勝ち

昨日の対局は、中終盤いろいろなことがあった末に深夜10時半頃、はっきり勝ちの局面になったのですがそこからドラマがありました。
面白い将棋ではあったと思うので、モバイル中継をご覧いただけると嬉しいです。

まず135手目、▲5五同歩が波乱の呼び水でした。
王手をうっかりして、ここで一度、軽く血の気が引きました。

ただ局面は、冷静に見ればまだ勝勢。
そこに140手目△7一馬、再び思いもよらぬ手が飛んできてびっくり。

ここで残り3分から、ちゃんと1分使ってるんですよね。
自玉はZに近い・・ことを確認したつもりだったのですが、詰み筋に気づけば▲5四金ととりあえず王手したことでしょう。(実際それが最善で勝ち筋)

△7七銀と打たれて、今度こそ本当に血の気が引きました。
その瞬間、周囲の全ての音が止まったような気がしました。

▲同玉は一番詰みそうなので(実際詰んでいた)、▲同金か▲同桂かを指そうとしていました。
(ちなみに▲同桂は△8九飛▲7七玉△8八銀▲8六玉△7七銀不成という順で詰み)
呆然としながら秒に追われて指したら、なぜか玉が7七に動いていました。
予定と違う手を指した、という経験は、もしかしたらあったかもしれませんが記憶にはないです。

△7七銀に▲同金の変化は、△8九角成▲同玉△6九竜に▲7九金合だと△9八銀!▲同玉△9七飛!という順でぴったり詰みます。
(以下▲同玉△8五桂▲8六玉△7四桂▲7五玉△8四金まで、竜がちょうど6五に利いている)


でも▲7九角合が△9七飛に▲同角を用意して詰まないのでは?と終局後すぐに杉本君に指摘され、なるほどと納得。
これが145手目の感想戦コメントに載っています。
しかしさっき柿木にかけたら以下△9八金▲同玉△7八飛!で8八に合駒をさせて△9七銀で詰み、と指摘されました。
(7九角の利きをさえぎるのがポイント)

また本譜151手目▲7九香合の局面は、△7七桂▲9八玉△8八金▲同玉△8九飛▲9七玉△9九飛成▲9八合△同竜▲同玉△6八竜という筋で、これも難解ながら詰んでいたようです。


両者呆然自失、なので仕方ないですが感想戦で調べて詰みなしと結論づけたのに詰んでいた、というのも珍しいことです。
結論としては、最初の△7七銀の図の時点で詰んでいて、最終的な敗着は152手目の△8八金、ということになるようです。

実戦の結末はこの後、杉本四段が詰みを逃しての逆転勝ち。
いままで何度もトン死負けは経験していますが(今期もやらかした)、相手が詰みを逃して勝ったのは初めてではないかと思います。
いくつかあった詰み筋も、本譜の不詰めも、どれもけっこう奇跡的な順で、本当に驚きました。
ちゃんと毎日詰将棋解いてるんですけどね。実戦の終盤で正しく読んで正しく指すことは難しいです。

ともあれこれで久々の二次予選進出です。
今年は本当に苦しい年でしたが、頑張ってきたご褒美と、もっと頑張りなよという激励を、将棋の神様からいただいたような気がします。
見ての通りで、とても弱い自分ですが、次も一生懸命指したいと思います。

2件のコメント

  1. 実戦の結末はこの後、杉本四段が詰みを逃しての逆転勝ち。

    これ片上先生の立派な勝ちですよ。
    杉本四段の読みを片上先生のそれが上回ったから勝てたわけで。
    それも含めての厳しいプロの世界だと思っています。
    二次予選も応援しています。

    1. どうもありがとうございます。
      立派かどうかは分かりませんが、難しい詰みだったことは間違いないですね。

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