負け

双方秒読みになる熱戦の末、手痛い敗戦でした。
はっきり良くなったと感じた場面が二度あり、逆にはっきり悪くなったと感じた場面もありましたが、調べてみるとそこから勝ちまで持っていくのも簡単ではなく、やはり将棋は難しいと改めて痛感しました。

最終盤も難解で、勝つチャンスも十分にあったと思うので本当に残念です。
大阪遠征でこの結果はこたえました。
南先生は自分より20くらい上のベテランですが、形勢が揺れても、終盤になっても姿勢が崩れることがなく、やはりタイトルを取る棋士というのは鍛えが違うと思いました。

これで竜王戦は来期も5組。
勝ちたい気持ちが強すぎるのか、なかなか納得のいく将棋が指せていません。
来期はすこし肩の力を抜いてみようかと思います。

名人戦はとりあえず封じ手の局面だけ見ましたが、難しい将棋ですね。
良いポジションを巡って争っているということは分かりますが、この局面を見せられて「戦型は角換わり」と言われても困ってしまいそうです。

これから帰京します。
来週も対局があるので、気を取り直してまた頑張ります。

本日対局

竜王戦で南九段との対戦です。
若い頃に一度棋聖戦で当たり、すこし前に順位戦で対戦以来で3局目だったと思います。

大阪遠征は前日のうちから自然と対局モードに入っていける感じが好きです。
集中して臨みたいと思います。

今日明日で名人戦第3局、舞台は奈良・興福寺。
将棋駒の出土した地での名人戦開催は棋史にとっても重要な1ページでしょう。

自分のところは中継はありませんが、良い将棋を指したい気持ちはいつもと同じです。
では、行ってきます。

遠征

明日の対局のため、これから大阪に向かいます。
これだけ間隔の短い移動はさすがに珍しいです。
各地でタイトル戦を転戦している羽生竜王や豊島八段らトップ棋士は、これが日常なのかと思うと本当にすごいですね。
おかげさまで最近は自分も盤の前に座ってからの集中力が以前に比べると増していると思うので、遠征はともかく対局が続くように、頑張っていきたいと思います。

 

今期竜王戦の開催地が早くも決定したようです。
第31期竜王戦七番勝負 日程・開催地の発表について

まだ決勝トーナメント進出者もほとんど決まっていないのでかなり早い印象ですが、ファンの方からすれば遠征の予定を立てやすいのでむしろ歓迎かもしれませんね。
調べてみたら昨年よりもさらにひと月半ほど早い発表でした。

また初めてのところが多いなあと思ったらやっぱりその通りで、前期と同じ対局地は第1局(東京)と第6局(鹿児島・指宿)の2か所のみでした。
第7局に新しいところが入っているのはかなり珍しいと思います。
中盤は神社やお城が続いていて、これが最近のトレンドでしょうか(?)。
季節柄、どうか寒くなりませんように。。。

このGWはイベント対局の中継が多かったですね。
中村王座の三間飛車にはびっくりしました。
そして藤井六段は九州でも強かった。
各地に遠征された方もきっと多く、そして楽しんでいただけたのではないでしょうか。

では今日はこのあたりで。
行ってきます。

師弟

祝賀会には今年も非常に多くの方々にお越しいただきました。
一門の末席の一人として、深く感謝申し上げます。
前にも書きましたが七段昇段まであとひと桁勝ですので、なるべく早く達成して来年は主役の一人として壇上に立ちたいと思っています。
できれば昇段だけでなく他にも良い結果を残して、胸を張って行けるようにしたいですね。

昨日帰京して、明日またすぐ対局で大阪に行くのですが、これはGW対応で早めにチケットを確保しているのでやむを得ないところです。
今日は頭を指導モードから戦闘モードに切り替える一日にします。

 

昨日に続いて文春での将棋特集の話。
特集冒頭は森師匠と、藤井六段の師匠である杉本七段による「師匠対談」だったのですがこれもまた興味深いものでした。
「弟子だからって人生に口出すのは難しいね」
という森師匠の一言には、何か電流が走ったような気がしました。

