今日は対局

朝日杯で勝つと午後からもう1局指せるパターンです。

相手の西田四段とは初手合。
順位戦や竜王戦のクラスが違う兄弟弟子とは当たる機会は少なく(自分だけが関東所属なので)、楽しみな一戦です。

西田君は三段リーグでは苦労しましたがもともと周囲の評価は高く、四段昇段後はその期待に応える活躍をしていると思います。
早指しなので決断よく指すことを心掛けて、良い将棋にできればと思います。

今日から王座戦5番勝負開幕ですね。
中村王座vs.斎藤七段 将棋王座戦五番勝負が4日開幕 (日本経済新聞)

お互いにとって本当に大きなものが懸かった五番勝負になったのではという印象です。
名勝負に期待したいと思います。

では、行ってきます。

新四段

昨日は三段リーグ最終日でした。

新四段誕生のお知らせ(連盟HP)
最近関西勢の活躍が目立っていましたが、今期は東京から2人でした。3年ぶりのことのようですね。
本田君、山本君、おめでとう。

2人は「三段リーグで藤井聡太に土をつけた」という共通点があるそうで、やはり天才に土をつけたことでハクがついた、という面はあるのかもしれません。
調べてみたら5人中これで3人までが昇段したことになるようで、5人の中で最初に上がったのが弟弟子の西田君だったんですね。
明日の対戦がますます楽しみになりました。

山本君は師匠の小倉七段と共著を出したことで、名前を知ったというファンの方も多いのではないかと思います。

僕も読みましたが非常に面白い本でした。

 

最近プロ間では角道を止める振り飛車が、一時期に比べると目に見えて増えている印象です。
振り飛車の新たな時代が来ているかもしれません。

自分の知る限り、将棋界では基本的にアマチュアには振り飛車が人気で、プロ間では居飛車党が大勢を占めるという時代がずっと続いています。
その中にあってプロ間で振り飛車が活況を呈する時期というのはやはり見ていて面白いのではと思いますね。

たとえば最近の公式戦では、A級順位戦の稲葉ー糸谷戦が面白かったです。
(このカードは本当にいつも面白い)
その将棋はいわゆる阪田流向飛車でした。

土曜日のJT杯でも佐藤会長が(いつもながら)独創的な振り飛車を披露したら、中村王座もやや珍しい構えで対抗して、これも面白い将棋になっていました。

今日は菅井王位が藤井七段相手にどんな振り飛車を見せてくれるか注目しています。

棋士という職業

「泣き虫しょったんの奇跡」映画の公開がいよいよもうすぐで、反響が楽しみです。
僕も試写で見せていただいたのですが対局シーンへのこだわりが特に印象的でした。

撮影時の感想など。
ご本人のブログを読んでも本当に楽しそうで嬉しそうだし、素晴らしいことです。
この記念写真、いいですねえ。

瀬川さんの奨励会時代やその前後のことは、もちろん知らないわけですが編入試験のときはプロになったばかりの時分で、他人事ではなかったのでよく覚えています。
いま思い返してみてもあれはたしかに「奇跡」でした。
また自分自身、きっかけとなった銀河戦の2戦目で瀬川アマに負けていて、流れを作った一人でもありました。

当時の将棋世界の引用。
「泣き虫しょったんの奇跡」 前夜(将棋ペンクラブログ)

いま読んでみても、いろいろと考えさせられる記事になっています。
ああそうだったなあ、と思い出すことも多い。
当時の反響はもちろん大変なものでした。
また若いときにこうした大きなうねりを経験した自分にとっては、その後プロ棋士という職業について深く考えるきっかけの一つにもなりました。

“年齢制限に勝った”奇跡のプロ棋士・瀬川晶司さんが会社員を経験して気付いた、「好きなことを仕事にしろ」の本当の意味
ものすごく良い記事でしたので、ぜひ一読をオススメします。

自分の人生はなかなか面白いな

とそういえば最近僕も思いましたが、そう思えることは、とても大切なことだと思うんですよね。
棋士は誰もがそれなりに山あり谷ありで、大変なこともあるわけですがそれこそが面白さでもあります。

好きなことだけで食っていけるのか
同郷の陸上選手・為末さんのブログが面白くて、このところよく読んでいます。
この記事はたまたま時期が重なったので、関連づけて読んでしまいました。

