新記録とか

昨日書きそびれてしまいましたが、藤井七段が「3年連続8割越え」の新記録、これもまたすごいですね。
将棋の内容に気を取られてウッカリ(?)してました。報道量もかなり多かったように思います。

そもそも年間勝率8割というのは、連続とか抜きにしても羽生九段の3回が最高とのことですから、まったくもってとんでもない記録です。
そしてそれでもなお、藤井七段の通算勝率は徐々に下がっていっているそうで。言葉もありません。

プロの世界で、勝率8割というのは一時的にでも大変です。良いところ取りで8-2くらいはたまにあっても、16-4となるとけっこう高勝率の人でもなかなか出ないはずです。
通算勝率で8割以上をいつまでキープし続けるのか、というのもこの先見どころの一つになるかもしれません。

あと棋聖戦はベスト8が出そろいました。
藤井七段はこちらでも勝ち残っており、タイトル挑戦の最年少記録更新に期待がかかります。
昨日書いた王位リーグと合わせ、2度の菅井ー藤井戦に要注目です。

本戦1回戦の将棋はかなり戦型も展開もバラエティに富んでいた印象の中、特筆すべきはやはり久保ー山崎戦でしょうか。パックマンには驚きましたね。
その後もいったいどこで将棋を覚えたのか、という見事な指し回しで感嘆とはこのことでした。

王将戦第7局は初日からまさか、というほどの激しい進行。
先手の踏み込みは意外でしたが、これしかない、ということなのでしょう。
封じ手からすこし進んだ現局面(61手目)は、玉の堅さを実戦的な勝ちやすさと評価して渡辺好み、という感じもするものの、形勢としては後手がすこし指せそうな気がします。
ただこの後はすこし流れが穏やかになりそうなので、終盤までややこしい局面が続きそうです。

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東京都は外出自粛要請。かなり大変なことになってきました。

僕の生活の中に、不要不急でない用事はほとんどないので、しばらくはほぼ人と会わずに過ごすことになりそうです。
結果として妻と2人で過ごす時間が増えますね。

自分の理解では、外出することそのものに問題はなく、とにかく「3つの密」を避けることが大切です。
これは一人ひとりが意識すればほぼ100%実現可能なので、心がけたいし、周りの人にも絶対に心がけてほしいです。

では、不要不急のブログ更新、今日はこのあたりで。

王位リーグ 奇跡の詰み

昨日の藤井ー稲葉戦、たまたま最後の場面をリアルタイムで観戦していて、興奮してしまいました。
まさか、まさかあれが詰むとは。

改めてあの場面を思い返してみると、後手玉は離れたところから金銀3枚と馬に守られているところ、さらに角を王手で打って受けに利かしてるんですよね。
そこに至るまでに苦しい場面で手段を尽くして粘ってきた感があって、さすがの藤井君も万策尽きたか、と思った場面からの大逆転でした。
「こちらはこれしかありませんので」(113手目感想戦コメント)というのも、まあそうかもしれないけど、すごいものだなと。
良いものを見せていただきました。

王位リーグは昨日のこの将棋に加え、一昨日は3局、先週金曜日にも2局消化され一気に佳境を迎えています。
一昨日の永瀬ー佐々木戦はお互いに死力を尽くしての持将棋、からの指し直しも好局で日付をまたぐという超大熱戦でした。
現行のルールで日付が変わることはおそらく初めてのことと思いますし、今後もそうあることではないでしょう。
これも感動的な一局でした。
王位リーグでは昨年も木村九段(現王位)の将棋を中心に、驚異的な大熱戦や名局が数多く生まれており、何らかの連鎖反応が起きているような感じがします。

今期リーグ表を見てみると、紅組は永瀬二冠が直接対決を続けて制した形で、ただ一人無敗を守っています。
(※3/26追記:記述に誤りがあったので、修正しました。ご指摘ありがとうございました。)

白組は3回戦より4回戦が先に消化されていてちょっと不思議なリーグ表になっていますが、藤井七段が3-0でトップで、2-0の菅井八段との対戦がリーグ優勝を左右する一番になりそうです。

最後に、昨日は王座戦(飯塚ー渡辺戦)でも200手越えの大熱戦がありました。
1分未満切り捨てをしない現行ルールになってから、残り時間が少なくなってきたところでバタバタと手が進む現象がときどき起きているイメージで、昨日の将棋はそのあたりでひと波乱あったように見えました。

これは前にも書いた記憶がありますが自分自身は200手越えた経験はないはずで、これが2日続けて起きるというのはかなりの驚きです。
質量ともに見ごたえたっぷりの2日間でした。

今日、明日は王将戦最終第7局、舞台は佐渡。さーどーなる。

銀河戦 金井六段戦

昨日の将棋に続いて、午後は金井六段との対戦でした。
今度は後手番になったので、角交換系の四間飛車で行ってみました。
これは多少、意表を突けるかなという気持ちもありました。
実際そうだったと思うのですが、意表を突くぐらいヘタな指し回しだったのであまり効果はなく、残念なことでした。

△3三角に▲同角成~自陣角で桂頭を狙う、という流れは、最近部分的にはよく見る展開。
ただしばらく進むとすぐ未知の局面へと突入します。

△4五桂とポンと跳ねるのは、久保九段ならこう指しそうなイメージ。ただし、単なる妄想だった可能性もあります。
対して5七の地点を受けるには▲4六銀が一番自然ですが、図の▲5八金右はより強い対応。
この局面では、△6四角、△4四銀(本譜)、△5五歩、△3六歩などの手を考えました。

