来場御礼と献本御礼

一昨日、福島のイベントでは多数のご来場をいただきありがとうございました。

おそらく400人ぐらいの方にお越しいただいたのではないかと思います。
将棋ブームと、加藤先生の人気を実感しました。
サイン会も大行列でした。

写真は竹部さんと地元の子ども代表による二枚落ちの席上対局。
ちょっと珍しい企画ではないかと思います。
次に控える子が横で見ています。しかし、その後どこかへ行ってしまった(笑)
僕は写真の右のほうで解説していました。

二枚落ちの定跡を勉強するというのは上達の過程でぜひやってほしいことの一つです。
本当に素晴らしい定跡なので、すべての将棋ファンに知ってほしいですね。

これでまだ3度目ですが、福島のイベントはいつもスタッフの方が大勢いらっしゃって、ありがたい限りです。
今回も大変お世話になり、ありがとうございます。
ちなみに写真も喜多方の支部の方からいただいたものです。

※主催の福島民友新聞社の記事を追記します
切れ味抜群『ひふみん節』 将棋人気「私と藤井七段のおかげ」

 

話は変わってしばらく前のこと、出版の企画があり、マイナビ社に打ち合わせに行きました。
「打ち合わせ」と名のつく行動はいつ以来のことなのか、懐かしい響きでした。

久々に、本を出す予定です。
まだ台割はおろか内容も、タイトルも何も決まっていないのですが、とりあえずブログで宣言しておくというのは案外有効な方法と学んだので、書いておくことにします。
年内ぐらいで書き上げて、年度内ぐらいに出れば良いなというのが、なんとなくいま思っていることです。

で、打ち合わせに行っただけなのに、献本いただきました。
将棋の本はかなり買っているほうだと思います。
どちらもいずれ買う予定だったので、ありがたいです。

先崎学&中村太地 この名局を見よ! 20世紀編
関西若手棋士が創る現代将棋
(リンク先はいずれもマイナビ社「将棋情報局」)

いまは前者がもうすぐ読み終わりそうなところ。
予想通り、猛烈に面白いです。

知っている将棋も多いのですが、知らないエピソードもまた多い。
第11局の飛打ちは感動的な一着でした。

とりあえず、全棋譜はあまり追わずに読み進めています。
またあとでじっくり並べるのも楽しみです。

 

棋士の人生

今日もまた、最近読んだ本の紹介なのですが(そのうちやろう、と思っていたことを実際にやるのは、なんだか宿題が片付いていくようで心地良い)、「棋士という生き方」はとても良い一冊でした。

若いうちは対局を頑張り、好成績を収めて、ある年代からは教室といういわば自分の城を持ち、指導や経営という面でも活躍して、その甲斐あって多くの弟子やお客さんに恵まれる。
――というのはまさに、棋士としての理想の姿だなあ。と心底思いました。

棋士という職業は、棋士になれて良かったと思っている人がおそらくほとんどであるという意味において、とても恵まれた世界と言えます。
ただ同じ棋士でも活躍の度合いは違いますし、盤外でどういう活動をするか(あるいはしないか)も全く違います。
しかもこの世界に入る年齢も、棋士になれる(就職)年齢もバラバラ、引退(一般的な退職に多少近い)時期も違いますし、我が師匠の森信雄のように「引退してからのほうが忙しい」と言っている棋士もいるぐらいで、つまりどういうキャリアを過ごして、どういう働き方をしていくか、なかなかモデルケースというのは難しい世界です。
ただその中で、こういう棋士人生を送れたら幸せだろうな。ということははっきり思いました。

実は自分も先日師匠に会ったときに「(奨励会の)弟子を持つこと」と「教室を開くこと」を、勧められました。
その意味とか、詳細は書きませんが、自分なりに、将来設計とかも含めて、どういう棋士人生を過ごすか考える時期ではあるので、改めて考え直す機会になりました。
(わりと若い頃から常に考えているほうだとは思うけど、特に)

実は教室は、これまでも考えたことはあるのですが、最近わりと増加傾向にあるのを見ていて、「自分が」何かやるならすこし違った形かな、と思っています。
その何か、は自分の頭の中にはいくつかあるのですが、当面はもうすこし対局優先でいきたいなと。
将来的に何かやるかもしれないし、やらないかもしれない、もちろん分からないのですが、もし思い立ったら行動できる自分でいることが大切かなといまは思います。

本の中に出てくる石田先生の言葉の中で「気軽に一生懸命に」は特に印象に残りました。
これは自分も日頃から思っていることもあって、将棋はもちろん一生懸命、それこそ死ぬ気で指さないといけない。
でも実際は将棋に負けてももちろん死ぬことはないし、むしろキズ一つ負うことはないんですよね。
本来は気楽に、楽しくやるべきものです。
そういうものに打ち込める自分の境遇に気付くと、自然と感謝の念がわいてきます。

