就位式など

昨日は昼間、連盟書道部。参加者が多く、HPの取材も入るなど盛況な一日でした。
そういえば対局以外で連盟に行くのは久々でした。最近は仕事もなく家も遠くなったのですっかり足が遠のいています。

3月4日(日)に上野公園内の東京と美術館にて、ちょっとしたイベントを行う予定です。
ウェブ上に告知が出たら改めてお知らせしたいと思います。

取材があり東京に来ていたカロリーナを連れて、夜はリコー杯(女流王座)の就位式に行ってきました。
このパーティーは毎年いろいろと工夫が凝らされていて、いつも楽しく出席させていただいています。

次の一手はたしか▲8三銀という手が出題されていたと思うのですが、この手を当日の夜に中継で見たときに、どこかで見覚えのある雰囲気の手だなと思いました。
今月の将棋世界を読んでその謎が解けました。

※▲8三銀△9三飛▲8二銀不成△8三飛▲7三銀成△同飛▲3三桂と進んで先手勝勢。飛車の守備力を奪ったのが大きく、3三に打ち込む駒は桂のほうが効果的。

※今月の付録第16問。▲7二金△9二飛▲8一金と進むと▲3四桂の狙いが厳しい上に、飛車の攻撃力を削ぎどこかで▲9一金の含みも残る。持駒の金銀で玉から遠い駒を狙うのは珍しい。

里見さんは三段リーグにも注目が集まっており残り4局で最低3勝が必要な状況。
女性がどこまで強くなれるかという意味でも世間の期待を一身に受けてきたこの数年間だったと思います。
個人的には数の問題が大きいと思うので、数人で戦っている現状ではやはり相当に大変で里見さんに伍する女性が増えてくれば、自然とトップのレベルも上がると予想しています。

帰宅後、夜はB1順位戦を観戦。
丸山九段の降級が決まり、昇級残り1枠は橋本八段が自力という状況になったようです。

今日の中継は先日引退を表明された蛸島女流六段の、もしかしたら最後になるかもしれない一番など4棋戦4局。

国民栄誉賞

今朝はニコ生のTSで一昨日の国民栄誉賞受賞会見を観てから、このブログを書いています。

いろいろ印象に残るコメントがありましたが井山さんの「正解だと思って打てている手はほとんどない」という一言は印象に残りました。
囲碁(将棋も同じくですが)というゲームの難しさ、奥深さを改めて感じました。

あと羽生竜王が井山さんのことを「独創的な手を打っていることと、結果を両立させているのがすごい」と称えたときに「おまいう」というコメントが乱立したのが面白かったです。まさに(笑)

でもご本人からすると、たしかに「羽生流」「羽生システム」のような名前のついた戦法は不思議とないし、独創的なことはしていない、淡々と普通の手を指しているという気持ちはあるのかもしれません。
独創はなくとも、独走はしてると思いますけどね。

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今月の将棋世界、付録の「永世竜王への一手」は面白かった。
と言うか、いろいろと懐かしかったです。

個人的なお気に入りは第18問の▲7七桂で、「一石二鳥」という言葉がこれほどしっくりくる一手も珍しいのではないかと。
この将棋が指された平成13年頃は、タイトル戦で羽生ー藤井戦が多くあり、プロ棋界でも三段リーグでも藤井システムがよく指されていました。
折しも一昨日の久保王将ー藤井九段戦が藤井システムの将棋でしたが、いまだに研究対象として息が長いことには驚かされます。

他では第26問の▲1一銀成は衝撃的な一手でした。
印象に残る将棋は現地で観ていたり、あるいは連盟で検討していたりということが多く、これもリアルタイムで将棋を観ることの良さかなと思います。
もちろん繰り返し並べて印象が強くなっていった将棋もありますが、見た瞬間に受けた衝撃という点では、やはりリアルタイムでの観戦にまさるものはないですね。

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将棋ファンの間だけででも、昨日の○○さんの演技はすごかった、とか○○さんのジャンプはすごかった、というレベルで昨日の新人王戦、藤井君の▲5八金左はすごかった。となる日が来たら良いなあと思って、毎日ブログを書いています。
リアルタイムで観戦してくれるファンがいまの10倍ぐらいになれば、自然とそれが当たり前の会話になると思うんですよね。

ちなみに▲5八金左は本当にそれぐらいすごい手だったので、見ると良いと思いますよ。
まさかあの飛車取りを逃げない手があるとは。

あさっての羽生ー藤井戦、満天下大注目の一戦になりましたがその舞台で後々まで語り草になるような一手が飛び出すのかどうか。という点にも注目しています。

出張余話

昨日はお昼頃に、久々の帰宅。
長旅でさすがにちょっと疲れましたが、すこし休んだら回復しました。
今日は一日家でのんびりする予定。
健康第一、体調管理が何より大切ですね。

出張余話など。

・富山県高校王将戦は、1・2年生が対象でおそらく50人ぐらいの参加だったんですがその中で準優勝に女子選手が入っていました。
県大会レベルで男子の強豪を連破して女子が上位に入ることはけっこう珍しいです。
指導対局で指して強いなと思ったので結果には驚きませんでしたが、そういう子がいることには驚きました。
僕との対局(平手)の棋譜を起こしてみたのですが、終盤は僕に負け筋があったようです。
これからも活躍を期待したいと思います。

