2/25 阿部光六段戦

昨日書いた順位戦との間に、NHK予選があったのですがそちらについてはまたのちほど。
あと銀河戦本戦についても触れていないので、それもまた後日に。

本局は竜王戦の2回戦でした。
1回戦に続いて先手番を引き当て、中飛車に構えたところ相手の見慣れない対策+すごい早指しを前に、一方的に時間を使う展開。
お昼休みに入った時点でなんと消費時間はこちらが101分に対して相手は4分でした。
さすがにこんなことはこれまでも、これからもたぶんないと思います。

もっとも局面のほうはやや作戦勝ち~まずまずの中盤戦、と順調に推移していました。
しかし残念ながらそこから才能の差が出てしまいます。

玉側の端で戦闘開始。
この攻防は分がありそうと思っていました。しかし後で考えると、それは間違いでした。
ただしここで△1四同香▲同歩△同飛は▲1六香で勝ちだし、△1三角も▲同角成△同香▲2二角でこちらが指せています。

実戦はここから△3一角▲5七角△2四歩▲3九玉(?)△1三角(!!)と進み、一気に敗勢に転落。最後の△1三角は↑のように直前まで大丈夫だったはずの手なので、完全にうっかりしていました。
その局面は次に△8一飛~△8七歩成の侵入というシンプルな狙いがある上に、△2五歩からいつでも角交換を狙えるようになったため、こちらは収拾がつかなくなっています。
以下は多少の抵抗もむなしく順当に押し切られました。

上記手順中▲3九玉は目線が1~2筋だけに集中してしまった悪手で、直前の△2四歩という手に対して「△2一飛・△2三桂・△2五歩等の狙い」と判断してしまったのがその原因です。
ただその局面自体、すでに思わしいものではなく、そもそも図の局面を指せると判断してしまったのが誤りでした。

改めて冷静に考えてみると、1筋の戦力差は互角(どちらも飛角香が集中している)の状況で交換した桂を一方的に打たされており、相手玉は戦場から離れていて自分だけ近い。
そう考えると、良い理屈はどこにもありませんでした。
図の局面に至る手順中、左桂をさばいて交換したために相手からの仕掛けを誘発したわけで、そのあたりの判断、感覚がおかしかったということになります。

本局は小競り合いが一段落した後に互いが地下鉄飛車にするという現代的な将棋で、こういう将棋に挑戦できたことは良かったのですが、競った終盤戦を迎えることができず非常に残念な一局でした。

2/4 佐々木勇七段戦

今年は1月がなんと順位戦の1局のみで、間隔が短いわけでもないのに続けて順位戦の対局になりました。
他に対局がなかったことに加えて、昇級争いをしている対戦相手が続いたこともあり、この2局は自分のほうも特に気合を入れて臨みました。

戦型は後手番で四間飛車。
居飛車側が端を受けてきたので、4四銀型で先攻含みの構えを取りました。

直前まではよくありそうな形で、実際同一局面の前例もあるようですが、この▲8六歩は新手。
正確には、△8五桂という手を防ぐ意味自体は真新しいものではなく、以下の指し方が全体として新構想と言えると思います。

ここから居飛車側の指し手だけを抜き出すと、▲9九玉~▲8八銀~▲6八銀~▲7九銀右~▲6八角と進んだのですが、ここまでの手順中、そしてこの後もしばらく「▲8七銀」という手を指さないで進めたことが新しい感覚と思いました。
▲8六歩だけ突いて、▲8七銀と支えずにほうっておくというのは指されてみるとなるほどですが、これまでの自分にはない感覚でした。
指されてみると非常に有力な指し方で、いまのところ対策は打ち出せていない状況です。

後日の昇級インタビューの記事で「今期は詰みまで研究するつもりで対戦相手への対策を練った」というような内容を読みましたが、たしかに感想戦をしていても、深く広く研究して準備してきている様子がうかがえました。