本譜の△4四銀は悪手で、▲同銀△同歩▲3八飛と動かれて、形勢を損ねました。
普通はそこで△4二金とかわすしかないところなんですが、これは▲8六角が当たってくるのが痛いです。

実戦は仕方なく△3七歩としましたが▲同桂~▲4五桂~▲5三桂成と天使さんもびっくりの跳躍ぶりで、金井君の手つきもひときわ優雅なものになってました。
こんな桂の三段跳びを許すプロがいるとは我ながらびっくりしました。

戻って図ではじっと△4四歩が味わい深い最善手で、それなら難しかったように思います。
実戦で指せなかったのは残念ですが、いろいろ検討しているうちになんとか自力でこの手にたどりつけたのは本局で数少ない収穫でした。

本譜▲5三桂成以降も、こちらがもうすこしうまく粘ればあんなにも放映時間を余してしまうことはなかったはずで、相当に反省点の多い内容になってしまいました。
出来にムラがあるのは大きな悩みで、良い将棋をもっと多くして、悪い将棋も少しでも粘れるように、努力していきたいと思います。

銀河戦 三枚堂七段戦

対局、放映からかなり間が空いてしまいましたが、今期銀河戦本戦の対局を振り返ります。
この日は同じブロックでの2局撮りで、本局はその午前中の対局でした。

戦型は先手四間飛車vsミレニアム。これは今期竜王戦の1回戦でもありましたが、時系列的には本局のほうが先でした。
竜王戦のときは振り飛車が玉側の端を詰めており、本局とは微妙に違う形ですが似た将棋ではあります。
いずれも準備して臨んだのですが思わしい流れにはならず、やはりミレニアムは現代振り飛車党にとって強敵と言えます。

中盤の局面をひとつ。いま、玉側で桂交換が行われたところで、令和のミレニアムらしい展開になっています。
詳しくは「令和新手白書」を読んでください。

ここで飛先を受けずに▲4四歩と攻め合いました。たぶん、ひと目の手ではないと思うのですがこれが好手。
以下は△同歩▲同角△8九歩成▲7一角成△8六飛▲4四桂と進展。この手順によって「負担となりかねない角をさばく」「4三歩を消去して囲いに迫る桂を打つ」という2つの仕事を実現しました。

形勢はいい勝負か、むしろやや自信ないくらいかもしれません。ただ、お互い金銀4枚で囲っている状況で、先に囲いをはがせるのは大きなアドバンテージです。

実戦はこの後非常にうまく指せて、勝つことができました。
最後は作ったようなきれいな詰みで、詰まさなくても勝ちなので迷ったのですが、きちんと読み切れて良かったです。

感想戦の収録まで終わり、控室に戻ってからのこと。
図以降の展開について三枚堂君が「△8九歩成としたのに△9九とと取れず、△8六飛と走ったのに成れず、角道を通したけど止められた、将棋の運動神経が悪いです」と言っていて、なるほど面白い表現だと思いました。
結果的に、それだけこちらの攻めが厳しくその余裕がなかったということになります。一局を通して観る上で重要な視点と言えます。

もっとも、彼のほうが僕よりはるかに反射神経・運動神経が良いのは明らかで、本局に関してはその長所をうまく減じることができたおかげで会心の一局になりました。
流れをコントロールする指し回しは振り飛車党の腕の見せ所と思うので、ぜひアマチュアの方にも参考にしていただきたいと思います。

3連休

この金土日は春分の日を含む3連休。
東京はずいぶんと暖かくなってきて、桜も例年より早く、咲いてきました。
お花見に出かけたい気持ちもありますが、一か所に大勢が集まって飲んで騒ぐという行為は良くないので、散歩にとどめたいと思います。

世間の様子を見ていると、やはりこの3連休はすこし気持ちが緩んでいるというか、大丈夫なんじゃね?というムードに包まれつつあるような気がしますね。
ウイルスは目に見えないけど怖い、怖いけど恐れすぎてもいけない、でも気にしないのはもちろん良くない。というところで、なかなかバランスが難しいところだと思います。
日本はここまでなんとか持ちこたえてきていると思うので、どうかこのまま収まってほしいと祈るばかりです。
そのためには一人ひとりの心がけが大切でしょう。

個人的にはこのところ、専門家会議の「3つの密を避ける」を常に心がけながら、妻や数人の仲間と静かに外食を楽しむようにしています。
経済に細々と貢献しつつ、感染リスクを最小限に抑えていきましょう。

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中継は昨日、今日と公式戦はついておらず好局振り返りとなっていますが、金曜日は普通の平日と変わらない対局数・中継数で熱戦多数でした。
中でも上村ー藤井戦(王位リーグ)の△8五香という手には感動を覚えました。自分を含む普通の人には、あんなところに香を打つ手は絶対に思いつかないでしょう。

部分的に2二玉・3二金・2四銀という矢倉の配置に対して▲2五香と突き立てた例として、村山聖ー森下戦という有名な将棋があるんですが、あの将棋は2六歩の上から打ったもので、本局とは意味合いが違います。
その当時もすごいインパクトだったと聞いたことがありますが、それを大きく上回る衝撃度でした。

三浦ー渡辺戦(竜王戦)はけっこう大きな逆転だったでしょうか。
渡辺さんがああいう形で徐々に差を詰められての逆転負けを喫するのは珍しく、やはりトップは紙一重だし、ちょっと歯車が狂うとこういうことが起こるのが将棋というゲームなのだなと思いました。

では今日はこのへんで。