棋王戦とか

日曜日の昨日、新潟で行われた棋王戦第3局は、挑戦者の広瀬竜王が一番返して第4局へ。
渡辺棋王は本局もペースをつかんでいたようにも見えたのですが、珍しく攻めがうまくいかなかった感じでしょうか。
後手雁木は最近すこし採用数を減らしていましたが、この指し方は有力と感じていたのでここで出てきてやはり、という感じで春からの名人戦や叡王戦でも見られるのではないかと予想しています。

これでまたすぐ次の日曜日、第4局の宇都宮対局が行われることになり、とちぎ将棋まつり関係者の方々はホッと一息といったところでしょう。
今期のように3局目と4局目の日程が近い場合、2-0で迎えてしまうとちょっとやきもきしてしまうということはあります。やむを得ないところですね。

僕自身は今年は出演の予定はないのですが、お昼すぎぐらいから観戦には行こうと思っています。

今日であの東日本大震災から8年ですか。早いものですね。
しばらく対局がないということもあって(?)、日々また無事に感謝して、一日一日を大切に生きていきたいなと改めて思う、平成最後の春です。

初耳学 才能と競争の話

「林先生が教える初耳学」という番組が好きで、以前からよく観ています。

半年ほど前から「パリコレ学」なる大型企画が始まって、これが非常に興味深い企画なのでずっと注目していました。
あくまで想像なんですが、番組に人気が出てきて、視聴率が上がったことでこうした大きな企画をやりやすくなったのではないですかね。

あと林先生の役割も微妙に変化しつつあって、出番もすこし抑え目になっているような気がします。たぶんマンネリ化しないように、コンセプトを保ちつつも構成に変化をつけているのではないかと。
これもあくまで想像ですが、変わり続ける者が、生き残り続ける、これはダーウィン以来の普遍的法則です。

さてその「パリコレ学」なんですが、観ていて本当にいろんなことを考えさせられる企画でした。
・才能というのは一瞬一瞬に顕れるものだということ。
・スタートラインは公平でも一定でもないということ。
・お互いが成長した結果その溝が埋まらないことはよくあるということ。
・一方で当然ながら抜きつ抜かれつもするものであるということ。
・厳しい競争の中でこそ優れた才能が開花するということ。
・厳しい競争はジャンルを問わず見る人の胸を打つということ。
・個性を伸ばすには競争相手の多様性が不可欠であるということ。
・勝負に臨む際には自分に自信を持つことが大切であること。
・しかし自信を持つことはものすごく難しいということ。

僕は普段世の中の物事すべてを将棋や身の周りのことに置き換えて見ているというわけではないのですが、やはり共通点や相違点は何かと気になりました。
特に最初の9人を選ぶ際に、年齢層に幅を持たせたことは、かなり重要だったのではないかと振り返ってみて思います。

将棋界は基本的にはかなり多様性の少ない社会を形成し、同じような人間関係が数十年にわたって続きます。その中でこの世界に入った瞬間から引退するまで変わらず続く唯一の多様性は「競争相手の年齢層」だと考えています。

9人が決まった瞬間からずっと、最終結果を予想しながら観ていました。
だんだんと番組が進むにつれて、印象が変わる人と変わらない人が出てきて、最終的に実は9~3位は、ほぼ完全に予想通りでした。
(実際には順位逆順とは明言してないんですが、そういうことという解釈で)

そして最後の最後だけ、予想を覆されました。
最後の二人に関しては意見の分かれるところなのかもしれないし、好みの問題かもしれないし、テレビ的などんでん返し(?)なのかもしれないし、あるいは当然の結果なのかもしれないし、もちろん分からないんですが、構成としてもよく練られているなと思いました。

いまは並行してアナウンサーを目指す企画が始まったところで、こうした大型企画が今後も続くのかどうかは分かりませんが、引き続き注目しています。
あと個人的には林先生の教育論とかもこれからも聞きたいので、ほどほどにそういうのも続いてほしいなと思います。

みろく庵とか

先日はからずもネット上では大きなニュースになっていましたが、将棋連盟御用達のみろく庵が今月いっぱいで閉店するそうです。
とても残念ですが、仕方のないことではあります。

僕は比較的若手の頃から外食よりも注文派で、かつてはみろく庵が大半でした。最近はふじもとや、新顔の紫金飯店も登板させる機会が増えたのですが不動のエースに変わりはないので、これから何を頼めば良いのか、ちょっと困ったことになりました。

1982年3月7日創業とのことで、同い年だったんですね。
今月はもう対局がつく見込みはほぼないので、出前を取るのは難しそうで、あとは夜、何かのタイミングで行ければ良いなあという感じです。