僕は師匠と盤を挟んだことがありません。
おそらくこれからもありません。これは一門の弟子の中でもどちらかと言うと少数派です。
兄弟子たちは公式戦でも対戦の機会があり、逆に弟弟子たちは教室の生徒だった経験のある子が多いからです。
ただ、師匠にはいろいろと教わっていますしむしろ他の弟子たち以上に影響を受けていると思っています。

弟子のカロリーナとは、日頃から教えるということはいままでなかったしプロになったいまはもっとないわけですが、盤を挟んだこと自体はあります。
ただそれよりも、日頃から気にかけていて、気の持ちようとか生活についてアドバイスすることのほうが多いです。
なんとなく、森師匠とも通ずるところがあるような気がします。

ポーランドからやってきた彼女とは、普通の師弟とはまったく違った関係だと思いますが、そもそも師弟関係に「普通」はないので、これはこれで一局と言えます。
弟子の生活の世話をしていて思うことは、つくづく師匠というのは弟子(の成長)に対してしてやれることは驚くほどなくて、しかしたとえば一昨日のように弟子の立場に帰れば、やはり師匠というのはありがたい存在でもあります。
きっと、そういうものなのでしょう。

それにしても杉本七段は活字で読んでも映像で観ても本当に素晴らしい師匠で、藤井君がこんなにもすごい活躍をしているのは良い師匠に恵まれたことも大きかったでしょうね。
素晴らしい結果を残す人というのは、総じて運が良いものです。

僕も師弟関係をはじめとして将棋に関する環境には恵まれたと思っていますし、自分の運を信じています。

よくある質問の答え

昨日も書いた通り、今日は朝の飛行機で帰京予定で、順調なら今頃空の上です。
この記事は予約投稿で、こないだの週刊文春での将棋特集で取材を受けたことで、個人的な補足も含めて思うところを少々書いてみます。
週刊文春に総力特集「人生を変える将棋」が掲載

僕がプロデビューを果たした2004年からしばらくの間、非常によく受けた質問がありました。
たぶん自分の人生で他のどんな問いよりも多く聞かれているだろうし、また自分は世の中の誰よりもこの質問を受けていると思います。

「将棋のプロになるのと、東大に入るのとでは、どちらが難しいですか?」

そもそも比べようのないものであることは大前提でありつつも、まあ、正直なところ答えは明らかでもありました。
ただ当時は若かったですし、幾分の照れや、取材への不慣れ等もあって、あまりキッパリとは答えてこなかった気がします。
ブログもまだやっていなかったですし、自分の言葉で自分の考えを述べる機会もいまより少なかったと思います。

入学と比べるなら、せめて奨励会入会のほうが質問として適切な気がするなあ。ということも当時から思っていました。
ただ数年も経つとこの質問を受けることも少なくなって、はっきりと言うこともないまま気がつけば大学卒業からもう10年あまりが経ちました。

今回、自分の言葉だけでなく優れた後輩二人からも似た見解が寄せられて活字になったので、今後は奨励会試験と比較してもらえたらありがたいかなと思いますね。
繰り返しになりますが比べられないものであることは前提で、個人的にはそれでも奨励会試験のほうがハードルが高いような気がします。

1時間半ほどの対談ではいろいろと興味深い話が聞けて自分にとっても有意義だったのですが、タイトル獲得という結果を出すに至った中村王座・糸谷八段の2人がそろって、奨励会試験を受ける際、当初は親に反対された。と言ったのは驚きました。
それほどまでに厳しい世界であるとこの当時(いまから20年ほど前)には既に見られていたということの表れと言えそうです。

若い頃の選択や行動に関して後悔は特にないですが、この2人と比べるとやっぱり自分は自分に対する厳しさが足りなくて(僕は基本的に自分にも他人にも甘い)、それがいまの地位につながってしまったかな、という思いはあります。
大学に関してももうすこし何をしたいかよく考えたほうが良かったですね。今にして思えば。

ただもちろん得たものも多かったです。
今回の対談は自分自身、過去に経験のない企画で記事も非常に良い仕上がりになっていると思いますので、お読みいただければ幸いです。