11/23 丸山九段戦

今日は朝が早いので、予約投稿です。
こないだの敗戦について。

42手目の感想戦コメントに書いてある図を作ってみました。

この変化は、この図の時点で読みを打ち切ってしまいました。
美濃囲いに王手がかかるのは良くないことが多く、相手の攻めが切れるわけでもないので、形勢が難しいということが分かりませんでした。
実際は△7一玉▲8二角△6二玉と逃げて難しいのですが、その発想がなかったです。

いっぽう本譜の50手目。

この図のほうが自玉が囲いから出ていっていないので、危険ではあっても攻めを受け止める楽しみがあるような気がしました。
あと、先の図に比べるとそもそも飛車取りをどうするか、という問題があります。

この局面で▲1五飛をうっかりした、というのは我ながら妙な感想なんですが、
(1)▲9三歩成△同香▲同香成△同玉▲9五飛△9四香
(2)▲4三飛成△同金▲3二角△5一飛
(3)▲9一角△同玉▲9三歩成△8一玉
と3つも怖い筋があるので、そのどれで来られるかと警戒していたらいちばん単純な手が抜け落ちてしまいました。

戻って昼休直前の▲6五飛で前例を離れたことは覚えていたので、その局面と、次の▲8五桂の局面でもっと時間を投入して読むべきでした。
ただ30分以上考えた末に良い考えが浮かぶことは少ないですし、時間配分は難しい問題です。

下の図のあとは急激に形勢が悪くなってしまい、結果的に持ち時間を大量に残してしまいました。
本局に関しては反省点がハッキリしているので、同じミスを繰り返さないように心がけたいと思います。

そういえばここ数局は、たまたま中継があったのと、内容が良くないこともあって図面を載せての振り返りができていませんでした。
残っている将棋も、いずれどこかの機会できちんと書いておきたいと思います。

残念ながら11月は2戦2敗でした。
新しい年に向けて、12月は巻き返せるように頑張ります。

竜王戦ほか

第4局、羽生棋聖が勝って「永世七冠」に王手。
ファンの反応を見る限り、神業のような終盤を称賛する声ばかりでした。
本当にすごい寄せでした。

本局は羽生先生にとっても久々なぐらいの、会心の一局だったのではないかと思います。
それがこの大一番で出たところに、すごさを感じます。

リーチのかかった第5局は、先手番で何を用意してくるか。
なんとなく、周囲の予想通りとはいかないような気がしてて、いまから楽しみです。
このカードの竜王戦は意外にも後手番のほうが勝率が高いので、どうなるかはまだ分かりませんが、世間の期待はぐっと高まったと言えそうです。

 

また昨日で第30期の昇級決定戦がすべて終了。
昇級者のメンバーを見るとやはり若い。
ひとめ、自分より年下のほうが多そうです。

ただ今期はそんな中でも比較的同世代が活躍した気がします。
何が言いたいかと言うと、自分ももっと頑張らなくては。ということです。

一時は棋戦相性も良く、2組まで上がったこともあるので現状(5組)は大いに不満です。
力をつけて、再び昇級できるようにと思っています。

 

昨日は藤井四段の王位戦も中継がありました。
相変わらず強い。スキのない将棋でした。

見ていて思うに、彼はやっぱり比較的受け将棋で、落ち着いた、大人びた将棋ですね。
いままでいろんな藤井評を見てきましたが、その中で、佐々木勇気六段が別冊宝島で述べていた「古風で渋い受け将棋」という表現が、いまのところ一番しっくりくる気がします。

一昨日放映の銀河戦では初めて先手番で負けたそうですが、もはや勝っても負けても関係なく注目を集めている感があります。
この状態がどこまで続くでしょうか。

 

佐藤天彦名人、「GQ MEN OF THE YEAR 2017」のブーム賞を受賞
(連盟HP)

記事にあるリンクに飛ぶと、佐藤名人の動画が出てくるのですがこれは一見の価値ありです。
というかこれ、すごい賞ですね。完全に将棋界の枠を超えてますし、過去に似た例すらも思いつきません。

ただ、今年はこういうことがいろいろありました。
何度書いたか分かりませんが、将棋界にとっては本当に良い年でしたね。

対局の日の朝のこと

対局の日の朝は、だいたい同じ行動を取ることがほとんどですが、昨日はちょっとだけ変わったことがありました。

まず、小銭入れを忘れて家を出ました。
過去、長財布やスマホを忘れたまま連盟に着いたことはある(対局には必要ないので特に問題ない)のですが、小銭入れには家の鍵が入っているので、忘れたことはありませんでした。
昨日は祝日だったので家に奥さんがいて、家を出るときに自分で鍵をかける必要がなかったために、起きた出来事でした。

駅に行く途中で気がついて、その時点ではまだ時間には余裕があったので取りに帰り、ここで十数分ロスしました。
その結果、千駄ヶ谷駅に着いたのは9時半ぐらいになりました。
(普段だと9時15分ぐらい)