囲碁の杉内先生が92歳で本戦入りとのニュース。
そもそも90代で打てるというだけで相当すごいわけですが、5~70歳ぐらい(たぶん)若いプロを相手に勝ち進むってどういう感じなんですかね。
あと、負かされた若い側はどういう気持ちなのでしょう。
ちょっと想像がつきません。

囲碁界の話題をもう一つ。
囲碁アート 互角の妙手

将棋だと「あぶり出し」と呼ばれる、詰め上がりが文字になる詰将棋がありますが、こういう大がかりな仕掛けは、さすがに将棋では無理ですね。
いろいろとすごいことを考える方がいるものです。

この土日は予定もなくのんびりです。
ブログも盤面の話題はなしにして、今日はこのあたりで。

C2最終日

昨日は近所の中学校に行ったあと(これも今年度最終回)、雨の中連盟に順位戦観戦に行きました。
結果的に2日前のC1に続いて、上位陣崩れずという結果に。
昇級のプレッシャーがかかる中でこの結果は、特筆すべきことという気がします。

佐藤和俊さんは15期目の昇級、ということですがたしか三段リーグも17期だったはずで、あの粘っこい将棋以上に粘り強い戦いぶりには敬服です。
棋士番号が一番違い、三段リーグでも公式戦でも対戦が多い一人で今期の快進撃には注目していました。
「本当のプレッシャーのかかる将棋は久しぶり」というコメントは胸を打つものがあり、同時に自分は最近そういう勝負をしてないなと、また思ってしまいました。

昇級ラインは結果的に8-2最上位までという形になり、これはC1に比べるとまずまず納得のいくところではないかと思います。
石井健太郎君は2期連続8-2の好成績で、前期の借りを返した形でしょうか。
所司一門は3クラスで昇級ということで、すごいですね。

終盤戦の検討では村中ー高見戦や井出ー脇戦が、面白い将棋でした。
後者は横歩取りで、手数もそれほど長くないのに入玉模様になるというかなり珍しい展開で、こういうこともあるのだなあという感じでした。
久々に23時すぎまで観戦して、楽しい一日でした。

今日は竜王戦3局、王位リーグにマイナビ挑決など5棋戦7局、豪華な一日です。

C1最終日

一昨日のC1最終戦、既報の通り自力の近藤五段と杉本八段が勝ち、前期に続いて9-1の頭ハネが2人出るという結末でした。
杉本さんの50代での復帰は、すごすぎて言葉もありません。
「先に待ってる」というセリフもかっこよかったです。一度で良いから言ってみたい。

近藤君は3期で2回昇級なんですね。C1は勢いを削がれるクラスで、足止めされるうちに他の棋戦で実績が積み重なることが最近は多いので、B2昇級による六段昇段は、かなり久々のことではないかと思います。
藤井君・増田君とライバルを連破しての昇級だから文句なしという感じで見事でした。

ということで波乱なく終わったと言えなくもないのですが、特に近藤ー増田戦は最後までどちらが勝つか分からない大熱戦でした。
リアルタイムで観戦していればさぞ手に汗握ったでしょうが、自分も一生懸命指していたのでこればかりは仕方ない。
自分自身がそういう一番を迎えられるようにしないといけないですね。

またC1(だけ)はあまりにも過去に比べて人数が増えすぎて、名人戦棋譜速報の掲示板などを見てもファンの間でも改善を要望する声が多いようです。
師匠が弟子を頭ハネ、は特別な事象なのでさておき、9-1でも届かないことがたまに起きるのは制度上やむを得ないと思うのですが、これがむしろ当たり前の姿(4期連続で計6人)というのはさすがに問題があると言わざるを得ません。
今後のことは検討課題と言えます。

今期は降級(=2度目の降級点)も5人出ました。
これはおそらく初めてのことではないかと思います。
数年前にB2からC1に5名降級ということがあり、そういえば杉本さんはその中の一人でした。
これまでC1からB2に「戻れる」ことは考えにくかったと思うのですが、これでさらにC1で若手が停滞するようになるという可能性もあります。
もちろん同じことはC2にも言えるかもしれません。

あと、これは今期・C1に限ったことではないですが、降級(点)が決定している棋士が最終日にけっこう白星を挙げているのは目を引きました。
一昨日も書いたのですが、順位戦は順位が大切なのは言うまでもないこと、しかし順位が懸かっているからという理由だけではこんなにも一生懸命指すことに説明がつかないと感じることがあります。
別に何も懸かってなくてもいつも一生懸命指している、それで成り立っている世界だということを、静かに示した一日だったような気がします。

今日はC2の最終日。