連勝止まる

大記録は29連勝でストップ。
昨日の将棋は、佐々木五段の完勝、かなり完璧に近い勝ち方だったと思いました。
テレビのスタッフの方にも説明したのですが、3段構えぐらいのかなり高度で綿密な戦略を練ってきていて、藤井四段が対応に時間を使わざるをえなかったのも、大きかったような気がします。

ただ「勝負所のない完敗」と本人は語っているものの、夕休前後の△9七歩や△8四飛はなかなか思いつかない手で、勝負術を感じました。
自分が指していたら、気がつかないうちに逆転を許してしまっていたかもしれません。
それだけ、佐々木五段の指し手が正確だったと言えます。

 

いまの過熱報道の状態になったころ、こんなツイートがありました。

 

たしかにそうかも、と腑に落ちると同時に、それだけで長くは続かないとも思いましたし、将棋界には役者はそろってるから大丈夫とも思いました。
連勝ストップでいまの状況は一段落として、この後が大事と思います。
昨日も書きましたが将棋界全体として将棋のどういう側面を強調して、どういうところを「売り」にしていくのかを、より意識していくべきと考えています。

 

今回連勝を止めた佐々木五段が「壁」という表現を使っていましたが一人のスターが現れればそこに壁となって立ちはだかる新たな強敵が現れ、そしてまた新たなスターが誕生する。
そうやって将棋界はずっと脈々と続いてきました。
その長い歴史と伝統、そして多くのスター棋士、ついでに言うとそれよりずっと数多くのスター候補棋士に、これからもっと光が当たるようにと思っています。

たとえば佐々木五段ももちろんその一人ですし、他にも強い若手棋士はたくさんいます。
竜王戦の挑戦者を決める、このあとの戦いにも注目していただけたらと願っています。

 

日付戻って一昨日の棋聖戦第3局は、斎藤挑戦者の勝ち。
一番返して面白くなりました。次の後手番をどういう作戦で行くかが注目ですね。

感想戦コメントにあった、△6七桂不成に代えて△5一金打というのはなんとも難しい手順です。
△7九金に代えて、ならすぐに思いつきそうですが、駒を当たりにしておいて当たりを増やすんですね。
やはり将棋の終盤は奥が深いものだと、改めて思いました。

藤井四段がタイトル戦に出られるのは・・という話題はよく目にしますが、トッププロの将棋は本当にレベルが高いので、そう簡単にはいかないと思います。
最年少タイトル獲得なるか?は今後の大きな注目ですね。

2件のコメント

  1.  棋士には様々なエピソードがあります。もちろん将棋面でも得意戦術や「快心の対局」など、将棋の面からもたくさんあるでしょう。

     将棋連盟は漫画で棋士を数ページずつで漫画にしないですかね?
     最初は将棋連盟公式サイトの連載でもいいと思います。
     要は「棋士列伝」みたいな。史記列伝やプロレススーパースター列伝みたいなものです。「栄光なき天才達」もそうですが、エピソードのある人物伝はそれなりに見る人もいると思います。
     架空の将棋漫画ではなく、棋士そのものに焦点を当てた漫画。

     今の時期だから売れると思うし、売れなくても宣伝効果は大きいと思いますが・・。最低1局の勝負手を解説とともに素人にも分かりやすく説明すればその棋士の将棋の宣伝にもなると思います。

     著名棋士や藤井九段の対局者だけが取り上げられる現状はこれだけのブームですから、もったいないと思います。その場合名誉回復の意味でも三浦九段は是非取り上げて頂きたいですが・・。
     みろく庵の出前ばかりが記事になるのはもったいないと思います。

    1. >マックイーンさん
      そうですね。棋士列伝は面白いと思いますし、僕も考えたこともあります。
      読み物だと将棋世界とかで、定期的にそういうコーナーがありますよね。
      前に少年誌でponanzaの山本一成君が漫画になってましたけど、ああいう感じもいいかもしれませんね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です