大一番

昨日は文字通り「棋士人生を懸けた」大一番が中継されていました。

棋士生命が1局で10年以上変わる将棋というのは、これまで誰も経験したことがないような大勝負で、他にもしあるとしたら三段リーグの昇段を懸けた将棋以外には考えられません。
タイトルを取るかどうかとか、昇級(あるいは残留)できるかどうかよりも、ずっと大きな勝負に思えますし、そもそもこの事態が空前絶後になってもおかしくないレベルです。

正直なところ、現行のフリークラス制度が作られた際にこういう局面が想定されていたとは自分には思えないのですが、これもルールなので仕方ありません。
さすがにボラタリティが高すぎるし、対局日程に左右されるというのも問題があるというのが率直な感想です。
ただこの制度を変えるのは難しいでしょうし、そもそも変えるということ自体のマイナスが大きいと思うので、今後万一また同じことが起きたとしても、それはそれでやむを得ないでしょう。

将棋はモバイル中継で頻繁に観ていました。
中盤は勢いよく攻め込んで中尾五段が良さそうに見えましたが、82手目の△3一玉が意表の一手でした。
直後の▲3三歩は自然な手ですがそこで△2一銀がまた粘り強い受けで、これで難しくなった気がします。
結果論ですが▲3三歩に代えて▲4四歩△5三金▲4三金が有力だったように思いました。

一夜明けてから、中継ブログや報道でインタビューを読みました。
棋士人生はもちろんそれぞれで、自分もいろいろなことを考えさせられました。

 

あと昨日は女流名人の就位式があったのですね。
奨励会退会の心境を初告白(スポーツ報知)の記事もまた、いろいろと考えさせられるものでした。

繰り返しになりますが棋士人生は本当に人それぞれです。
その中で「何かを与えられる人になりたい」という気持ちはとてもよく理解できます。

これまでの彼女はある意味で、女流棋界の中にあってそうでないような、特別な存在であったと思います。
これからは改めて第一人者として、後輩たちの目標として、女流棋士のレベルアップに貢献してくれるのではないかと思っています。

 

30代も後半に差し掛かってきたいま、自分も今後の棋士人生について考えることが多くなってきました。
ただそのほとんどは自ら語るようなことでもないと思うので、とにかく一生懸命将棋に向き合っていきたいと、言うべきことはそれだけです。

では今日はこのあたりで。

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