くのでなく、やはり最高峰の舞台への注目に、つながってほしいと願っています。
もちろん将棋ファンはいつも通り注目していただいていると思いますが、より広くそうでない層にも、という意味で。

連勝記録のこととか、年少記録とか、あるいはこのまま勝ち続けたらどうなるとか、タイトルまでの道のりの大変さとか、過去の中学生棋士の偉大な足跡だとか。
そういった切り口をスタートラインにして、将棋界の仕組みや伝統といったものに興味を持ってもらって、ひいては盤上への興味にもつながってくれればと思います。
スポーツなどでも、一人のスター選手の活躍が、業界全体への興味を喚起する事例は多く見られます。
いま将棋界にはその波がきています。

将棋を始める子どもが増えているのは間違いなく、素晴らしい限りです。
いっぽうで大人や、シニア層はどうか。
将棋界は昔から、初心者の大人には敷居が高いところがあります。

パブリックビューイングや、そこまでいかなくても集まった仲間が(必ずしも将棋仲間でなくても)スマホや映像メディアでみんなで将棋を観て、ワイワイ楽しむような流れが、作っていけたらいいですね。
スポーツや文化、あるいは大衆娯楽や伝統芸能、そういったものの本質は、ちょっと大げさに言えば、そういう市井の人々の暮らしの中にあるものだと思うからです。

名人戦関連で、第5局・倉敷市のサイトをご紹介します。
写真で振り返る第75期名人戦七番勝負第5局

大山名人記念館や倉敷藤花戦など、言うまでもなく全国有数の将棋の街だけに、中身も充実しています。
将棋に関心を持ってくださっている多くの自治体にとっても、参考になると思いますし、こういった自治体が増えてくれるように、努力していくことが将棋連盟にとって大切と思います。

3件のコメント

  1.  実は私は45くらいで将棋を事実上始めた人間です(子どもの頃親と遊んでいた程度)。

     初心者教室で疑問なのは、「駒の動かし方」を教える教室。大人は、本を読めば駒の動かし方などは理解できるわけで。

     しかし、初心者を脱出するためには、様々な(一般的な)戦術や寄せのよくある形くらいは覚えないと、無理なんですね。
     
     つまり、「初心者」の定義が教える側と、教えられる側で違うのではないかと思います。

     例えば、
     駒の動かし方を覚える→定跡を覚えてウォーズ等でも戦える
     この「→」の間にとてつもない壁があるように感じています。教える側は「動かし方」までが初心者、教えられる側は「→」も含めて初心者と思っているということです。

     中高年層って、育児や仕事面の責任(役職)もある上、若いときより脳が衰えているので、結果時間がないんですね。だから、効率よく勉強したいんですが、そのための教室やテキストがないんです。
     都内では将棋の森の村中先生の講座が唯一かな、と思いつつ、平日のあの時間に吉祥寺ではまず間に合わないことの方が多いでしょう。もちろん、将棋センターも敷居が高すぎます。
     テキストという意味でも、戦術の特徴を簡単にまとめた初心者(あるいは初心者+?)向けのテキストが実はないんですね(正確にはないわけではなく、羽生先生のテキストが一番分かりやすいと思います)。

     囲碁と比べて指す人の年齢層の違いは明らかだと思います。結果、我が職場でも囲碁部はありますが将棋部はありません。

     なぜか。囲碁は段階的に上達するように13路とかがあるわけです。
     しかし将棋は駒落ちくらいしかないですが、それはネットではない。駒の動かし方を覚えて、ある程度戦術も覚えて、実際に差してみると「えっ?」となる。
     経済で言えば、参入障壁は低いけど、その後の壁が高く、利益を上げるのが難しいので、結果退出者が多いということだと思います。

     参入後の高い壁を乗り越えるためのテキストなり教室(リーマンにとっては相手がある仕事なので平日夜は難しい・・)があれば、大変嬉しく思います。

    1. そうですね。たしかに良いテキストとか、少ないと思います。やはり、子ども向けの方が需要があるということと、執筆するのが難しいからだと思います。
      全体の中でマイノリティである、ゆえにそこをターゲットとした教室や書籍が少ない、ある意味悪循環と言えなくもないので、両側からのアプローチが必要ですね。

  2.  いつもご丁寧にありがとうございます。

     ご指摘のように、中高年初心者はマイノリティなのでしょうが、商売と文化という意味で、マーケティングという視点が将棋連盟は抜け落ちているように思えます。

     例えば、顧客を2つしか分類していない。コア(指す将、観る将など将棋ファンと言われる)と一般人(将来の顧客候補)。その間のライトなファン層がまるまる抜けています(その一部に中高年初心者が入る)。

     参入障壁は低いけど、すぐに壁にぶつかり退出者が増える、のであれば初心者講座の意味自体が問われます。逆にコア顧客ばかりを相手にするというのは商売としてはありですが、文化としてはどうでしょうか。

     アンケートなどをはじめマーケティングしているんでしょうか?

     目の前のファン(コア層)と参入優先で、せっかくの市場をのがしているように思えます。
     例えば女流棋士の対局料は厳しいと聞きます。ライト層から少し高くても休日に教室を行い、結果収益を得ることはwinwinだと思います。

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