日米対抗戦

表題は将棋の話題ではなく、スポーツとかでもなく、趣味のバックギャモンの話。

これからシカゴに飛びます。
アメリカは過去、西海岸に二度行ったことがありますがそれ以外は初めてです。

トーナメントディレクターのroryが熱心に勧誘と運営をしてくれるおかげで、はるばる日本から10人以上参戦するようですね。
大会に参加するだけなら当然一人でも行けるわけですが、やはり仲間がいるというのはとても心強いし、参加する強い動機になります。
いまはこういう機会が多くあるし強くなる環境も充実しているので、若い人が新たに始める趣味としてバックギャモンはけっこう良いのではと思いますね。

ギャモンの海外遠征は数年ぶりのこと。
日本の大会に復帰してから1年ほど経ち、実力的には若い頃、一番熱心にやっていた時期よりもいまのほうが強いと思います。
ただこれはハード面の進歩が大きいだけで、相対的に見ると強いプレイヤーが増えていて、今回も参加する日本人の多くは自分より強い人ばかり。
つまり日本の大会で勝つのはとても大変ですが、チームメイトとしては頼もしいです。
もちろんシカゴオープンとして普通の個人戦もあり、サイドイベントもいろいろあり、観光にも連れて行ってもらえる予定で、数か月前からとても楽しみにしていました。

帰国は30日の予定です。
それまでは長いこと放置していた、公式戦対局の振り返りを入れてあります。
いつまで続くか分かりませんが、もうしばらくはブログの毎日更新も続きます。

では、行ってきます。

名人戦

名人戦第4局は佐藤名人の快勝。
初日からずっとリードを保ち続けていたように見えました。

羽生竜王が先後両方を持って勝とうとする光景はいままで何度も見た気がしますが、さすがについ2日前に指した将棋というのは珍しい気がします。
ただ今回の名人戦では第1局でも似たようなことがありました。
横歩取りの激しい変化が、いまはアンテナに強く反応しているということなのだと思います。

夕休明けから指さずにそのまま投了というのもあまり見覚えがないことでした。
投了の局面はたしかに大差なんですが、それまでもかなり苦しそうなところを指し継いできていたので、もうすこし何か指されるのかなと思っていました。

最近の将棋を観ていると、トップ棋士の間で先後の差が特に大きく感じられる時代がまた来ている感じがします。
これには波があって、比較的後手番がラクに感じられる時期もあり(さすがに有利にはならない)、最近は過去のいろいろな時期の中でも特に後手番がきつい印象です。
7番勝負が先手勝ちだけで終わったことはいままでなかったと記憶していますが、後半戦はどうなるのでしょうか。

 

日経bizgateの連載第4回がUPされました。
「藤井聡太」が2手目を変えない戦略と情報選択

いろいろ驚かされているうちに何もかもだんだん驚かなくなりつつある昨今ですが、2手目△8四歩だけであれだけ勝っているというのは相当に驚くべき点のひとつです。
勝てなくなればスタイルを変えざるを得なくなるのでしょうけど、その日が来るのかどうか、ちょっといまは想像がつかないですね。

2年

 

早いもので、再婚してから2年が経ちました。
綿婚式というそうですね。

銀座でプチ贅沢ランチ。
と言っても驚くような値段ではなくて、これだけコスパの良い店には久々に出会ったかも。

その後東京駅まで歩いて、話題の将棋しろたんに会いに行ったら、

すぐ近くにつるのさんがいたので写真を撮ってもらってきました。
将棋ファンで知られるつるのさんは、大人にも子供にも大人気です。

ちなみに僕は写真は撮るのはものすごく下手で、撮られるのもすこしだけ苦手です。
なのでこれだけ毎日ネット上にいろいろ書き連ねているにもかかわらず、写真を上げることはほとんどないしインスタもやってないのですが、バカンスモード突入につき、まあたまにはということで。

今日はのんびり名人戦を眺めつつ渡航準備の予定。
あさってからしばらくアメリカに行く予定で、それに備えての必要な用事はだいたい終わりました。
月末までは春休みを満喫します。

 