25年という時間は自分の奨励会生活とこれまでの棋士生活を足したのと同じぐらいの長さなので、感覚的に近いところもありそうだなと思いました。
そして

最初の好きとは少し質感が違う

という感覚はよく分かる気がしました。

他にも市場というものに関しての考え方とか、参考になる点は多いです。

また「そもそも打席にも立たせてもらえないようになる」の例えで言うと将棋でも、プロ入り直後のときと比べて、キャリアを重ねると共に(レベルは上がっているはずなのに)注目されなくなって、指した将棋がメディアに露出しなくなる、という現象はしばしば起きます。
それでも淡々と努力を続けられるかどうか、はとても大切なのだと思います。

話は変わって、昨日は知人に昇段のお祝いをしていただきました。
淡々とした日々の中にあってとても嬉しい出来事で、こういうことがあるからこそ人はまた頑張れるのだと思います。
どうもありがとうございました。

ちょっと長くなって脇道にもそれましたがそういうわけで、映画の公開をお楽しみに。

夏の終わりに

数日前のこと、電王トーナメントの終了が発表されました。
歴史的な役目を終えた、とのことでこれはまさにその通りでしょうね。

立ち上げのときは本当にできるのかなと不安だったのですが、ふたを開けてみれば見事なもので、あのときはホッとすると同時にドワンゴという会社は本当にすごいなあと思ったことをよく覚えています。
いろいろなトピックがありましたが生で観ていたponanza-awake戦の最終盤は特に忘れられません。
コンピュータ将棋・電王戦の歴史にとって、いろいろな意味で本当に大きな一番でした。

また八王子将棋クラブが年内で営業終了との報。
上記とは何の脈絡もありませんがたまたまタイミングが重なったので、夏の終わりに、ちょっと寂しいなという気持ちになりました。
1977年創業とのことで、これは広島将棋センターの前年に当たります。
寂しいお知らせに接し、将棋道場という形態について改めて考えさせられました。

 

学校に行きたくないあなたへ(BLOGOS)
不登校新聞、というものがあるのはたぶん知りませんでした。

「誰かが同じような境遇にいたはずだ」と思うこと

というのはたしかに有用な思考法だと思いますし、

「10代の特典」

というのもたしかにあるような気がします。

自分自身小学校を出ていない身なので、同じ境遇の子がいたらそれでもプロ棋士になれるし東大にも行けるんだよ、ということは教えてあげたいです。

 

東京は今朝からぐっと涼しくなりました。
秋が近そうですが心配なのは新たな台風です。どうか何事もありませんように。

また今日は名古屋で西日本豪雨に関してのチャリティーイベントが行われています。
お近くの方はぜひ。

最近の観戦 王位戦第5局など

一昨日・昨日は徳島で王位戦第5局。
ここは例年5局目が恒例なんですが7番勝負なので回ってくることがほとんどのようですね。

封じ手の局面は手が進んでいるぶん居飛車側がやや模様良しと見ていたのですが、結果は逆でした。
2日目、戦いが佳境に入ってからの菅井王位の指し回しが絶品で、大変勉強になりました。

それにしても、初日の夕方に▲2七銀と片足を上げて、その後▲3八金と閉まらない状態が18時間以上続く中盤戦というのは、並大抵ではないですね。
余人にはなかなかさばけない将棋だったのではないかと。
あと78手目△2五同銀のところの見解や感想が、非常に興味深いと感じました。
あのあたりから振り飛車ペースになっていったように思います。

王将リーグ入りを懸けた一番は、相居飛車不定形の難しい将棋でこちらも参考にしたい内容でした。
タイトルホルダーが8人もいるご時世ですが、広瀬八段も最近かなり好調に見えます。
本局が竜王戦七番勝負の前哨戦、となるかどうか。

順位戦は火曜日がC1で昨日がB1とC2、今日もA級が1局。
C1は帰りの電車で金井ー杉本戦の詰む詰まないのところを観ていました。終始際どい勝負で面白い将棋でした。
あとは隣でやっていた千葉ー阪口戦、千葉さんの堅実で誠実な指し回しが印象に残りました。
次の千葉ー藤井戦は要注目の一戦です。

昨日はB1は長期戦が多く、C2は対照的に早い決着が多かったので順番に観戦していくにはほど良い一日でしたか。
ただやっぱり2クラス同時だと局数的にはやや多いですね。
神谷ー村田戦の終盤がいろいろと技が出て面白かったです。
また全体的にもわりと大技が多く見られた一日だったような気がします。

早いものでもう8月も終わりですか。
個人的には前半はいろいろと不調でしたが後半はちょっと良くなりました。
さらに調子を上げて、実りの秋に入っていきたいですね。

では今日はこのあたりで。