天災に思う

大雨から数日が過ぎ、だいぶ被害の全容が見えてきたみたいです。
今回のことは特に、自分にとって身近な土地が多かったので気になってニュースを見ています。
大雨で150人以上も亡くなるとは、本当に信じられない気持ちです。
心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

テレビを見ていると倉敷の映像がよく使われていて、ここは言うまでもなく将棋の街でもあるのですが真備町といえば「吉備真備杯」でお隣の囲碁界と縁の深い土地でもあります。
また倉敷市だけでなく真庭市(女流名人戦を長年開催)や、他にも昨年王将戦が開催された矢掛町など、近隣にも将棋に縁の深い街があり、やはり大変な状況だったようです。

一方で有名な倉敷美観地区などは無事だったようで、被害のひどい地域だけを見ていると気が付きませんがもちろん街全体が水の底に沈んでしまったというわけではありません。
ライフラインも順次復旧しているようですし、これからはきっと復興が進むことでしょう。

広島も大変な地域がたくさんあるようです。
特に呉の映像はびっくりしました。あと、昨日の府中町の映像にも驚きました。
榎川、という川は初めて聞きました。怪童戦の会場の近くでもあります。

家族や知人何人かには連絡を取りましたが、皆無事とのことでホッとしました。
広島は災害の少ない街ですが、地盤だけは脆いと子どもの頃から教わってきたものです。
数年前にもやはり豪雨があり、なるほどその通りなのだなと実感しています。地下鉄が走らないわけですね。

東北や熊本の地震のときも思ったものですが自分自身は寄附と、あとは観光に訪れる・名産を食べるor買うのが一番の支援だと思っているので、すこし落ち着いた頃に仕事以外で訪れようと思っています。
特に倉敷は、将棋の街なのですがイベントに参加するのは基本的に関西の棋士かもしくはトップ棋士なので、たぶん子どもの頃に行ったキリでもう20年ぐらいは行ってないはずです。
将棋イベントもこれからもたくさんあると思いますし、皆様もぜひお運びください。

それにしても、天災には日々の備え、とは思うもののなかなか準備万端というわけにはいかないものです。
常にありうるという気持ちの準備だけはしておいて、あとは情報に敏感になることかなと思います。

 

棋聖戦はフルセットになりました。
昨日の将棋は序盤を見ていてこれは豊島八段の研究が炸裂したのかと思ったらそこから羽生棋聖の懐が深かった。
あれだけ強くて、勝っていて、研究もしている相手を弾き返すというのは本当に恐ろしいと思いました。
最終局、どんな結末になるのでしょうか。

文化検定

第4回将棋文化検定が、3年ぶりに行われるとのこと。
将棋文化検定

けっこう棋士もたくさん受験(出演)されるのですね。
検定は好きなので、僕も呼ばれたかったな~残念。

とまあそれはさておき、リリースを見たところどうやらスポンサーもついたようで、こんなところにも将棋ブームの後押しを感じますね。
ありがたいことだと思います。

支部派遣やイベント等のお仕事に行くと、指導者の方を中心に過去に受験されたという方も多くいらして、いろいろとご意見をいただくことがあります。
いままで一番よく言われたのが、ある棋士が好きなマンガのタイトルを答えさせる問題が過去にあったそうで「文化と関係ないのではないか」というものでした。
たぶん、そうした声は現場に届いていると思いますし改善されているのではないかと思います。

自分の意見としては、将棋のルールやマナーなどのごく一般的なことをはじめとして、将棋界や将棋連盟の歴史や現在についての知識を、指導者の方が身に付けて、そして教えていただけるようになるためのものにするのが良いと思っていました。
その意味で
>(4)1級合格者は、将棋普及指導員審査における筆記試験が免除になります。
と書いてあるのはとても望ましい方向だと思いますね。

ちなみに僕が単発の入門教室などで、つかみでよく使う質問にはこんなのがあります。
・将棋はどこからやってきた? (1)アメリカ(2)中国(3)インド
・将棋の名人はいつからいるでしょう? (1)100年ぐらい前 (2)400年ぐらい前 (3)1000年ぐらい前

