棋聖戦とか

今週は水曜日に女流王位戦(福岡県・飯塚市)、木曜日に棋聖戦(淡路島・洲本市)と、2日続けて西日本でタイトル戦が指されました。
女流王位戦は里見さんが勝ち、防衛に王手。
棋聖戦は羽生棋聖の先勝という結果でした。

伊藤挑戦者はちょっとつんのめったような形、斎藤挑戦者は競り合いの末惜敗、という形で展開は全く違ったものの、どちらも王者の懐の深さ、壁の高さを感じました。
次局も熱戦を期待したいですね。

棋聖戦第1局については、明日改めて書いてみたいと思っています。

金曜日は首都大学の授業。
ということで午後からは南大沢に出かけてきます。
今日で僕の担当回は終わりで、後半は中村太地六段にバトンタッチの予定。

 

 

書道

今日は将棋連盟の書道部なんですが、先日の叡王戦の抽選会に、先生が登場されたとか。
まだTSが観れていないので、どんな様子だったかは後日のお楽しみです。
ちなみに相手が誰になったかも知りません(汗

それはさておき、書道はもうすこし練習してうまくなりたいものです。

引っ越しは無事終わりました。
ただ、まだ悠然とブログやってるような部屋の状況ではないので、とりあえず元気にやってますよーという意味で簡単に更新して今日は終わりにします。

引っ越し

これから、人生でちょうど10回目となる引っ越しです。
2000年に東京に出てきてから、今回で7か所め、7区め。

生涯を通じて23区すべてに住むという、およそ現実的でも生産的でもないプロジェクトも、地味に進行中です。
いまのペースならある程度長生きすれば十分可能なのですが、実際にはまあ、半分行くかどうかでしょうかね。

この2か月間は一日も休まずにブログを更新できたので、明日もできれば書きたいと思っていますが、さすがに難しいかもしれません。
将棋に関する投稿も、なるべく早めに再開したいと思っています。

この数か月は、のんびり過ごしつつも、棋士としての生活リズムを取り戻すためにゆる~く努力してきました。
総会が終わり、引っ越しの片づけが終われば、もう自分に対する言い訳はできなくなるので、その先はいよいよエンジン全開でいきたいと思っています。

総会

昨日は公益社団法人・日本将棋連盟の定時総会。
役員解任という事態を受けて、すこしでも空白期間を短くするために、例年より10日ほど前倒しで開催されました。
決算書類の準備等、事務局はさぞ大変だったことと思います。
この数か月の様子は、正直なところあまり知りませんので、無事に送られてきたのを見たときは、ホッとしました。

新役員が正式に決まりましたので、自分にとってもこれで一段落です。
日本将棋連盟新役員のお知らせ

円陣は珍しいですね、と書こうとしたら「エンジン」と変換されました。
新役員の皆様には、さっそくエンジン全開でと期待しています。

これからは一棋士・一会員の立場で(とわざわざ書くまでもなく当たり前のことですが)将棋界のために尽力していきたいと思います。
これまで何度も書いてきましたが棋士はプロとしてそして将棋連盟の一員として高い意識を持つことが何より大切で(もちろん高い技術も大切)、全員が棋士の本分に則って対局と普及に務めれば、より良い世界になるものと自分自身は考えています。

 

帰り道、会場を出たところで長年の仕事仲間であるファニー君にバッタリ。
(150人ぐらい集うので、誰がどこにいるかはよくわからない)
実は、自分も電王戦の棋譜を棋士が振り返るのは面白いかなと思っていたので、「楽しみにしてるよ」と声をかけてきました。

僕が現場で対局を見たのは、担当理事だった2年間10局のうち、豊島ーYSS戦を除く9局と、船江ーツツカナ戦の計10局だったかと思います。
青春はちょっと大げさじゃないの、だいたいそんな歳じゃないでしょと思ったけどそれは言わないでおきました。
まあでも1局1局にいろいろと記憶に残る指し手・結果や出来事や背景があって、気持ちはわかります。

将棋に対する切り口というのは数多くあると思いますが、その中で「▲〇〇〇」という指し手は悪手で「▲〇〇〇」が正しかった、というだけのことなら、コンピュータに聞けばいいという日がもうすぐそこまで来ています。
(これは勝ち負けや強弱とはまた別の話なので、いまはまだそうではないと僕は思っている)
(ついでにもう一つ書くと、そもそもそれだけでは解説や記事としては物足りない)

大事なのはその先、あるいはその手前の背景で、それをいかに読者・視聴者に分かってもらうか。
あるいは、楽しんでもらうか。
そのための努力が、棋士により求められているように思います。

ということで、冒頭の話にもつながりますが、棋士の本分を大切にして、これからも対局・普及に全力で務めます。

 

応用

昨日は日曜日でしたが、日本将棋連盟モバイルでは加古川青流戦の中継が行われていました。
近年は対局が増えて部屋の都合がつかないようなこともありますし、今週のように土日とも公式戦の対局があるのは、いろいろな意味で好都合と言えます。

結果は稲葉聡アマ(陽八段のお兄さん)の勝ち。
優勝するぐらいだから当然ですが、いつも勝ち方が強いです。
世界で一番将棋の強い兄弟は、普通に考えれば畠山兄弟だと思いますが、稲葉兄弟も相当ですね。

先日の電王戦第2局で、ちょっとした話題になっていた局面を取り上げてみます。
(※公式サイトのキャプチャーです。←リンクをクリックすると棋譜が開きます)

△5一銀が角換わりでは見たことがない、斬新な一手でした。
(コンピュータ将棋ではある手、という話もウェブ上では目にしましたが、本当なんでしょうか?)
先崎さんの観戦記には

銀矢倉の形で受けの基本だ。それが見えにくい、というか意表なのは、序盤において金銀を引く手は悪手――おおげさにいえば論外という人間の先入観があるからである。

と書かれています。なるほど、たしかにその通りと思いました。

実はこの手を見たときに、連想した局面がありました。
同じことを思った人がどこかにいるだろうと思っているのですが、実際のところはわかりません。

それがこちら。
(※2010年、王位戦第3局←リンクをクリックすると棋譜が開きます)

この手は当時、なるほどこんなうまい指し方がと、斬新に感じた記憶があります。
「余分な歩を突かない」「最短ルートで囲いに金銀をくっつける」という意味で、かなり共通するものを感じたのですが、どうでしょうか。

実はいまから数年前に自分も横山六段との対局で、似た局面でこの銀引きを指されて、完敗したことがあります。
部分的にかなり有力な指し方なので、電王戦の△5一銀も、初めて見た手ながら直観的に有力だと思いました。

この手を人間が指したのであれば、この例のように全く別の形からの応用(連想、ぐらいのほうが正しいかもしれない)ということになりそうですが、コンピュータの場合は、たぶん膨大な読みの中からこの手を拾い上げただけで、応用だとかいうことはないのでしょう。
そこが面白いものだなあと思いました。

電王戦の番組は、最後の記者発表以降だけTSで観ました。
11時間半ぐらいのところから名シーン振り返りのようなコーナーがあって、つい最近のことなのに、いろんなことをとても懐かしく思い出しました。
今後は想い出にひたるのではなくて、コンピュータに教わったいろいろなことを、盤上ですこしでも応用していきたいと思います。

今日は例年よりすこし前倒しになった定時総会。