対局の日の朝のこと

対局の日の朝は、だいたい同じ行動を取ることがほとんどですが、昨日はちょっとだけ変わったことがありました。

まず、小銭入れを忘れて家を出ました。
過去、長財布やスマホを忘れたまま連盟に着いたことはある(対局には必要ないので特に問題ない)のですが、小銭入れには家の鍵が入っているので、忘れたことはありませんでした。
昨日は祝日だったので家に奥さんがいて、家を出るときに自分で鍵をかける必要がなかったために、起きた出来事でした。

駅に行く途中で気がついて、その時点ではまだ時間には余裕があったので取りに帰り、ここで十数分ロスしました。
その結果、千駄ヶ谷駅に着いたのは9時半ぐらいになりました。
(普段だと9時15分ぐらい)

いつも通りならそこからコンビニに寄って対局中の飲み物を買います。
最近はローソンで野菜生活(カゴメ)の豆乳スムージーを買うのが定番です。
ただギリギリに連盟に着くのは好ましくないので、昨日はまっすぐ連盟に向かうことにしました。

僕は以前から、9時50分頃には両者着席して対局準備を始めたほうが良いと思っています。
駒を並べて振り駒して、すこし待って10時に対局開始、となるためにはそのぐらいがちょうど良いからです。
最近は手荷物検査などもあるので、遅くとも9時40分ぐらいには対局場に到着するべきだと思います。
そうでない棋士も多くて、特にルール違反とかではないのですが、そうしたほうが気持ちよく対局できると思うので。

ということでいつもの飲み物が用意できなかったので、午前中の注文のときに、係の人にコンビニで買い物をお願いしました。
基本的に必要なものは自分で用意するので、買い物をお願いすること自体もかなり珍しいです。

そうしたら、いつも買うのとは違う豆乳スムージーがやってきました。
(ちなみにローソンのオリジナルブランドでした)
買うものを決めていると、目に入ることさえないので、「豆乳スムージー」と言ってもけっこういろいろ置いてあることは、よく知りませんでした。
こんなことでもなければ、この先もずっと知らないままだったかもしれません。

ということで、祝日対局でなければ買うはずのなかった飲み物で、対局に臨むことになりました。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の例のつもりでここまで書いたつもりなんですが、合ってますかね?

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肝心の対局は残念ながら良いところなく負けてしまいました。
やはりトップ棋士は読みが正確で、力の差を感じました。

自分の出来が特別悪かった、というわけではないと思うので、気を取り直して次また頑張ります。

 

竜王戦は超スローペースですね。
近年のタイトル戦、特に渡辺竜王の対局では異例ではないでしょうか。

ただ封じ手の▲2四歩はいかにも渡辺竜王らしい感じがしました。
羽生棋聖は後手番らしくついていく姿勢のように思えます。

盤外に目を向けると今日はニコ生、Abemaの解説陣がひときわ豪華で、こんなところにも本局がいかに大一番が、見て取れる気がします。
これから午後の戦いをじっくり観戦しようと思います。

祝日対局

今日は王位戦の対局。
いつものように予約投稿です。

相手は丸山九段で、これが3回目の対戦。
トップ棋士の中では、一番多く当たっている方の一人です。
連敗中ですが気持ちを切り替えて、良い波に乗れるように頑張ります。

 

一般的に土日や祝日に対局がつくことは少なく、対局がないことにはリアルタイム中継もできないので、以前から可能なときはぜひつけてもらうようにお願いしています。
今日の場合は竜王戦の第4局があり、さらに朝日杯もついているのでその気遣いは必要はなかったみたいですが、僕の対局も中継してもらえるようです。

モバイル中継のことを抜きにしても、平日とは会館内の雰囲気もすこし違った感じで緊張感もほどよく上がるような気がして、祝日の対局は僕は好きですね。
新鮮な気持ちで、盤面に集中する一日にしたいと思います。

せつもく

昨日はブログにも書いた通り、午前中から夜中まで豪華な一日でした。

王将戦は、豊島八段に挑戦権。
タイトル戦は4回目の登場で、うち久保王将への挑戦が2度目なので、これまでのところ縁のあるカードということになりそうです。

豊島八段は最近特に作戦面での用意周到さが目立つので、振り飛車対策として有力と考えている指し方が多く見られそうで、楽しみな番勝負です。
挑戦を決めた一局は、お互い相当に突っ張った指し方をされて、観ていて驚きましたしとても面白い内容でした。

他の2局は、雁木模様と横歩取りという全く異なる戦型でしたが、金が三段目・四段目に出ていく超力戦形、という共通点がありました。
以前に比べて、こういう指し方は増えているように思います。
形にとらわれずにバランスを取っていく将棋が好まれるようになり、また必要に迫られているという意味もあるのでしょう。

それにしても王将リーグ、7人中5人が3-3で並ぶとは。
さすがにこれは前代未聞なんでしょうね。
順位差で新参加の3名が陥落という結果に。厳しいリーグです。

 

表題は昨日の王座戦で藤井四段が勝ちを収めたあと、会見で述べた言葉だとか。
いままで話題になった「望外」や「僥倖」は、特に難しい言葉という印象はなかったですが、節目と書いて「せつもく」と読むとは、初めて知りました。
インタビューには事前準備があるのか、それともその場で考えているのかは、大変興味深いところです。

肝心の将棋の内容のほうは、ずいぶん苦しかったように見えたのですが、気がついたらはっきり勝ちになっていて、相変わらず驚かされるばかりです。
そしていつの間にかまた2ケタ連勝に突入しているそうで。
報道の勢いも再び加速しそうな感じです。

