銀河戦 八代六段戦

先月末に放映された一局を簡単に振り返っておきます。

戦型は先手番で早石田。
かつては初手▲7六歩に△3四歩なら▲7五歩で石田流、△8四歩なら▲5六歩で中飛車という振り飛車党が多かったですが、最近は2手目△8四歩の割合が多くなったため石田流を見る機会はすこし減りました。
以下はあまり前例のない乱戦になり、観ている方にとっては面白い内容になったのではないかと思います。

図の局面が勝負所でした。

しばらく前から考えていた局面で、ここで▲4六歩と桂取りに突くつもりが、△5五角と打つ手があって利かないのが誤算でした。
ここで考慮時間を投入したのですが、良い手が指せず。おそらく▲4八金と辛抱する手が一番良かったような気がします。
ただ、桂を取りに行けないようでは勝ちにくい展開になっていて、そうであればこの局面にしてはいけませんでした。

実戦は▲6四角とひねった場所に打ったのですがこれは悪手で、△6六歩▲同歩△6五歩▲8二角成△6六歩、と鋭く攻め込まれて敗勢になりました。
早指しの中で八代六段の指し手や時間の使い方には安定感があり、自分のほうもそこそこ力は出せたものの完敗の一局でした。

本局は結果は残念でしたが、また良い将棋を観ていただけるよう頑張ります。

番勝負

今日からまた将棋の話題に戻ります。

日曜日はタイトル戦が2局。
棋王戦は渡辺棋王が2連勝で、早くも防衛に王手。
Wタイトル戦を両方全勝で駆け抜けたら、とんでもないことですが、とりあえず両方あとひとつまで来ています。
王将戦と合わせて、後ろの対局場も控えているので盛り上がってほしいところではありますが、どうなりますか。

この将棋は角換わり腰掛け銀で、後手がひねって手待ちする将棋でした。
ちょっと、いやだいぶややこしいですが、最近の角換わり腰掛け銀では組みあがり間際で後手が手損を重ねるケースが多く、それが偶数(2・4)手か奇数(1・3)手かによって展開が変わってきます。
素直に手待ちするとそれが偶数手になり、本局のようにひとひねり加えると奇数手になります。

今度出る新刊にも「パスの技法」という一節でその一端を解説しています。
この駆け引きをすべて書いているとそれだけで一冊になりそうなので、今後誰かやる可能性もありそうですが果たしてアマチュアの方々に需要があるのかどうか。

女流名人戦は伊藤さんが一番返しました。
本局は良いワカレを得ての完勝でしたが、次に競り勝ちや逆転勝ちが入ると、流れが変わることもあるかもしれません。

昨日は叡王戦挑決第1局、これはすごい将棋でした。
形勢には大差がついているはずなのに、全然終わる気配がなく、しかし全然逆転する気配もない。こういうことはめったにありません。
結果としては永瀬七段の完勝でしたが、両者の強さと個性を感じました。

ところで2日で番勝負が3局指されたことは、過去あまりなかった気がしますがどうなんでしょうか。
棋王戦は第3局まではしばらく間が空くようですが、女流名人戦第4局と叡王戦挑決第2局は来週また続けて行われるようです。

 

 

帰京

ほぼ予定通りの行程で昨夜、帰京しました。
大塚美術館は、やはり行って大正解でした。
国内にあれほどの場所があるというのはすごいことで、ぜひ人生で一度は行っておきたい場所の一つだと思います。
個人的にはもう一度は行くつもりです。とても一日では回り切れないので。

香川ではさぬきうどん、寿司、島に渡って手延べそうめん、戻ってきて最後にもう一度さぬきうどん、と堪能しました◎
また小豆島では将棋界御用達の左海さんに大変お世話になりました。
どうもありがとうございました。
ここの醤油はマジうまい。ぜひ一度、お試しください。

そして一夜明けたら今朝は雪。寒い。
そういえば東京は一昨日も雪だったそうで、帰宅時にたまたま回避できたのは、ツイてますね。
幸い体調もいつも通りで何よりです。インフルが流行っているので、引き続き気をつけておきたいと思います。

ちなみに手元のスマホによればこの3日間で57000歩ぐらいだったそうで、久々によく歩きました。
これで対局でも歩が足りるようになれば良いですね。

ブログは明日からまた通常営業に戻ります。

現在地たぶん小豆島

実はこの2日ほど予約投稿で、金曜日の朝から、四国に来ています。

その前の日に妻がインドに出かけ、さすがにそれはついて行けないのでどうしようかなと考えていたところ、ふと思い立って以前から行きたかった大塚美術館に行くことにしました。
予定通りであればその後徳島と高松に泊まって、ちょうど今頃は船に乗って島に渡っているところのはずです。

広島出身の僕にとって松山(愛媛県)は対岸で近いので何回も訪れていて、他に高知もわりと縁があったのですが、香川県や徳島県には泊まったことがありませんでした。
たぶん徳島は通過するのも初めてだと思います。
またひとつ、日本地図を塗ることができました。

以上、すべて予定で、そのまま予定通りであれば今夜帰京します。
久々にフットワークの軽さを発揮しました(?)

ということで今日はこのあたりで。

動画

昨日書いた話の続きですが、一昨日は新刊「平成新手白書」の見本が届いたとのことで、受け取りに行ってました。
いよいよ間もなく発売です。
非常に良い仕上がりになっていますので、ぜひよろしくお願い致します。

さてこれに関連して、動画を撮影してきました。
本の紹介に加えて、これぞ、という新手の話や、今後注目すべき新戦法についての話をしています。
近日中に公開されるものと思いますので、そのときはまたお知らせします。

動画と言えば、最近ニコニコで「藤井聡太七段に聞いてみた」という短いインタビューが毎日公開されていて、ときどきまとめて見ています。
答えが簡潔、明快でさすがだなあと感心します。
具体的には、直接見ていただいたほうが早いと思いますが第1回、10回、18回あたりは印象に残りました。

先の本や動画でも、藤井七段の将棋は当然ながらいろいろと紹介させてもらっています。
どんなところが新しいのか、ぜひ多くの方に解説を読んで(観て)いただけたらと願っています。