・棋王戦第1局前夜祭、佐藤康光会長の挨拶で「宇都宮市が餃子購入額(※1世帯当たり)で浜松市から首位奪回」の話題に触れていて「ちゃんとご当地ネタを織り交ぜてさすがだなあ」と思っていたら、その流れで挑戦者のお父さんがやっておられるラーメン屋の話題に。
「永瀬さんは餃子は食べ飽きてるかなと思いきや、その店のメニューに餃子はないそうです」と綿密な下調べを披露、挨拶も常に緻密流の会長でした。

・前夜祭にはドレスアップした女性ファンの姿が多く、これは近年続いている傾向ですが今回特筆すべきことは「指すほうもやってます」と言う人が多かったこと。
観るファンから入って自分で指してみるようになる、というのはごく自然な流れで、今後女性が1人で訪ねていきやすい将棋サロンが増えていくといいなと思います。
僕自身はああいう華やかな場はわりと久々でしたが、最近は古くからのファンもどことなくオシャレしてくる人が増えている印象で、やはり女性ファンが増えるというのは大切なことですね。

・中継ブログを観たら上着を脱いで指導対局している棋士は僕だけだったんですが、会場は熱気と人込みで暑いんですよね。
これは毎回のことで本当にありがたいことでもありますのでどうかお許しを。
将棋まつりの指導対局は抽選なので外れてしまうこともあるんですが今回戸辺君は間違えて多く引いてしまい、気合で(?)全員指したとか。こういうところが人気講師たるゆえんでしょうね。

・大会参加者が増えたので今回は一般大会と子供大会を別会場に分けたみたいです。
当然親御さんからは好評だったと思うのですがその分予算もかかったはずなので今後どうなるか。
将棋大会の運営はとちぎ将棋まつりに限らずほとんどがボランティアなので、参加する側(自分もかつてそうだったように)からすればありがたいことなのですが継続的にどういう形が望ましいかは常に悩ましい問題でもあります。
それにしても、栃木県内の子供大会であれだけの人数が集まったのは初めて見たような気がします。

・妹弟子の山口女流1級とは初めて一緒に仕事しました。
賢いし面白いし、前向きさとひたむきさがあるのが素晴らしい。
帰りがけになぜか自作の「将棋ノート」を売っていたので1冊買ってあげました。しかしこれ、どうしたら良いのかはよく分かりません(笑)
今度は使い方も書いてセットで売ります、と言っていたのでそのときは皆さん買ってあげてください。

他にもいろいろあった気がしますが長くなったので今日はこのあたりで。

 

来場御礼

とちぎ将棋まつりは大盛況のうちに無事終了しました。
将棋ブームのおかげもあり前夜祭出席者数・大会参加者数・来場者数等、例年以上の人数だったように思います。
ご来場いただいた皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

棋王戦第1局は超のつく死闘、大熱戦の末に渡辺棋王の勝ち。
何度も寄せを逃していたはずでとても本調子ではないように感じましたが、それでいて一度も逆転まではいかなかったのは逆にすごいと思いました。

気の早い関係者が夕方「終局は早いですか」と聞くので「まだまだですよ」とある時刻を答えたのですがまさか20時になるとは。
両者1分将棋まで行くとは思いませんでした。1局の将棋を勝ち切るのはやはり大変なことですね。

個人的なこととしては最近解説の仕事がすっかりご無沙汰なので、うまく話せなかったところがあったかもしれません。
実はお客さんの前に立ったのもいつ以来か分からないくらいで、なんだか新鮮な気持ちでした。

中継等でも触れられていましたがとちぎ将棋まつりはニコ生放映との縁が深く、まつり会場はTSもあるはずなので時間のあるときに見返して反省しておきたいと思っています。
実戦不足は仕方ない意味もありますが、あまり腕がさび付かないようにはしておきたいものです。

これから5日ぶりに帰宅します。

現在地宇都宮

昨日の前夜祭はおかげさまで盛況でした。
ご来場いただいた皆様方にはどうもありがとうございました。
引き続き今日も宇都宮グランドホテルにてお待ちしております。

今日の個人的な大役は、かつての棋王戦の名局を解説すること。
最近雁木がはやっているということで、僕が生まれる前に指された雁木の名局を取り上げてほしい、と実行委員から強い要望がありました。
ここでしか聞けない話、が出るかどうか?(わくわく

 

実は一昨日の夜は富山からまっすぐ帰京せずに、途中の長野で降りて一泊していました。
大きな手損(大宮~自宅間の往復がムダ手になるので)を避けて筋の良い好手のつもりだったんですが計画を立てたあと、大雪のニュースを見るにつけ自分の甘さを反省していました。
正直雪国の冬について知らなすぎましたね。

ただたまたまこの数日は天気が穏やかで、本当に奇跡的な暖かさだったみたいで、ツイてました。
寒いところに自分で飛び込んで風邪とか引いたらシャレにならないので、体調を崩すことがなかった幸運に感謝しています。
日本海側はまた寒波が来るかも、とのことで被害が出ないことを願います。

長野には若い頃に仕事で2度訪れているはずなんですが、七福神めぐりとかいつでもできそうに見えて意外にやるとなると時間がなかったりするので、まあその意味では良かったかなと思いました。
あとは蕎麦屋のはしごとか。こういうのはいい気分転換になります。

 

では連休最終日、オリンピックも気になるところかと思いますが、棋王戦をお楽しみください。