BMAB

趣味のバックギャモンの話です。
昨日から、BMAB(=Backgammon Masters Awarding Body)への挑戦を始めました。

これは簡単に言うと、自分の試合をビデオに録画して記録し、そこから棋譜を起こしてコンピュータソフトで解析して、実力を測ってもらうというものです。
ソフトによる解析結果をPR(=Performance Rating)と言って、このPRの数値によって、ランクが付与されます。
試合結果に関わらず実力を客観的に評価する、おそらく唯一にして極めて優れた方法です。
他の競技では勝ち負け以外の指標というのはなかなか難しそうで、バックギャモンの世界ならではと言えます。

始まった当初から興味はあったのですが、当時はギャモンはお休み中で、復帰後も時間的にも費用的にもコストがかかることや、率直に言って良い結果を出す自信がなかったこともあり、挑戦しないでいました。
最近またギャモン熱が再燃してきて、大会である程度の結果も残せたので、良い機会かと思い機材も購入して取り組むことに決めました。

当面はGM(=Grand Master)の中で一番下のG3を目標にしています。
これは現在の自分にとってはかなり厳しいものの、可能性はそれなりにありそうで、現実的な目標と言えます。
適切な課題設定はモチベーションにつながるので、これを機会に人生がさらに潤いのあるものになれば良いなと思っています。

6月

早いもので令和になってもう1か月ですか。
日々の生活に何か変化があったというわけでもなく、祝賀ムードもなんとなく落ち着いてきて、いままで通りの日常という感じがします。
れいわ、と書類や記事で目や耳にするのにもすっかり慣れてきました。
良い形の改元になったなあと改めて思いますね。

5月は持ち時間の長い対局が一局もなかったのですが、久々にNHK杯本戦に出ることができたので、そこに向けて努力する日々を過ごしていました。
他に一門祝賀会や、大学の授業、近所の中学校は新学期になって初顔合わせ、あと結婚記念日とかもあってそれなりに予定が入っている感じでした。
一方6月はカレンダーが信じられないぐらい真っ白で、対局もなければ仕事もないので、このところややボーっと生きてます。
これから順位戦の開幕に向けて、またモチベーションを高めていきたいと思っています。

あと今月は、前にも書きましたが女流棋士発足45周年パーティーがあります。
なぜか前に貼ったリンクが切れているようなので(謎)、こちらをご覧ください。
最近人前に出る機会はほとんどないので、すこし緊張しそうな気がしますが(?)、皆さまにお会いできることを楽しみにしております。

竜王戦週間終わる

昨日の菅井ー藤井戦は千日手指し直しで終局が日付をまたぐ激闘でした。
2人ともさすがの安定感で、2局ともミスの少ない好局だったように思います。

今週は毎日竜王戦の大一番があったわけですが特に大熱戦ぞろいの印象でした。
手数と残り時間のデータを調べてみると、やはり体感を裏付ける感じだったので紹介してみます。

5/23 5組決勝 126手 ▲1分△8分
5/24 2組決勝 101手 ▲2分△1分
5/26 6組決勝 157手 ▲1分△1分
5/27 3組決勝 165手 ▲19分△1分
5/28 1組5決 142手 ▲1分△10分
5/29 1組決勝 122手 ▲11分△63分
5/30 1組3決 81手 ▲2分△1分
5/31 4組決勝 94手 ▲11分△5分
(※千日手指し直し)

平均手数もやや長めですし、全8局中の6局では敗れた側が1分将棋にまでなっています。
昨日の将棋は千日手指し直しなので実質的には手数・所要時間ともに最長、という点も加味するとやはりかなりの熱戦続きだったと言えそうです。
大きな一番が必ずしも大熱戦になるかといえばそうとは限らないので、この1週間は本当に良いものが観れたと言えそうです。