で、江戸時代の「将棋所」「御城将棋」の話とか。
100年ぐらい前にいまの将棋連盟ができたんですよ。とか。
日本の将棋は1000年ぐらい前からあるんですよ。とか。
そんな話をすることが多いです。

将棋はゲームであると同時に伝統文化の側面もあるので、歴史を知っておくことで教えるときにも有用ですしまた自分自身もさらに興味を持てるようになると思います。
検定はそのひとつのきっかけではありますが、今後将棋界の歴史や文化にももっと光が当たると良いなと思っています。

あれこれ

昨日は妻の両親からの要望があり、家族サービス(?)で東大に観光(?)に行ってました。
と言っても、別に僕が案内できるわけではないのだけど。

何年ぶりかに訪れたキャンパスは、昔と変わらないところもあり、様変わりしているところもあり。
特に食堂がずいぶん変わった、というのは噂には聞いていましたが、たしかに一目瞭然でした。
あと購買部(生協のこと)がお土産モノだらけになっていて、ちょっとびっくりしました。

その後上野公園まで足を伸ばし、よく歩いたなと思ったら、見事に日焼けしてましたね。珍しいことです。
今月はけっこう忙しいんですが、合間の良い休日になりました。
穏やかな日常に感謝するばかりです。

 

一昨日のマイナビ一斉対局、中継局以外は見ていなかったので後でブログで確認したところ、また新女流棋士が一人誕生していたのですね。
加藤結李愛女流3級が女流2級に

直近の女流棋士は2人続けて加藤姓ですか。
先輩に加藤桃子さんもいるし、このままいくと中村姓を抜いて佐藤姓に迫る勢いかもしれません(?)。

石田門下からは初の女流棋士誕生とのこと。
近年この一門は本当に隆盛の一途ですね。うちも負けずに頑張らなくては。
いま「棋士としての生き方」をちょうど読んでいるところですが、本当に素晴らしい師匠です。
おめでとうございました。

 

日経bizgateの連載が更新されました。
藤井聡太がタイトルに挑戦する確率

タイトル戦に出るということが世間が期待するほど、簡単な道のりでないということは直近の2局で示されたと思いますが、いずれは出てくることも間違いないでしょう。
ただそれがいつかは分からないし、どんな才能の持ち主と言えどもタイトルをたくさん取れるかはわからないと思います。

もうすぐ16歳になりますが、18歳までにタイトル戦に出てくるかどうかは特に注目が集まるところでしょう。
それでなくとも彼の一局一局に世間の注目が集まるのは間違いないところで、自分自身も彼の将棋を観ていて本当に楽しいし勉強にもなるので、引き続き注目していきたいと思います。

大雨

このたびの大雨で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
地元の広島やお隣の将棋の街・倉敷、最近旅行に行った四国など、縁の深い地域が多いこともあって心配しています。

それにしてもこんなに日本全国各地で大雨が続くものでしょうか。
昨日は東京でも地震がありました。自然は時に怖いですね。

あれだけ水に浸かってしまっては捜索も復興も難航しそうですが、これ以上被害が拡大しないことを願うばかりです。

 

昨日は石神井子ども教室にお招きいただいていました。
年に一度のことで調べてみると昨年は10月末でしたね。
こちらと江古田を合わせると1日の参加者が100名を超すような大所帯になっているそうで、主宰の飯塚七段の人徳と、スタッフの皆様の尽力がうかがえます。

そんなわけで昨日は、ずいぶんたくさん指しました。
けっこう良いペースでの回転が続いたので最後のほうはフラフラ(笑)心地よい疲れでした。

夜は奨励会の先輩である野島さんが指導棋士になられるということで、新たな門出を祝しての打ち上げ。
楽しい夜でした。
どうもありがとうございました。

 

