新四段、女流六冠など

昨日は三段リーグ最終日。
1枠はすでに決まっている状況で、もう1枠に自力だった弟弟子の石川君が滑り込みました。
新四段誕生のお知らせ

前期のことがあり、昨日も1局目を負けてしまったようで、さぞプレッシャーもかかり、喜びも一入だったことでしょう。おめでとう。
さっそく師匠にお祝いの電話をしたら、さぞ喜んでおられました。
来春の祝賀会も盛大に行われることと思います。

 

最近の公式戦の話題。

竜王戦の挑決最終第3局は、豊島名人の勝ち。強かったですね。
87手目の▲4四香は誰でも打ち込みますが、その後91手目▲4四金、97手目▲4四銀とゴツく行ったのが、案外気づきにくい攻めだったのではないかと思います。

令和初の竜王戦七番勝負はこれで竜王名人対決となり、まさに最高峰の戦いになりました。
また十番勝負のほうはこれで片方が終わり、明日から王位戦第6局です。

同日のC2は中田功ー佐々木大戦と、伊藤真ー矢倉戦が面白い将棋でした。
コーヤン流は三間飛車が有名ですが、中飛車でも余人には真似できないさばきを見せてくれることが多いと思います。

最後に昨日の清麗戦は、里見さんが勝って史上初の清麗、そして女流六冠に。
タイトル戦と公式戦の対局が続いていますが、最近はちょっと女流棋士相手に負ける姿が想像がつきにくい感じになってきました。

史上初の六冠、というニュースバリューはタイトル数自体が増えていることもあり過去との比較が難しく、全タイトル戦への連続出場や全冠制覇の記録がなるかどうかが今後の注目です。
最近のタイトル戦の将棋を観ている限りでは七冠の可能性はかなりありそうで、他の女流棋士の意地に期待したいところです。

負け

昨日の対局は、後手番で中飛車左穴熊。
中盤で機敏に動かれて、以下は目立ったチャンスが来ることなく敗戦。
時間の面でも終始押されていて、全体的に苦しめの将棋でした。
感想戦でいくつか読みの突っ込みを欠いたところが判明したものの、調べてみるとこうすれば良かったとまではいかず、うまく指されて完敗の一局だったと思います。

スタジオでの対局は、雰囲気としてはNHK杯よりは銀河戦に近い感じがしました。なんとなくですが。
対局中、一度トイレに行って戻ってくるとき、扉が開かなくて焦りました。
スタッフの方がすぐ気づいてくれて、開けてもらえたので事なきを得たのですが、時間ギリギリのタイミングとかでなくて良かったです。
放映にバタバタと音が入ってしまったかもしれず、ご迷惑をおかけしました。

事前に下見はさせていただいていたのですが、その部分をリハーサルしておかないといけないとは気がつきませんでした。
いや、普通の人にはありえないことかもしれないのですが、なにせ不器用なもので。。。

このトラブル(?)を除けば、いつもと変わりなく指すことができました。
今回は残念でしたが、今後また機会があれば今度は良いところをお見せできるよう頑張りたいと思います。

今夜対局

19時から、朝日杯の対局があります。
このパターンはたぶん初めてで、対局場も初めてのスタジオということで、いつもとは違った感じになりそうです。

これは前期から、アベマTVで朝日杯が放映されるようになり、今期から木・金は「朝日杯の日」としてスタジオで対局が行われるようになったものです。
毎週木曜日と金曜日は’朝日杯の日’

初めてのことで、それまでの時間をどう過ごすのが最善か分からないのですが、今朝はゆっくり起きて、これからゆるりと棋譜並べ、14時からは相手の決まる対局を観戦する予定です。
あとはいつ、何を食べて夜戦に備えるか、なかなか悩ましいところですね。

テレビ放映の他に、モバイル中継もしていただけるようです。
良い将棋を観ていただけるよう、頑張ります。

今週の注目局など

しばらく中継の話題を書いていませんでした。

月曜日の王座戦第1局は、千日手指し直しの末に永瀬叡王の勝ち。
開幕局・先手番での中盤の千日手に、残り時間のリードを活かして競り勝った指し直し、いずれも実に「らしい」内容だったように思います。
両者の戦型選択も興味深いところで、いろんなことを考えたんだろうなと、こちらもいろんなことを想像しながら観戦しました。

火曜日のC1、この日は自分の対局がほぼ最後で、昨日の夕方と今朝も合わせてようやく目を通しました。
平藤ー高崎戦、大駒を次々に切っての寄せが見事でした。
他にも島ー及川戦や森下ー石井戦など、終盤の一気の寄せが参考になる将棋が多い一日でした。

C1は4局終わって4-0が5人、0-4が7人で、これほど星が割れたのは過去にないぐらい珍しいことのような気がします。
1-2vs0-3の5局で全局前者が勝ったようで、珍しい波にたまたま自分も乗れた一日だったのかもしれませんね。

同日、叡王戦では藤井システムが炸裂していたようで。
深夜のタイムラインはその話題で持ち切りで、さすがにすごいものだと思いました。
いま書いている本にも藤井システムのことは当然書いています。書き足さないといけないかもしれません。

昨日はA級が大熱戦、という言葉では足りないぐらいの超大熱戦でした。
これぞA級の将棋でした。

今日は竜王戦の挑戦者が決まる日です。見逃せません。

勝ち

昨日の対局は、後手番でゴキゲン中飛車。
超速に対し、序盤はやってみたかった作戦。
中盤は苦しくなるも、相手に一手ミスが出てからは、すこし分がある感じの難解な終盤戦が続きました。
最後ははっきり負けにしてしまったのち、相手の時間切迫に助けられての逆転勝ちでした。

終盤はお互いにいくつかミスがあり、満足のいく内容とはいきませんでしたが、熱戦になって競り勝てたことは良かったです。
若い頃は、こういう内容で拾うことがたまにあり、そのたまに、が大きかったものですが最近は逆のことが多くなっていたので、久々の感覚でした。
公式戦で勝つこと自体もかなり久々だったので、ホッとしました。

また昨日の白星で通算300勝となりました。
棋士になったときは、こんなにかかるとは思っていなかったですし、最近でも昨年度の目標にしていたぐらいなので、そこから半年も遅れてしまったのは不甲斐ないことです。
ただ、節目は嬉しいことなので、喜びたいと思います。

終局後は0時すぎまで感想戦をやって、すこしゆっくりしてから連盟を出たら、終電が途中までしかないのをうっかりしていてタクシー帰りになってしまいました。
集中してるんだか、ボーっと生きてるんだかよく分からない一日でした。

またあさってすぐ対局があるので、そちらも頑張りたいと思います。