それにしても藤井七段の長時間における勝率、安定感は本当にすごいですね。
竜王戦ランキング戦はいまだ負けなしとは。
これはすごい相当に話で、「デビュー以来〇〇」の掉尾を飾るような、破られることが考えにくい記録になるかもしれません。

夕休のある棋戦(竜王戦の他に順位戦と王座戦)の勝率は9割を超えているようで、クラスが上がってくれば多少下がるとは思いたいですが、ちょっと信じられないような状況が続いています。
今期の決勝トーナメントも注目ですね。

報道

昨日の竜王戦羽生ー木村戦、注目された大記録はいったん持ち越し。
内容的にも木村さんの完勝だったようで、さすがにトップ棋士は誰もが強いです。
終局後の写真などで、すごい数の報道陣を目の当たりにして、次局もこうなるのかと思うとそれはそれで良かったのかなと思ったり。
あるいは、さらに増えたらすごいですね。

それはさておき、これまでは対局者の片方にだけ大きな記録が懸かっている場合、逆の目が出ると潮が引くように報道陣も去っていく。というのが常だったように思います。
それが昨日は「大記録持ち越し」という感じでニュースが出ていました。
先日も書きましたが「タイ記録にあと1勝」で報道が出たのも画期的だった気がします。
もちろん将棋界にとって良い傾向で、「夜のスポーツニュースなどで、その日の注目対局の結果が報道される」未来に一歩ずつ近づいているかもしれません。

明けて今日は4組決勝、竜王戦週間の最終日です。
こちらもかなりの報道陣になるのでしょうか。
今週の竜王戦は本当に大熱戦続きでした。
そのフィナーレを飾るような激闘に期待しています。

僕自身は今日は首都大学東京の授業、担当最終回です。

押し引き

昨日の女流王位戦第3局は素晴らしい大熱戦でした。
序盤から終盤まで見ごたえある応酬がたくさんあり、勝負所になった場面も一つではなく、いくつかあったと思います。
最後に中段で里見さんがしのいだのは、いかにも対抗形らしく、振り飛車の良いところが出たと感じました。
渡部さんと里見さんはこれまでにも熱戦が多く、これは女流王位戦の4時間という長い持ち時間に加えて、比較的波長が合う2人なのかもしれません。

また昨日は清麗戦の頼本ー中澤戦もかなりの好局でした。
頼本さんはこれまで本戦入りもそれほどなかったはずで、ベスト4は初めてと思うので見事な快進撃です。
実は小さいとき教室に通ってくれていた縁があり、教え子の活躍は嬉しいものですね。

ヒューリック杯清麗戦の棋戦表を見るとまもなく予選が終了という状況で、中村真梨花さんが全勝で予選通過したほか、残り2枠が里見ー伊藤戦と甲斐ー脇田戦の勝者になるようですね。
タイトルホルダーや経験者が姿を消す中で勝ち残っている頼本さんや中澤さん・脇田さんの健闘は見事と思います。
2敗失格というあまり例のない方式の第1回なので、状況を分かりやすくフォローするような表や記事があれば良いかなと思います。
たぶん今回に関しては参加人数が64人にかなり近いので、結果的には通常のトーナメント戦+敗者トーナメントを行っているのとほぼ同じ、でしょうか。

昭和の時代に指されていた急戦形(elmo囲い、という呼び名が僕は好きではないのですが他に良い名前はないものか)が見直されるようになった影響で、↑で挙げた2局のような中盤(駒組みの終わり~仕掛けの前後あたり)で押し引きのある将棋が、最近女流棋戦でも増えてきました。
女流のレベルアップが言われて久しいですがそれは終盤の鋭さが増したり、得意形に磨きをかけて研究を深めていたりという印象はあっても、こういう押し引きのある将棋はいままで少なかったと思うので、今後こういう将棋も増えてくればさらなるレベルアップにつながりそうな気がします。

今日は羽生九段の最多勝新記録なるか、竜王戦が大注目の一戦ですね。