8/9 八代六段戦

対局の振り返りです。

叡王戦で、勝てば次の対局は放映されることが決まっている、という状況でした。
ただし放映がない対局も、リアルタイムで棋譜が配信されています。
本局はこちらでご覧いただけます。

この将棋はひどい大敗だったのですが、実は似た将棋が十数年前にあったことをうっすら覚えていて、中途半端にその知識があったのがかえって良くなかったです。
なまじ形だけ知っていて研究がない、という状態が一番悪いですね。
それは分かっているはずなのですが、また同じ反省をすることになってしまいました。

図で▲2四飛成(2三の飛が動く)が好手でした。
代えて▲2四飛上(2六の飛が動く)とすれば、どちらの飛を取っても竜が残るので、普通はこのほうが良さそうに見えます。
しかしこの局面では、3三の角は価値が高い守備駒で、いっぽう3二の角は負担になっている駒。
だから3三の角を除去するのが急所――というのが正しい判断になります。

すなわち、図以下
▲2四飛上△2三角▲同飛成△2二歩▲2六竜△7二銀
という順ならばいい勝負なのですが、実戦の
▲2四飛成△同角▲同飛△2三歩▲2六飛

は困っています。
▲2四歩と仕掛けられたときに気がつきましたが、当然ながら手遅れでした。

ただここで△5一飛!と打てばあんなに早く負けることはなかったと思います。
(▲2二歩△3三桂に▲2一歩成の防ぎ、▲2二角に△3三桂の防ぎ、そして▲3一角も防いでいる)

実は対局中もそう思ったのですが、そんな手は悔しくて指せませんでした。
でも他にやりようがないんだから、打つべきでした。

叡王戦六段戦は4期出て結局1勝しかできず。
負けた将棋はどれも大敗でした。ちなみに振り駒も全敗。

来年度は七段戦に昇格なので、心機一転、頑張りたいと思っています。

余詰?

今日はこれから山梨に小旅行に出かけてきます。
その後、明日はそちらの将棋イベントで、すこし指導対局などしてくる予定。

朝早いのでこれだけ、にしようかと思ったのですがたまには将棋と何の関係もないネタを少々。

最近欠かさず観ている番組のひとつに「チコちゃんに叱られる!」があります。
情報番組が流行しているらしい?という話を最近よく目にしますが、その中でも抜群に面白いと思います。

で、こないだ番組の中で

「真っ黒なのに点々をつけると透明になるものってなーんだ?」

というナゾナゾがあったんですよ。

興味のある人は考えてみてください。
さっさと答えを知りたい人は、10行ほどそのままスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

作意は「カラス」らしいです。
「カラス」→「ガラス」ということですね。

でも僕の解答は「タイヤ」でした。

誰かチコちゃんに教えてあげてくれないかな。

 

では、行ってきます。
明日は公式戦の振り返りを1局入れてあります。

今週の中継など

しばらく中継の話題にはあまり触れていなかったので、今週行われた対局についてなど。

今週はA級順位戦が3局、他にB1とC2もありました。

昨日の羽生ー久保戦はすごい将棋で、久々に神業を見せられた気がします。
急戦でまともに飛角総交換してはさすがに振り飛車が良いとしたものですが、そこから△7三桂~△6五桂~△5七桂不成と飛び込んで勝ち。天使か。
盤に並べるべき将棋ランキング上位の一局が誕生しました。

B1とC2は自分も同じ日に対局で、東京で行われていた将棋は夕休頃にひと通り見てから帰宅したのですが、その後の展開を見ると比較的逆転の少ない一日だったように見えました。
ただ特にB1は、それでいて簡単に決まらない将棋ばかりでさすがと思わされましたね。
将棋は苦しい側が手段を尽くすとだいたい大熱戦になります。

あとこの日は倉敷藤花戦の準決勝が、妹弟子同士のカードでした。
東京で、自分以外で同門対決は極めて珍しい、というか初めて見たかもしれません。
相振りの大乱戦で、なかなか面白い将棋だったと思います。

月曜日の叡王戦は、注目の藤井七段が枠抜け。
準決勝でのトン死勝ちは、まるで昨年のリピートのように見えました。
決勝は安定した内容でさすがでした。

他では火曜日、棋王戦の船江ー三浦戦が大熱戦で面白い将棋でした。
トップ棋士の終盤は本当にすごいものだといつも思います。
この凄さがもっともっと伝わってほしいですね。

今日から世間は3連休ですか。
東京はすっかり涼しくなりました。気がついたら秋が来ていて、なんだかびっくりです。
あいにくの雨でお出かけにはちょっと微妙な感じですね。

僕は今日は自宅仕事、明日あさっては山梨に行ってきます。

勝ち

昨日の対局は、先週に引き続き先手中飛車。
採用が続いているのはたまたまでもあるのですが、頼れる相棒になりつつあります。

そして本局もまた、自分にとっては経験のない形に。
類型を意識しながら指してみたもののワカレはすこし指しにくくなり、工夫が必要と感じました。

中盤でさばきに転じたところで急に景色が良くなり、その後粘られるも無事逃げきって勝ち。
優勢になってからは一手だけ、気の緩んだ手があったのですがそれを除けばうまく指せたと思うので、全体的には満足のいく内容になりました。

昨日はB1とC2の順位戦があるなど対局の多い日で、大広間は大先輩が多く重厚な空気の中で一日を過ごしました。
視界に70代の桐山先生の姿が見える位置取りで、他に南先生や森下先生・中田先生など50を過ぎた先輩方も含めて、凛として崩れない対局姿勢に感銘を受けました。
持ち時間いっぱいまで頑張っておられて、自分も10年後、20年後まで頑張らないといけないなと改めて思いました。

来週の対局も頑張ります。

 

帰宅後は王座戦第2局を観戦。
斎藤七段、夕休前の△4五銀▲同歩△2五桂という手順はお見事でした。
かっこいいだけでなく、ちょっと気がつきにくい組み立てだったのではないかと。
中村王座としては、▲同飛と取るしかなかったのではないかなあ。

ああいう場面で外野の棋士は「負けても取る一手」「死んでも取るしかない」とか言うもんですが、実際には死ぬわけじゃないとはいえ、タイトル懸かってますからね。
観ていて簡単には判断できないなと思った場面でした。

今日はとある仕事の打ち合わせなど。
最近ありがたいことに、将棋連盟以外から仕事の依頼をいただくことが続いていて、ちょっと忙しくなっています。
あまり無理をせず、自分にできることを丁寧にこなしていきたいと思います。

今日対局

王位戦で高野六段と。

今期の王位戦7番勝負は両者相譲らず、3-3のフルセットで最終局が注目されるところです。
こちらは来期予選の1回戦。

このところ将棋の内容がすこし良くなってきた実感があるので、この調子で、良い流れを持続できるようにと思っています。

今月はこのあと王座戦でも来期予選の1回戦がついています。
今日はその5番勝負の第2局で、こちらも注目ですね。

では、今日も一生懸命頑張ります。