今日は対局

棋王戦の予選決勝で高野智史四段と。
枠抜けということで、自分にとっては大きな一番です。

先週はものすごく出来の悪い将棋で大いに反省しました。
ただしその前、先月の棋王戦ではとても良い将棋が指せていました。
良いほうのイメージを持って、対局に臨みたいと思います。

ところでこの記事を書くときにすこし調べてみたのですが、(2手目△8四歩固定など)藤井七段に一番近い戦型選択をしているのが、いまの若手棋士の中ではたぶん高野四段だと思います。
それでいて、中盤以降の棋風は全然違うのが面白いところです。
個性的な将棋を指す若手棋士の一人で、将棋世界の連載も面白いので注目しています。

今日はA級順位戦をはじめ好カード目白押しの中、自分の対局も中継していただけるようで、光栄な限りです。
良い将棋を指せるよう、一生懸命頑張ります。

 

開幕

昨日から今期順位戦が開幕しました。
いよいよ今年も、という感じですね。

開幕戦はこってりした内容の将棋になり、先手番の豊島八段が終始リードを保って勝ち。
良いほうは差を詰められないように、悪いほうはこれ以上離されないようにと心がけた結果、手数が長くなるのは最の将棋の傾向(の一つ)という気がします。

昨日がA級、今日がB2、そして明日がA級とB1とC2(前半)。
自分のC1は来週で、ここで全クラスがスタートという形になります。
昨年は不甲斐ない内容と成績だったので、巻き返しの一年にしたいです。

この季節は他にも予選が始まる棋戦がいくつかあり、比較的忙しい時期と言えます。
棋聖戦は5番勝負が始まったばかりですが既に一次予選はかなり進行しています。
(先週もう負けてしまいました・・・)

叡王戦は先週末に抽選会の放映があり、間もなく開幕を迎えるところ。
本戦シードや段位別の枠抜けの数などに大幅な変更があったみたいで、これは全然知らなかったのでちょっとびっくりしました。
高段への優遇がなくなり、何段でも枠抜けには3or4勝を必要とする仕組みに変えたということでしょうか。

また同じ週末には朝日アマ名人戦の3番勝負があり、横山名人が北海道対決を制し防衛。
3局とも終盤が面白い将棋で見ごたえがありました。
ここ数年は中継を観ている印象だったので気がつきませんでしたが、日本将棋連盟モバイルで中継されるのは初めてだったのですね。
今後は恒例になってくれたらと思います。

プロ棋戦のほうの朝日杯も、一次予選の組み合わせと、プロアマ戦の日程が発表されました。
今年は7月29日とのことで、例年よりすこし遅めです。
表を見たら自分は一番下の弟弟子と朝日アマ挑戦者のカードの横にいて、どちらもなかなか対戦する機会はないと思うので、楽しみに見守りたいと思います。

また自分の場合来週以降、7月までで順位戦が3局あり、うち2局が大阪遠征。
対局以外にもいろいろと仕事や予定が入っているので、しばらくは久々にと言って良いぐらい忙しくなりそうです。
体調に気をつけて悔いの残らないように指したいと思います。
ギャモンの遠征はたぶんもう年内は難しそうですが秋以降、またチャンスがあればという感じですね。

明日が対局なので今日は詰将棋を解くなどして英気を養いたいと思います。

ベラルーシ

昨日のテレビ東京で、ベラルーシの将棋少女が特集されていました。
僕は先週分と続けて観ました。とても良い番組でしたね。

天童の人間将棋を体験して、竜王の間に泊まって、盤作りを見て、将棋会館を見学して、羽生先生にも会えて・・とこれ以上ないぐらいの歓待ぶりで、さぞ嬉しかったことでしょう。
カロリーナの登場シーンでは、やっぱり彼女は異国の将棋ファンにとってのスターだということも、テレビを通して改めて伝わってきました。
(あれは何語で話していたのだろう?)

