ラッキー

昨日はギャモンのリーグ戦のあと、近くのすしざんまいに行ったら「初競りマグロ」が回ってきていてご相伴にあずかるという幸運。もちろん初めてのことでした。
今年の1番マグロは1億9000千万円也。1切れ10グラムとして約1万円相当?だとか。値段はともかく、初物は縁起物、こんなラッキーな新年はめったにありません。

ちなみにギャモンも大接戦の末25-24で勝ち。
結果はさておき実は最近、前よりすこし強くなった実感があります。特に知識を増やしたことが要因で、この年になってもコツコツ勉強すれば記憶を強化することができると実感できたことは、本業にも役に立ちそうな気がします。
将棋はプロになって15年ほどが経ち、この先強くなったと実感することは簡単ではないですが、自分なりの強みを活かすこと、克服できる弱点を一つ一つ克服していくこと、どちらも意識してやっていきたいと思います。

あと、一昨日は新年会の直前に財布をなくしてひと騒動、十数分後にパン屋に忘れてきたことが判明して事なきを得る、という幸運な出来事がありました。
何かやはり今年はひと味違う、良い年になりそうな予感があります。

今日は恒例の指し初め式。
通常5日ですが日曜日のため6日にずれるという7年に一度の年です。
将棋界の隆盛を願い、自分自身も良い将棋を指して成績を向上させられるようお祈りしてきます。

イベント案内

例年だと今日ぐらいからブログのアクセスも戻ってくる時期です。
ということで年末にも書いた出演予定のイベント、改めてのご案内など。

1月17日「記録はつらいよ」(棋楽 イベント案内)
こちら西荻窪にある先崎九段主宰の「棋楽」に初めてお邪魔します。
最近の先崎さんはいつも楽しそうに新しい企画を考えておられるようで、タイトルは「つらいよ」ですが中身はきっと楽しいものになることでしょう。
金曜日の夜ですので会社帰りにぜひお立ち寄りください。

僕はもしかしたら積極的に記録を取りまくって棋士になった、わりと最後のほうの世代かもしれません。
三段で東京に出てきてから四段になるまでの4年間、それはそれはたくさん取りました。思い出すことを全部話すといったい何時間分になるのか自分でもわかりません。

とりあえずいま考えているのはおやつの話、冷房の話、留年した話、正座で苦労したこと、羽生九段や先崎九段の鬼気迫る表情、プロ入り間際の修行、記録係しか知らない対局者のつぶやきetc.
どれになるかは当日のお楽しみです。
あとはプロ十数年目の記録係の話とか。

新年早々、考えているだけでとても楽しみになってきました。ぜひご参加お待ちしております。

そういえば今日は棋楽で指し初めイベントが行われているようですね。

ではでは、皆さまにとって2020年が素晴らしい年になるよう改めてお祈りして、今日はこのへんで。

始動

世間は昨日、今日あたりからすこしづつ日常を思い出す方も多いでしょうか。
ああ、今年も始まったなあ、頑張ろう、とか。ああ、もうしばらくお正月が続けばいいのになあ、とか。いろいろではないかと思います。

昨日は高橋和さんの「将棋の森」に初めて行ってきました。
種目はギャモンで、普段とはすこしだけ違った変則ルール3種で楽しんでみましょうというラフな大会でした。
お正月気分全開で参加したのですが、なんと優勝してしまいました。

新年早々、幸先が良いとはこのことです。
2020年はとても良い年になりそうな気がします。

とても居心地の良い空間で、楽しく過ごせました。
また機会があれば行きたいと思います。ありがとうございました。
いただいたお菓子は今日の新年会で提供させてもらう予定です。

あと嬉しかったのは、参加者の方の中に僕の新刊を持っておられた方がいて、読み物としても面白いですと言って下さったことです。
もちろんそういうつもりで書いているので、こんなに嬉しい一言はありません。
この1年ほどで、面と向かって感想を言っていただくことの喜びを知ったので、今後は自分でも心がけようと思いました。
どうもありがとうございました。

昨年末のことですが、棋書ミシュランでも書評いただきましたのでご紹介。
とても熱心に書いていただいて個人的にも嬉しいですし、他にもたくさん目を通しておられてすごいです。
今年も一冊書きたいと思っているので、また良い感想をいただけるように仕上げていきたいと思います。

12/3 島九段戦

昨日に続いて、順位戦の将棋です。
前節でひどい将棋を指してしまい、自分にとっては崖っぷちの一戦。
戦型は、四間飛車銀冠vs居飛車穴熊。

▲6五歩△同歩▲8六歩まで。

夜戦に入り、たしか7時半頃の局面。
この▲8六歩は、イヤなところから動かれてしまった、の印象。
銀冠の急所を突いた攻めで、△同歩には▲4八角~▲8四歩~▲7五歩とされると先手の大駒が働いてきます。

しかしここで△5三角は、良いところに手が行きました。
直前で△6二角と5三から引いたばかりだったので、ためらいがあったのと、うまく戦機をとらえられた感があったので、指しているときは自信なし。しかし、振り返ってみるとこれで形勢も悪くなかったようです。

△5三角以下、実戦は▲4八角△6四角▲4六歩△8六歩▲8四歩△9四銀▲7七桂に堂々の△2八歩で、どうやら振り飛車ペース。
▲4八角では平凡に▲8五歩と取り込むべきだったようです。
このあたりの細かいやり取りは、一手一手が難しく、いわゆる「勝負所」でした。そこできちんと読めて、水準以上の手を続けられたのは幸いなことでした。

一局を通じてもうまく指すことができて、振り飛車党にとってお手本となるような内容だったと思います。
良い将棋を指すことができて、これならもうしばらくはプロとしてやっていけるかな、と思えました。

11/5 千葉七段戦

昨年の公式戦、振り返りが終わってなかった分を書いておきます。

新年早々何ですが、この日は本当に恥ずかしい将棋を指してしまいました。
本当は闇に葬りたいところですが、繰り返さないためにはこうして恥を晒しておくのも無駄ではない。と今後思えるようにしたいです。

本来もっと気を遣わないといけない序盤の駒組みで、フラフラと指し手を進めてしまいました。
▲3九金、とひとまず穴熊を完成させた瞬間、文字通り指を離した瞬間に、イヤな汗をかいている自分に気がつきました。
なぜ、大ポカというのは指した直後に気づくものなのか。
この手はノータイムで指したというわけではなく、一応数分考えていたようで手拍子とは言えません。それなのに、なぜ。

△8五桂、と飛ばれて将棋が終わりました。
角がどこに逃げても△6五歩で、もはや駒損は避けられません。
図の▲3九金では、▲7八金と備えるか、▲5七銀と先に角交換を挑むか、いずれかを選ぶしかないところでした。

このような将棋を指してしまうようでは、自分の棋士人生も先は短いかもしれないな、と本気で思いました。