逆転人生

しばらく前にご紹介した今泉さんのNHKの番組、録画して放映の数日後に観ました。
かなり熱心に取材していただいたおかげで、良い仕上がりになっていたと思います。
今泉さんとの三段リーグでの一戦は、僕が棋譜を残していたのを提供しました。
投了の盤面も忠実に再現してくださったようです。

奨励会の棋譜は、残っていないという棋士も多いと思いますが、自分の場合はほぼすべて残しています。たしか入門したときに師匠にそう言われたのだったと思います。
そういえば都成五段も「師弟」のインタビューで、谷川先生に棋譜を送っていたというエピソードを話していました。
6級のときはその日に指した3局すべてを家に帰ってから書くのは大変だったような記憶がありますし、間違っている可能性もあるんですが三段リーグとかは全部正しく残っているはずです。
使う機会があることがあるとは思っていませんでしたが、役に立つかどうかとかは関係なく、棋譜はいまでも宝物です。

退会後のことは今泉さんの著書でも語られているエピソードが大半だったと思いますが、改めて考えてもすごい話としか言いようがないですね。
棋士になれたということは一つの結果ですがそれ以上に大切なのは、前向きに生きるということなのかなと思います。月並みですが。

実はあれ以来、今泉さんとは盤を挟んだことはありません。あれからもう20年になるのですね。
それまでは数え切れないぐらい教わり、本当にお世話になった先輩です。
いつか公式戦で対戦する機会があれば良いなと思います。

とても良い番組でしたがただひとつ、あの盤駒だけはちょっと残念なところで、最近これだけメディアに取り上げられる機会も増えていますから、将棋連盟は各局に新しい盤駒をそろえていただけるよう働きかけていったほうが良いかもしれませんね。
そういえばフジ新社長に、現在将棋連盟の外部理事も務めてくださっている遠藤さん。とのこと。
遠藤さんは将棋ファンで相当な腕前です。
将棋界にとってさらに追い風になると良いですね。

1件のコメント

  1. とても良い番組でしたね。そして・・・盤駒(特に駒)が極めて残念であったことも片上先生がおっしゃる通りです。

    いまどき、裏が赤い字の「天童書き駒」など、何で映像で使うのでしょう。いまネットで調べたら一組3千円で売っていますので、今でも需要は一応あるようですが。

    AbemaTVのスタジオでは、プロの対局に使われるものとしては珍しく板目の盤を備えておられるようです。現在放映中の第2回アベマTVトーナメントでも使われていますね。

    NHK杯で使用しているような国産榧・柾目の立派な盤(脚だけが色が濃いので、NHK杯をテレビで放映開始した時に購入した盤を、仕上げ直しして使っているのでしょうか)は安いものではないですが、将棋ブームの折から、それなりの盤と駒を各局が備えて頂けると嬉しいことですね。

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