ヨーロッパのSHOGI人口は急増していると聞きますし、その中でもベラルーシは急上昇中の国のようですね。
ポーランドとも国境を接しているようなので(恥ずかしながら知らなかった)、いつかポーランドと共に訪れて、カロリーナに案内してもらいたいなあと思いました。

 

ところで、あまりネガティブになってはいけませんがやっぱりテレビに出ると、将棋会館の老朽化はどうしても気になるところではあります。
先日の総会では会館建設準備委員会の発足が発表されました。

具体的な行動はこれからですが、トップ棋士総出で、事に当たろうという決意の表れと思っています。
選択肢は建て替えだけではないしそもそも自社ビルである必要があるのかどうか、というところも含めて、現実的な議論を期待したいです。

 

このところ将棋以外のニュースでも、気になることが多いのでたまにはすこしだけ。

新幹線内の事件にはびっくりしました。
けっこう移動の機会は自分も多いので、他人事ではない感じがしてしまいますが万が一、近くで目にしてしまったらどうするか。
きっとパニックでしょうね。。。

今日は米朝首脳会談。
まさかこんなことが起きるとはすこし前までは想像もできなかったと思いますが、一方でこれで何かが解決したというわけでもなく。
G7の様子とか見ていても、国際情勢というのは本当に難しいものですね。

何にせよ、平和が一番です。
それにまさるものはなし。
安心して将棋(に限る必要がないですが)を楽しめるような、穏やかな暮らしがそこにあることが、人間にとって何より幸せなこととつくづく思いますね。

 

帰京

1泊2日の小旅行から戻りました。
スタッフの方々にはお世話になり、ありがとうございました。

牧場に泊まったのなんていつ以来だろう、というより大人になってから初めてのことかもしれません。
バーベキューはまるで林間学校のようで、懐かしい楽しさでした。
アウトドアはまったくダメな自分ですが、たまには自然の中に身を置くのも良いものです。

ただギャモンのほうは今回もさっぱりでした。
大会に出るたびに下振れが続いていますが、それを差し引いてもやはり弱い、というか周りのレベルが高いのかもしれません。
まあ努力していても思うように結果が出ないことにはある意味慣れているので、あまり勝ち負けは気にせずに、これからも出続けようと思います。

 

昨日は名古屋で藤井君の祝賀会が行われていたみたいですね。
報道にも多く取り上げられている中で、特にこの記事は目を引きました。

藤井聡太七段、将棋史に残る名手「△7七同飛成」を説明

人間であれば条件を整理し、条件に沿った手を考えていく。その中で導き出した手でした

部分的には人間の方が深く読める局面もあると個人的には考えていたので、それが表れたのかなと思います

なぜ目を引いたかというと、実はこれ、かつて将棋世界で松本哲平君・山本一成君と一緒に連載を持っていたときに「深さで勝て」という小見出しで書いた内容に非常に近いんですよね。

いま手元に掲載紙がないのが残念なのですが、調べてみるともう8年ぐらい前で、そんなに経つのかと驚きました。
あの頃はまだ、コンピュータ将棋もそこまで強くなかった時期なので、わりと先見の明があったかな、といまにして思います。

この土日は、将棋界には他にもいろいろとニュースがあったようですがそれらはまた明日に。

日経bizgateの連載第5回がUPされました。
藤井聡太の活躍を支える「マッチング」

ウェブ上に文章を書いていると、見出し等に藤井君の名前がつい出てきてしまう昨今ですが、もちろん彼に限った話ではなくて棋士の誰もが意識している話だと思います。
あとマッチングに関して大切だと思うのはとにかくまず自分をよく知ることで、もちろん好みも流行も大切なのですが逆にそれだけが分かっていてもダメなんですよね。

時流に阿ってしまうではなくうまく身を合わせていくのは人生一般においても大切なことと思うので、自分も意識的に心がけていることはいろいろとあります。
今後も書いたり話したりする機会があればと思いますし、また現状に満足することなく常に変化を恐れず、むしろ積極的に受け入れていく自分でありたいというのがよく思うことですね。

おカネ考

帰国した日にチラっとだけ書きましたが、先日の旅で、トラベラーズチェック(T/C)がなかなか換金できないという出来事がありました。
最終的には事なきを得た(?)んですが、なかなかない体験だったのでここに書き残しておきます。

一緒にいてくれた友人が「トラベラーズチェックを換金するには」って動画を上げてyoutuberになるべきですよ、元を取りましょう!と言ってくれたのですが、残念ながら僕にその能力はありません。
台本書いてカメラ回してくれる人がいたらやりますけど(笑)