また昨日はマイナビの予選一斉対局が行われていました。
モバイル中継は12局、行き帰りの電車で目を通しましたが里見さんが渡部女流王位を破ったのは殊勲の星でしょうね。お姉さんの敵を討った?
しかし予選決勝ではアマチュア選手に敗退。戦国時代、ということなのでしょう。

カロリーナは残念な内容でした。
結果は仕方ないとしても、ちょっと序盤の出来が悪かったですね。

女流の予選は持ち時間が2時間の棋戦と早指しが半々で、しかも「早指し」は棋戦によって微妙に持ち時間が異なるので、うまく戦い方を条件に合わせていかないといけないですがなかなか難しい様子です。
予選を突破できる人たちというのは何かが違うはずなので、それを自分で感じ取るしかないんですよね。

春から夏にかけて負けが込むと、しばらく対局がなくなってしまいます。
それが気の毒というか、心配というか。
頑張って強くなってほしい、何もしてやれないけど、その一心です。

王座戦 注目の2局

王座戦準決勝の2局は、いずれも角換わり拒否・雁木模様の将棋に。
最近の相居飛車は素直に角換わりに進むか、角換わり拒否を拒否する(先手が早々に飛車先を決める)か、もしくはこの2局のように角換わり拒否の将棋になるか。の3パターンという感じに見えます。

一昨日の渡辺ー永瀬戦は、永瀬七段が模様が良さそうに見えましたが渡辺棋王の懐が深かったですね。
▲3四歩と取り込ませて大変、というのは旧来の相居飛車では珍しいことのような気がします。
ご本人のブログにある内容は、観ていたときの感想とまったく同じでした。

その後の「攻め過ぎがあって・・」というのはたぶん▲3三歩を繰り返したあたりのことなんでしょう。
▲7七桂の切り札をもうすこし早く切る手も有力だったと思います。
雁木は左桂が自由なのが長所ですがその使い方は極めて難しいです。

昨日の斎藤ー藤井戦は、期待に違わぬ大熱戦。
斎藤七段が終始完璧な(たぶん)指し回しで押し切ったのを見ていて、マークされるというのはこういうことなのだなと思いました。

藤井四段29連勝のときも徐々にマークがきつくなっている感じはありましたが、あの頃は周囲の熱狂もあったし、何よりデータが少なかった。なにせ一度も負けていなかったわけだし。
あの頃に比べると藤井将棋に関するデータも集まっているし前々からの蓄積があるので、対戦が決まる前から準備が可能になっています。
そんな中で勝ち上がっていくのは大変なことなので、(当たり前ですが)世間が期待するほどタイトル戦に出るというのは簡単なことではないと思います。

印象に残ったのがこの場面。

「なるほど」と検討陣も言っていた(らしい)通り、飛車を捨てるのは気がつきにくい組み立て。
ただここに書いてある手順は「あえて」そう書いただけで実際は▲7二銀とまずは銀を交換するんでしょ、と思っていました。

ところが夕休明けに実際に▲6三桂成△同銀と進んでびっくり。こんな常識外の手順があるんですね。
ここは対局者ならではの深い読みを見ました。
次の▲6七金左からは先手が良くなったとのこと、ならばまさか△6三同馬のほうが粘りがあったのかなあ。

自分は若い頃、こういう早々に戦いになってしまう将棋は、華々しい半面深みに欠けると錯覚していました。
長く濃厚なねじり合いが続く将棋こそが、プロの将棋というものであろうと。
ところがそうとばかりも言えない、ということが最近すこしづつ分かってきて、将棋の奥深さを再認識しているところです。

昨日の将棋は後手が居玉のまま30手すぎには本格的な戦いになり、↑の図でまだ60手足らず。
しかしここから100手を超えるまで熱戦が続きました。
本当にハイレベルな戦いになると、華々しく切り結んでも、お互いスレスレのところで急所は回避していて、決着しそうでなかなか決着しないんですよね。

本局も先手が正確に寄せていなければ、入玉をめぐる攻防がもっと長く続いたことでしょう。
それだけ斎藤七段の正確な終盤が光る一局だったと思います。