最近内容の悪い将棋が続いてしまって、ちょっと苦しいんですが、書いていてなんだか、次は良い将棋が指せそうな気がしてきました。
長い棋士生活、これまでもすでに山あり谷ありでしたが、これからも気軽に一生懸命に、将棋に取り組んでいきたいと思います。

現在地福島

現在地、と言いつつ実際は予約投稿なんですが、今日は福島市に来ています。

福島民友新聞社のイベントにお招きをいただきました。
夏休み将棋フェスタ
チラシ(pdf)
お近くの方は、僕のブログより新聞ですでにご存じのことと思いますが、ぜひお越しください。

将棋界の枠を超えて全国的に人気者の加藤先生ですが、お仕事でご一緒するのは、引退されてからは初めてだと思います。
相変わらず連日お忙しそうですが、たぶんいつもと同じ調子でお話になることと思います(笑)

以前ブログに書いたかどうか、実は福島県は自分にとっては長年縁のなかった土地のひとつで、震災の年に会津若松を訪れたのが初めての機会でした。
今年の春に喜多方に行ったのがそれ以来で、そのときのご縁もあって、こうした機会をいただきました。
つまり2度とも会津地方で、いわゆる中通りは初めてです。
福島駅に降り立つのも初めてのことになります。(過去2回はいずれも郡山)

いままでほとんど機会のなかった県に、続けて来るというのはかなり珍しいことで、他の例がすぐ思いつきません。
いただいたご縁を大事にして、楽しく交流してきたいと思います。

(予定通りならば)昨日は郡山で新幹線を下りて、すこしだけ街中を観光してきました。
こういう自由が利くのは、棋士ならではでありがたいことです。

実は新幹線が当日朝も前日もまったく取れず、どうやら世間はお盆休みに突入しているようですね。
ちょうど良い機会なのでと思って、郡山から先は在来線で行こうと思ったのも、理由の一つでした。
仕事のついでの小旅行は味が良いですし、良いリフレッシュになったはずです。

お土産はお酒とフルーツの予定ですが、どうなっているかな。

では地元の将棋ファンの方々、会場でお待ちしております。

 

負け

昨日は大変まずい内容の将棋を指してしまいました。
どうも気合が乗っているつもりのときに、序盤から失敗を重ねてあっという間に負けてしまうことが多くていけません。

そういえば八代六段にはつい先日もそんな負け方でした。大いに反省です。
あと、最近あまり自分の対局をブログに載せてないですね。
反省が足りないということだと思います。それもまた反省です。

叡王戦はまったく良いところのないままに六段戦を卒業(?)することになりました。
来年こそは良い将棋をお見せできるようにしたいものです。
昇段してから内容の悪い将棋が続いてしまいましたが、別に浮かれているとかではないと思うので、気を取り直してまた次頑張ります。

昨日は対局の多い一日で、全部でなんと28局!行われていたようです。
東京の将棋会館が、通常だと14局がMAXのはずなので、ちょっとびっくり。
これは叡王戦など1日に複数局が消化される対局が多かったためですが、NHK予選を除けばおそらく記録的な数字でしょう。
モバイル中継対象局だけでも8局。
夏はすっかり、対局が多い季節になりました。

僕は早々に連盟を出たあと帰宅中は叡王戦、夜は順位戦など、いつものように観戦三昧。
本当は自分が指していたかったんですがね。熱戦、好カードが多く面白い一日ではありました。

日付戻って一昨日のA級順位戦、羽生ー深浦戦はすごかった。
休憩が短くなったこともあって、日付が変わる将棋は以前より減る傾向にあるはずですが、この将棋は0時を回っても形勢がよくわからない状況が続いて、リアルタイムで観戦していた方はかなりドキドキされたのではないかと。
(自分もそうでした)
形勢が揺れつつも大きくは動かない、ミスはあるけど崩れない、というのがトップ棋士の強さであり、大熱戦になる条件なのだと思います。
最後はあれが詰むのかという驚きと、こんなにぴったり詰むのかという驚きと。いやはや。

今日もA級順位戦があるのですね。
3日連続はやや珍しいでしょうか。

僕はお昼から福島に出かけます。
その話はまた明日。

本日対局

今日は叡王戦の対局で、14時から八代六段と。
勝つと19時から澤田六段との対戦です。

午後からの対局や、勝つとその日もう1局というパターンは経験がありますが、1局勝つと次はニコ生放映・モバイル中継があるというのは、自分にとっては初めてのケースです。

相手は若くて強いので大変ですが、高みを目指して頑張りたいと思います。

台風は無事過ぎ去ってくれたようで一安心。
お昼からの出勤なのでそれまでは家で詰将棋を解いて英気を養うことにします。