ちなみにTCの現状については、このサイトなんかが参考になりますが、実体験としては状況はこれよりだいぶ悪くなっていると思います。

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そもそもTCを作ったのはずいぶん前のことでした。
現金を持ち歩くよりずっと安全で、当時はホテルやカジノなどですぐ換金できたので便利だなと思っていたのですが、いまは現金自体を持ち歩かなくなってるので、発行が終了したのも自然なことでしょうね。
ただ、その当時はいまのような状況は自分には想像がつかなかったので、社会の変化に驚いています。
サポートが終わって使いにくくなっているのも知っていたのですが、この数年はまったくドル圏に出かけてなかったので、けっこうな金額をほったらかしてしまっていました。

最初に成田の両替所に行って軽く情報収集。
予想通り、現地で換えたほうが良いですよ、と言われました。
ホテルとか空港の両替所なら大丈夫でしょう、とも。

現地に到着して、泊まるホテルで聞いてみたら、うちでは扱ってない、と言われました。
そこまでの格のホテルでもないので、仕方ないかなと思いました。
もっともホテルの格は、たぶん関係なかったといまにしてみれば思います。

次にすぐそばにあるシェラトンに行ったのですが、そこもダメでした。
空港の両替所に行くとやってくれるよ、と言われました。
そういえば到着したときに行っておこうと思っていたのですが、出発空港を間違えた疲れとかがあって、忘れていました。
この時点ではまだ、そこまで大変とは思っていませんでした。

翌朝になって、街まで出る足で、空港の両替所に行きました。
そうしたら、これが超ノータイムの門前払いでした。
ここでようやく、ちょっと面倒なことになったな、と気が付きました。
シカゴと言えばもちろん大都市で、空港の両替所といえばそれなりのことはしてくれそうなものなので、ここでダメとなると、簡単にはいかなそうです。
もうすこし食い下がって、なんとかならないかと言ったのですが、昔は扱ってたのだけど、と言われてしまいました。

信用が下がる、というのはもしかしたらこういうことなのかもしれない、とそのとき思いました。
日本という国は、お金を偽造しようという人はまずいないし、図書券や商品券とかでも現金と同じように使うことができるし、金券ショップに行けばすぐ換金することもできます。

しかしけっこう多くの国で、大きな額のお札が使えない(断られる)ことはわりとよくあります。偽造のリスクが怖いからかもしれません。
いま自分の持っているTCは、間違いなくそこに書かれている額面の価値があるものなのだけど、信用されないので、使うことができない。
あるいは、流動性がない、という表現のほうが正しいのでしょうか。
よく分かりませんが、こういうことを実体験できる機会はそうそうないので、大変でしたがある意味貴重な経験でした。

街に出たら、そこはBank of Amerikaとか、City bankとか大銀行の密集地帯でした。
さすがに大丈夫かと思ったのですが、しかしどこもダメでした。
下調べしてここなら大丈夫、とサイトに書いてあったり、あそこならできるよと言われたところでも、行ってみるとダメでした。
中には、ウチの口座を持ってれば、という答えもありましたが、んな無茶な。
amexのTCがこんなにも換金できないとは、さすがに思いませんでした。

そして不思議なもので(?)彼らは必ず「〇〇に行けば良い」と別の場所を教えてくれます。
それを日本語では「たらいまわし」と言うんだよ、と思いましたが言われた通りにする以外の方法がありません。
そして何か所か銀行を回り、駅にある両替所にも行ったりするうちに、ついに親切なお兄さんが現れました。

それまでの人は「うちではやってない」「〇〇に行け」以上の情報はくれなかったのに、その人は真摯に考えたり、同僚に尋ねたりしてくれました。
その結果、World’s Money Exchangeというところを紹介してくれました。
名前から言っても、なんとかしてくれそうな感じがします。
歩くこと約1時間、ようやく換金に成功しました。

ちなみに3%の手数料を取られました。
TCを作ったときにはもちろんそんなものはかからないという触れ込みでしたが、まあこれだけ断られるほどのやっかい者、それぐらいは仕方ないでしょう。
もっとも店からすると、一瞬でそれだけの収入になるのだから、引き受けないのはもったいような気もします。

ちなみに換金したドルは、全部きれいに使い切ってきました。
(ギャモンの大会は参加費が高いのです)
次行くときは手持ちの円を両替するしか手段がないので、それまでに1ドル50円ぐらいになってくれませんかね。