新王座

昨日の王座戦第4局、挑戦者が快勝で新王座に。
研究の深さに加えて、激しい変化に少考で飛び込んでいく勝負度胸に感服しました。
終盤、優勢と見られた局面での△7一歩にはびっくりしましたが、おそらくこれも妙手だったのでしょう。

中村新王座は自分よりすこし後輩に当たる世代で、タイトル戦経験は同世代の他の棋士より先行していただけに、さぞ喜びもひとしおだと思います。
衆目の一致する人格者のタイトル獲得は、将棋界にとっても喜ばしいことで、彼はきっと未来の会長候補でしょう。
関西の糸谷君らとともに、これからの将棋界を引っ張って行ってほしいと願っています。
この対照的な二人が同学年で、一緒に三段リーグを抜けたというのはなんだか象徴的な出来事のように、以前から感じていました。

菅井王位に続く新タイトルホルダーの誕生ということで、他に藤井四段の連勝記録もあり、2017年は棋史に大きく残る年になったように思います。
また戦術的にもこれほどの変化を感じた年は、いままでなかったような気がします。
将棋のメディア露出も目に見えて増え、将棋ファンも増加の一途です。
本当に、素晴らしい限りです。

 

その他の話題。

王将リーグ、豊島八段の矢倉を作っておいて自ら崩す戦略が目を引きました。
あんな指し方があるんですねえ。
ソフトの影響はあるのだと思いますが、どちらかと言うと読みの深さ・終盤の強さで勝ち続けている印象があります。
最近よく目にも耳にしますが、トップ棋士にあれだけ勝っていて、タイトルに手が届いていないのは不思議ですね。
今年度で見ても、藤井四段と同じかそれ以上の勢いを感じます。

A級は広瀬八段の勝ち。
渡辺竜王は、ずいぶん不出来な将棋だったように見えました。
羽生棋聖との竜王戦はどういう展開になるでしょうか。

今日の中継は、昨日に続いてA級が1局と、C2の後半分、それと叡王戦。

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