いつも通りならそこからコンビニに寄って対局中の飲み物を買います。
最近はローソンで野菜生活(カゴメ)の豆乳スムージーを買うのが定番です。
ただギリギリに連盟に着くのは好ましくないので、昨日はまっすぐ連盟に向かうことにしました。

僕は以前から、9時50分頃には両者着席して対局準備を始めたほうが良いと思っています。
駒を並べて振り駒して、すこし待って10時に対局開始、となるためにはそのぐらいがちょうど良いからです。
最近は手荷物検査などもあるので、遅くとも9時40分ぐらいには対局場に到着するべきだと思います。
そうでない棋士も多くて、特にルール違反とかではないのですが、そうしたほうが気持ちよく対局できると思うので。

ということでいつもの飲み物が用意できなかったので、午前中の注文のときに、係の人にコンビニで買い物をお願いしました。
基本的に必要なものは自分で用意するので、買い物をお願いすること自体もかなり珍しいです。

そうしたら、いつも買うのとは違う豆乳スムージーがやってきました。
(ちなみにローソンのオリジナルブランドでした)
買うものを決めていると、目に入ることさえないので、「豆乳スムージー」と言ってもけっこういろいろ置いてあることは、よく知りませんでした。
こんなことでもなければ、この先もずっと知らないままだったかもしれません。

ということで、祝日対局でなければ買うはずのなかった飲み物で、対局に臨むことになりました。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の例のつもりでここまで書いたつもりなんですが、合ってますかね?

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肝心の対局は残念ながら良いところなく負けてしまいました。
やはりトップ棋士は読みが正確で、力の差を感じました。

自分の出来が特別悪かった、というわけではないと思うので、気を取り直して次また頑張ります。

 

竜王戦は超スローペースですね。
近年のタイトル戦、特に渡辺竜王の対局では異例ではないでしょうか。

ただ封じ手の▲2四歩はいかにも渡辺竜王らしい感じがしました。
羽生棋聖は後手番らしくついていく姿勢のように思えます。

盤外に目を向けると今日はニコ生、Abemaの解説陣がひときわ豪華で、こんなところにも本局がいかに大一番が、見て取れる気がします。
これから午後の戦いをじっくり観戦しようと思います。

祝日対局

今日は王位戦の対局。
いつものように予約投稿です。

相手は丸山九段で、これが3回目の対戦。
トップ棋士の中では、一番多く当たっている方の一人です。
連敗中ですが気持ちを切り替えて、良い波に乗れるように頑張ります。

 

一般的に土日や祝日に対局がつくことは少なく、対局がないことにはリアルタイム中継もできないので、以前から可能なときはぜひつけてもらうようにお願いしています。
今日の場合は竜王戦の第4局があり、さらに朝日杯もついているのでその気遣いは必要はなかったみたいですが、僕の対局も中継してもらえるようです。

モバイル中継のことを抜きにしても、平日とは会館内の雰囲気もすこし違った感じで緊張感もほどよく上がるような気がして、祝日の対局は僕は好きですね。
新鮮な気持ちで、盤面に集中する一日にしたいと思います。

せつもく

昨日はブログにも書いた通り、午前中から夜中まで豪華な一日でした。

王将戦は、豊島八段に挑戦権。
タイトル戦は4回目の登場で、うち久保王将への挑戦が2度目なので、これまでのところ縁のあるカードということになりそうです。

豊島八段は最近特に作戦面での用意周到さが目立つので、振り飛車対策として有力と考えている指し方が多く見られそうで、楽しみな番勝負です。
挑戦を決めた一局は、お互い相当に突っ張った指し方をされて、観ていて驚きましたしとても面白い内容でした。

他の2局は、雁木模様と横歩取りという全く異なる戦型でしたが、金が三段目・四段目に出ていく超力戦形、という共通点がありました。
以前に比べて、こういう指し方は増えているように思います。
形にとらわれずにバランスを取っていく将棋が好まれるようになり、また必要に迫られているという意味もあるのでしょう。

それにしても王将リーグ、7人中5人が3-3で並ぶとは。
さすがにこれは前代未聞なんでしょうね。
順位差で新参加の3名が陥落という結果に。厳しいリーグです。

 

表題は昨日の王座戦で藤井四段が勝ちを収めたあと、会見で述べた言葉だとか。
いままで話題になった「望外」や「僥倖」は、特に難しい言葉という印象はなかったですが、節目と書いて「せつもく」と読むとは、初めて知りました。
インタビューには事前準備があるのか、それともその場で考えているのかは、大変興味深いところです。

肝心の将棋の内容のほうは、ずいぶん苦しかったように見えたのですが、気がついたらはっきり勝ちになっていて、相変わらず驚かされるばかりです。
そしていつの間にかまた2ケタ連勝に突入しているそうで。
報道の勢いも再び加速しそうな感じです。

次の注目はやはり順位戦の昇級なるかと、叡王戦本戦、それに年度成績といったところでしょう。
明日は銀河戦の放映日だそうで、こちらも楽しみですね。

 

今日はリコー杯の第3局、舞台は静岡。
他にA級順位戦など中継は全部で4局、今日も豪華な一日です。