次の注目はやはり順位戦の昇級なるかと、叡王戦本戦、それに年度成績といったところでしょう。
明日は銀河戦の放映日だそうで、こちらも楽しみですね。

 

今日はリコー杯の第3局、舞台は静岡。
他にA級順位戦など中継は全部で4局、今日も豪華な一日です。

王将リーグほか

昨日のモバイル中継、阿部ー遠山戦はすごい将棋でした。
角換わりの近年よく見かける形から、後手玉が単騎で突進、しばらく危ない場所を遊泳したのち、入玉を果たして勝利。
なかなかお目にかかれない攻防だったと思います。

こんなに短い手数で玉がここまで入り込んだ例はあるのかな?と気になってDBで調べてみたのですが、意外にもけっこうありました。
(二段目どころか一段目もあった)
自分自身は入玉して勝った経験はほとんどないはずなので、こういう戦い方も勉強しないといけないかもしれません(?)

 

今日は王将リーグ最終日。
リーグ戦の最終局というのは一斉対局が通例になっており(他に王位リーグや女流名人リーグなど)、王将リーグの場合は7人なので3局+1人が抜け番。

王将戦協賛の囲碁将棋チャンネルではテレビと、インターネットの将棋プレミアムでも生放送が行われています。
挑戦や陥落の多くが決まっている可能性もあった中、結果的にはほとんど決まらず、かなり盛り上がる展開になったと言えそうです。

モバイル中継は王将リーグのほかに竜王戦6組(裏街道決勝)、王座戦、棋聖戦、朝日杯で都合5棋戦8局。
とても豪華な一日になりましたね。

 

連盟HPより2つ。

「待つ」ということをどう捉えるか(将棋コラム)

将棋の教育的効用、というのはいろいろあると思いますが中でもこの「待つ」というのはけっこう特徴的かなと思います。

僕が将棋のルール(ゲーム性、と言い換えても良いかもしれない)を伝えるときに特に強調するのが「交互に指す」という点です。
二手続けて指してはいけないし、相手が指したのに気づかずよそ見していてもいけない。
当たり前のことなんですが案外、これを学ぶ機会は少ないものです。

職団戦に女流棋士会ブース

今年は例年よりすこし時期が後ろ倒しになり、あさっての祝日に秋の職団戦が行われます。
勤労感謝の日、というぐらいですから職場対抗の大会にはぴったりの日という気がしますね。

近年は400チームを超える参加をいただいていますから人数にして2000人以上、めったにないほどの数の将棋ファンが集まる会場ですからこうやっていろいろとPRするのが良いと思います。
僕は実はこの日対局がついていて(モバイル中継もあります)、応援に行けないのは残念ですが、皆様の健闘を願っています。

JT杯と、詰将棋の話など

昨日のJT杯決勝は、山崎八段が勝って優勝。おめでとうございます。

棋譜はあとで見たのですが、なんとも彼らしい内容の将棋でした。
公開対局でご覧になっていた方は、大熱戦にさぞハラハラドキドキ、大満足されたのではないでしょうか。

子ども大会参加者も大幅増、報道によれば3600人ほどだったとのこと。
たぶん2年前のギネス記録も更新されたのではと思います。
素晴らしいことで、未来はいっそう明るいですね。

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昨日もご紹介した「中学生棋士」にもたびたび出てくる、詰将棋の話。
冒頭で「詰将棋の問題を作ることは、プロ棋士である私にとっては唯一といってもいい趣味である」と書いてあったりして、これは同じプロ棋士の自分でもちょっとびっくりしました。

僕の場合、趣味というと他のゲーム全般で、詰将棋はあくまでトレーニングですね。
(正直言ってそれほど得意ではないし、解くだけで作るほうはできない)
前にも書いた通り、最近は「短編名作選」を毎日の日課にしていて、見開き2ページずつなんですがこれが終わらないと一日が始まりません。
ブログの更新が遅れているとだいたい寝坊か、詰将棋が詰まないかのどちらかです(笑)

17手までなので極端に難しいのはない、はずなんですが実際はそうでもなくて四苦八苦。
詰将棋作家というのは本当にすごい方々だなあと思います。
いまのペースでいけば年内にはなんとか終わる計算なのですが、どうなるか。

ところで、僕は未来の人類は仕事に追われることもなく、いかに楽しく余暇を過ごすかがみんなの課題になって、そこでどれだけただ楽しいだけでなく知的な活動をできるかが重要になるのではないかと予想しています。
将棋はきっとその一助になると思っていますし、他のゲームももちろんそうなんですが、詰将棋はその中でもし順位をつけたら、かなり上位にランクインするのかもしれません。

トレーニングとして取り組むと、詰まないと本当にしんどいというか、イライラするんですが(笑)、そこが面白い、あるいは工夫のしどころでもあるわけで、趣味として取り組めばこれほど楽しいものもないのでしょうね。

指す将の方には詰将棋やらなきゃなー、でもしんどいしなー。と思っている方はけっこう多いはずなので、そういう人は、もうすこし気楽に取り組むと良いのではないかと思っています。

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AbemaTIMESのこの記事を読んで、昔のことを思い出したので最後にすこしだけ。

15年ぐらい前のこと、中原ー米長戦の記録を取ったら、感想戦がなかったということがありました。
負けた米長先生が先に帰られたあと、棋譜をコピーして戻ってきたら、残った中原先生に「ちょっとそこに座って」と言われて、短い時間でしたがその場所で僕が米長先生の側を持って、感想戦をしました。

記録はたくさん取ったんですが、あのときはさすがに緊張しましたね。
懐かしい思い出です。