昨日は今年最後の書道部、からの忘年会でした。
酒量が増える季節ですが、いまのところ忘年会の予定は他になく、28日に対局もついたので、今年はそれほど多くなることはなさそうです。
すこし早いですがいい機会かなと思い、ニュースが多かったこの一年の将棋界を振り返ってみます。
まずは年明け早々に、昨年来からの問題で会長が辞任、自分も理事を解任され、将棋界は大混乱でした。
ファンの皆様にはご心配をおかけしました。
そんな中で2月に弟子のカロリーナが、正式に女流棋士としてデビューすることになりました。
本来であればこれもかなり大きなニュースですが、藤井新四段の活躍の陰に隠れそうだね、なんて話もしていました。
この時点ではまだ、その後の大フィーバーはまったく予想できませんでしたし、これほど明るい将棋界になっていようとは思いませんでした。
春には現役の名人がソフトに負けるという出来事があり、社会一般からも大きな注目を集めました。
ネガティブなとらえられ方をせず、自然な形でその時を迎えられたことは、将棋界にとっても、社会にとっても、良かったのではないかと思います。
藤井四段の新記録に加藤先生の引退も重なった、6月後半から7月にかけてがフィーバーのピークでした。
あの頃はテレビ欄が将棋で埋まっていたりして、あらゆるメディアが将棋を我先にと取り上げて、なんだか別世界の喧騒を見ているようでした。
囲碁将棋チャンネル、ニコ生に加えてAbemaTVの参入があり、この頃から対局の生放送がすごい勢いで増えていきました。
自分自身が家にいる時間が長くなったこともあり、これほど将棋を家で観て過ごした年は、過去になかったと思います。
夏から秋にかけては、菅井王位と中村王座、2人の新しいタイトルホルダーが続けて誕生しました。
当然ながらこれもビッグニュースです。
2人とも親しく付き合いのある後輩でもあるので、就位式にもお邪魔させていただきました。
それぞれに心のこもった、素敵な挨拶をしていて印象に残りました。
加藤先生の芸能界での大活躍は、これまた別世界の出来事を見ているようです。
40歳上ですから、自分はまだ半分の年齢にも達していません。
とにかくあのバイタリティには驚嘆するばかりです。
そして先日は羽生永世竜王、永世七冠誕生のビッグニュース。
そういえば藤井四段のときもそうでしたが、このときも号外が出ました。
将棋のニュースで号外が出たのは、少なくとも僕が棋士になってからはなかったと思います。
それが同じ年に2度も起きるとは、本当に驚きです。
さすがにもう大きなニュースはないと思うのですが、ついこないだも蛸島先生の引退表明がありましたし、もしかしたらまだ何かあるかもしれません。
思い返してみても、これほどの年は今後そうそうないんじゃないかと思いますが、世間に注目されるという意味ではこれが当たり前、というぐらいになると良いですね。
来年の将棋界もますます明るくなることを願いつつ、年内の残る対局も頑張ります。