昨日の対局では初めて、対局開始前(入室前)に手荷物検査と、金属探知機によるボディチェックを受けました。
不正防止策について議論するために、対局規定に関する委員会が設けられ、その答申を受けて今月から年内いっぱい、試験導入されることになったものです。
運用上は、対局者が対局室フロアに着いたらまずスマホをロッカーにしまって、そのあとで職員に検査をしてもらうという手順になるようです。
とりあえず、少し早めにと思い9時半前には連盟に到着しました。
これからも、そうすることになりそうです。
昨日は比較的対局の多い日でしたが、特に混乱や対局開始の遅れはなかったように見えました。
個人的には検査を受けることに抵抗はないですが、気持ちの良いものではないという棋士も多いと思います。
対局直前の気持ちの持って行き方というのは人それぞれで、中には朝早くからかなりピリッとしている人もいますので。
また、検査する側の方にとっても、けっこうな負担を伴う仕事のように思いました。
試験導入なので、今後このまま行くのかどうかはまだ分かりませんが、いずれにせよ討議を重ねて決まったことに関しては、ルールとしてそれに則ってやっていくということが大事かと思います。
その上で、必要とあれば見直していくしかないでしょう。
対局に関するルールは、本当は棋士は意見を出すにとどめ、第三者のしかるべき有識者に決めてもらって、それに棋士は従う、というほうが望ましいとは思います。
棋士はあくまでプレイヤーなので。
自分も関係している(しかも直接1対1で対戦する)事柄に関するルールを決める、というのはなかなか大変なことです。
ただ、現状の連盟の枠組みでなかなかそうすることは難しいので、現常務会もさぞ苦労していることと思います。
しかるべき人や機関に、権限を委譲するという意思決定ができれば一番良いはずですが、それが棋士の抵抗感によって、なかなか実現しない。というところに問題の本質があると感じています。
自分自身は対局ルールに関しては、意見はいろいろあっても、それを(棋士としては)主張しようとはまったく思いません。
(今回のことに限らず記録の問題や持時間のことなど、近年いろいろな変化がありました)
もちろん理事の立場であればまったく逆で、あれこれ考えないといけない、広く意見を聞いて判断しなければならない。その大変さはよく分かりますので。
盤上のルールがいまのままで、対戦相手と公平であればそれで良い、と思います。
棋士は決められた条件で、一生懸命良い将棋を指すのに務めるのが責務だし、そう心がけることで、良い将棋界になるのではないかと思います。
この話題はまた続くと思いますし、いったんこのあたりで。
肝心の対局は、珍しいぐらいうまく指せて、快勝でした。
図面等はまた後日に。
今日のモバイル中継はC2、王将リーグ、叡王戦。
昨日6局、今日は7局ですか。
連日盛りだくさんで、忙しいですね。