こちらとしては納得の完敗という一局でした。

逆転勝ち

昨日の対局は、先手番で端を取っての角交換振り飛車。
振り飛車、とひと口に言ってもいろんな指し方があります。
それらを幅広く、センス良く指せるようになりたいと思ってやっているのですが、なかなか道は険しいです。

昨日はお昼休み前に筋違いに打った角が、休み明け直後にはトン死しそうになるという不測の事態に陥り(ただの見落とし)、当然ながら大きく形勢を損ねました。
知識として知っておかなくてはいけない筋だったと思いますし、そうでなくてもその場で気づかないといけない手でした。

その後はずっと悲観したまま粘っているうちに、相手の気にしすぎや時間切迫に助けられて、いつしか逆転。
気づけば勝勢になっていて、残り時間もたっぷり。しかしそこからまたしても悪手連発、最後はフラフラになりながらなんとか逃げ切りました。
プロとしてかなりお粗末な内容で、反省です。

そういえばブログ研で対戦していた頃も、僕が優勢で瀬川さんが一方的に1分将棋なのになかなか勝ち切れない、という展開はよくあった気がします。
あんまり成長してないですが、なんとか勝てて良かったです。

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棋王戦は渡辺棋王の貫禄勝ちといった感じでした。
結果的に唯一の敗戦局となった第2局は僕も現地宇都宮にいたわけですが、そのときの感想戦を見ていて、ある程度相手のことを見極めに行っている感じが見て取れました。
それをしっかりと成果に結びつけたこの第4局だったように思います。

そういえば今年度のタイトル戦で防衛は初めてなんですね。
なんだかいろんなことがありすぎてその流れは忘れていました。
あとは王将戦の最終第7局がどうなるか。注目です。

棋王戦とか

今日は棋王戦第4局、舞台は初のタイトル戦開催となる東郷神社。
ここは将棋会館のある場所からすぐ近くですが、連盟からこちら方面に足を向けることは少なく、訪れたことのある関係者は案外少ないのではと思います。
こういった社会情勢なのは残念ですが、ぜひ今後も解説会等含め、盛大に開催していただけることを祈念します。

将棋のほうは予想通りの変化球(?)で後手・渡辺棋王の雁木模様。
これはまあ、挑戦者の相掛かりを拒否するならこのタイミング、この戦型だろうなという感じですが、序盤の早い段階から▲4六角、△8四飛、と目を引く指し手が続けて出ました。
大駒が前に出るのは過去の将棋のセオリーに反していますが、理想形を目指す/阻止するという動きで、お互いに思い描いた形があることを思わせます。
こうした駆け引きは最近ではやや珍しくなってきている印象なので、本局はそこにまず注目して見ていきたいと思います。

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最近の好局紹介など。

昨日の藤井七段、またも圧巻の寄せでした。
△8五歩と継ぎ歩した場面をたまたまリアルタイムで見ていて、▲同歩に△8六歩という意味かと思いきや歩がないので、何があるのか分からなかったのですがそんな寄せがありましたか。
その後空中にポツンと置いた△5五歩も見事な一着で、うまいものだなと感心しきり。

先週末の稲葉ー菅井の兄弟弟子対決、これは菅井八段らしい攻めのつなぎ方で非常に参考になりました。
本局は途中から振り穴側が攻めまくり居飛車側が受ける、という構図のはっきりした展開で、それでいてどちらが良いか際どい戦いが続きました。
こういう将棋は居飛車/振り飛車、攻め/受けどちらの技術も参考になると思うので、勉強するのにオススメです。

木曜日のB1は熱戦ぞろいでしたが、中でも永瀬ー深浦戦は必見と思います。
この将棋は序盤で深浦九段がはっきりしたリードを奪い、その後も終始会心の指し回しだったと思うのですがそれでいて永瀬二冠の粘りがすごかった。
将棋はこうやって粘るものか、という感じで感動を覚えましたし、それを振り切った深浦さんは見事でした。

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明日は自分も対局なので、今日はいつも通り観戦しつつ、心身を整える一日にしたいと思います。