七段

昨日の竜王戦、またしても藤井六段(新七段)は強かった。
角換わり棒銀を相手に、△4五角と中空に放った一手は、初めて見ました。
その後もまったくミスがなかったように思います。

これまでの彼の棋譜を見ていて、特に角換わりの研究量はすごいと感じていますが、研究だけでなく初見での対応力も抜群で、30年以上将棋をやっていて子どもの頃から最近までずっと角換わりをよく指していた自分よりも、すでに経験値の面でも上という気がします。
情報を際限なく得られる時代になったいま、そこから効率よく(単なる経験ではなく)しっかりした経験値を得る方法を、自然と身につけているように見えます。

終盤で飛車の高美濃囲いができたのにも驚きました。
△6三金という手はけっこう気がつきにくい手だったと思います。
「名人に定跡なし」という古来より将棋界に伝わる格言があるわけですが、最近のプロの将棋を観ていると、強い棋士ほど過去のセオリーにとらわれずに指している気がしますね。
セオリーが過去のものになったというわけではなくて、セオリーの例外を独自に言語化できる人が勝つ時代なのでしょう。

前にも書きましたが今回の連続昇級による昇段は、規定としては変な気がするので、個人的には改まってほしいと思っています。
いっぽう朝日杯(全棋士参加棋戦)優勝の時点で七段でも良かった気はしますね。
いろいろなめぐりあわせがあって、トントン拍子にスターが昇段を重ねたことは、ニュースにもなって結果的には良かったと思います。

個人的なことですが彼が四段になった頃、自分は七段への勝ち星昇段まで2~30勝ほどだったはずで、まさかここで抜かれるとは思わなかったです。
やっぱりスターというのはすごいなあという思いが大半と、でも自分もあともうすこし頑張っておけばなあという気持ちも少なからずあります。
調べてみるとあと4勝でした。
棋士紹介で藤井君の隣に並びたいところですが、宮田六段があと1勝のようなのでちょっとそれも難しそうです。

七段になると席次でもだいぶ上のほうに来るので、15歳にして上座を占める機会も増えそうですね。
それにしても、いやはや、すごいものです。

書道とか

昨日は連盟書道部。
ちょうど王位リーグ最終日が指されていたので、中継ブログにも登場してました。
たまたま盛況で良かったです。

同世代でわりと昔からの友人の島井さんと、女流王位挑戦中の渡部さんが来訪。
また遊びに来てください。

 

こういう一斉対局(他に挑戦者決定戦など)の日には控室が用意されるのが通例なんですが、その場に行ったのはかなり久々な気がしました。
棋士の立場に戻って丸1年が経ち、生活リズムも安定してきたので、今年度はもうすこし勉強に足を運ぶようにしたいと思っています。

その王位リーグはまたも羽生竜王が強かった。
最後の▲3一馬!~▲4五桂~▲8三角!はあまりにも鮮烈な寄せで感動しました。
特対もう1局は木村九段がすごい粘りで、こちらも違う種類の感嘆でした。

もう片方のリーグは豊島八段がまたもプレーオフへ。
弟弟子の澤田君はずいぶん不出来な将棋で、残念でした。

全体を見渡すと、結局新参加組が全員リーグ陥落という結果になったのですね。
もちろん強いメンバーですし、リーグ戦としても混戦模様に見えていただけに、この結果には軽く驚きました。

 

競馬騎手の福永さんと、中村王座の対談記事。
脳をだますのも一つの手。「ここぞ」という時に“意図して”ピークを作り出す!

最近王座が精力的にメディアに登場されているようで、大変だと思いますが将棋界にとっても大変喜ばしいことですし、僕も嬉しく拝見しています。
この分量でこれだけ話が多岐にわたり内容に厚みがあるのはさすがこのお二人と思いました。
タイトルに持ってきている部分というのは編集サイドとしても強調したいというところがあると思うのですが、それ以外にも見どころたっぷりです。
たとえば、「近くにいる人の声は聞きます。」という福永さんのひと言には感じるものがありました。

今日はその中村王座と一緒に非常勤講師を務めている、首都大学東京の授業に行ってきます。