負け

昨日の対局は、苦しい展開から盛り返したと思った矢先の大ポカで、一局を台無しにしてしまいました。
最終手▲8四香の寄せに気づいたのが投了2手前で、そこではもう、形を作る以外の手がありません。

数手戻って△6六歩と取り込んだ手が二人がかりで自玉を寄せる大悪手で、何はともあれ△8四銀と埋めるべきところでした。
10秒将棋ならたぶんそう指したと思うのですが、△6六歩▲同金としてから打ったほうが得だなあと考えているうちに、本譜の寄せをうっかりしてしまいました。

実は年末から練習将棋も含めて連敗が続いていて、まさに泥沼です。
最近は心技体、という点で(技はさておき)普段に比べて心配なところはないと感じているので、黒星がこれほど続いている理由はよくわかりません。

相手も常にプロなので結果は仕方ないですが、こういう大きなミスが出ないようにはしないといけません。
次の対局までできる限りのことをやって、これから順次始まる予選の対局には背水の陣で臨みたいと思います。

最近よく思うことですが、プロの将棋は途中まで均衡が取れていたとしても、どこかで大きなミスが出てしまうと、一番面白いところにまでたどりつけません。
逆に多少形勢に差がついていたとしても、悪いほうが離されずにくいついていけば、際どい競り合いが楽しめることが多いです。
昨日の将棋は、こちらにポカがなければ、それなりに面白い終盤戦になっていたはずです。
結果以上に残念な一局になってしまったので、繰り返さないようにしたいです。

続・最年少棋士

昨日書いた囲碁界の天才少女は、その後井山さんと公開対局をされたそうで、再び大きなニュースになっていました。
正直なところ、どの程度に衝撃的な強さなのかは僕には分かりませんが、井山さんや張栩さんがこれだけ手放しに称賛するからにはよほどすごいのでしょう。
今後が楽しみです。

この件について「特例でプロ入りや、まして’最年少’はおかしい」という反応が見た感じではけっこう多くて、なんというか、予想通りでした。
ただ、囲碁界はもともと団体が2つあって、日本棋院だけではなく関西棋院にも独自のプロ制度があったはずです。
また将棋界でいうところの奨励会にあたる制度の外や横に、プロ試験の制度や女流枠などもあって、プロの人数も大きく異なり、比べることは難しそうです。

また将棋界でも奨励会の制度はあまり変わることなく続いていますが、それでも何度かの変遷はあり、女流棋士の制度となると本当に繰り返し変わっています。
その中で最年少記録は藤田綾さんの11歳6ヵ月となっているようですね。
今後この記録が塗り替えられる可能性は十分にあると思いますが、将棋界の場合それぐらいの棋力を持つ少女は奨励会入りを目指す可能性も高いので、どうなるかはわかりません。

プロになれる線引きをどういうレベルでどのように定めるかは難しい問題で、基本的には団体(業界)の総意で決めれば良いことだと思うので、今回のケースもこれはこれで一つのやり方と個人的には思います。
今回のプロ入りをきっかけに才能がより開花した、ということになってほしいですね。
結局のところ今後の成長如何でこうした特例の是非は判断されるでしょうし、おそらく2年ぐらいである程度の結果は見えてくるのではないでしょうか。

それにしても、小学生で「プロ」になる人生ってどんなものなのでしょうか。
ちょっと想像つきませんね。

夫の好調の理由を同業者の妻が勝手に推測する

マッチングの問題は極めて重要です。
自分自身は基本的にそこから目を背けて生きてきた人間なのですが、今後自分を変えていくべきかどうかは、悩ましい問題です。これは将棋に限ったことではなく。

ところで上田初美さん、文章うまいんですね。
次はどんなのが来るか、楽しみです。

指し初め式など

昨日は恒例の指し初め式。
例年より棋士の姿がやや少なく、関係者の方々が多い印象でしたが、もしかしたら土曜でお仕事の棋士が多かったのかもしれません。

僕も記者の方と一手指させていただきました。
新年最初の一手は、振り飛車の桂を△4五桂と跳ねる手でした。これは縁起が良い。
気持ちよく左桂を活用して、振り飛車らしくさばける一年にしたいと思います。

再度告知するつもりでうっかりしていましたが、新年から囲碁将棋チャンネルで講座を担当しています。
全13回にわたり「終盤の羅針盤」と題して、終盤の指針となるような考え方を解説しています。
ぜひご覧いただければ幸いです。

お隣の囲碁界で10歳のプロが誕生とのニュース、これにはびっくりしました。
特別枠での採用とのことですがそうは言っても規格外の新人なのは間違いないでしょう。
初段からであるとか、いろいろと制度の違いもあり現在のトップ棋士の方々は中学生ぐらいからはかなり活躍されている印象があります。
小学生のうちにどのぐらいの活躍をするか、が今後の注目でしょうか。

将棋界でも最近の奨励会は明らかに低年齢化が進んでいます。
頭脳競技という分野は基本的に早熟の天才が有利な傾向があり、囲碁・将棋はその象徴のようなところがあります。
社会全体としてもたとえば高校・大学の飛び級をより柔軟に認めるとか、頭脳五輪(等)に力を入れるとか、といった動きがもっとあってほしいと思いますね。

一方でそうした才能を、努力を継続することで長くキープする必要があるというのもこの世界の特徴で、その結果としては異なる世代のせめぎあいが見られるのが面白いところでもあります。
囲碁・将棋の別を問わず、時代が昭和→平成→?と移っても変わらないその本質に、今年も注目が集まる一年になればと思います。

指し初め

昨日は今年初めての練習将棋でした。
残念ながら結果、内容とも良いものではなかったですが、ここから少しずつエンジンをかけていきたいと思います。

今日、1月5日は将棋界では毎年恒例の「指し初め式」が行われる日です。
僕もこれから千駄ヶ谷に行ってきます。

例年、公式戦の対局は指し初め式の翌日からですが、今日は土曜日なのでもしかしたら明日はまたお休みで、あさってからかもしれませんね。
自分は火曜日の順位戦がスタートになります。

昨日は目隠し将棋の中継(@上州将棋まつり)が行われていたのが目を引きました。
対局予定が出ていないのとかを見るとお正月モードを感じますが、それも今日明日ぐらいまでで、すぐにまた日常に戻っていくんでしょう。
今年も多くの熱戦・名局を、ファンの皆さまに楽しんでいただけますように。

では今日はこのあたりで。