テレビと遠征

今朝もまた、同じ時間帯に、同じテレビ番組に出ることになりました。
(「ワイド!スクランブル」朝10時半頃~テレビ朝日)
繰り返しお声がけいただけるのは、嬉しい限りです。
ぜひご覧いただければと思います。

それにしても、普通の情報番組に出演するなどということは、ほんの数日前まで、まったく想像もしませんでした。
どんなきっかけで、どんなご縁があるかというのは本当に分からないものですね。

これからもできる限り、いただいたお話はお引き受けしようと思っています。
藤井四段のことに限らず、将棋界の良いところ、見どころについて、自分なりにお話できることはたくさんあるので、伝え方を考えながら、しっかり務めたいと思います。

明日は大阪で順位戦なので、今日はテレビ出演の足で、そのまま移動します。
簡単ですが、今日はこれだけで。

 

ここ数日のこと

昨日は、たまには、と思ってやや長文で思っていることを書いてみました。
以前から、書きたいと思っていたのですが人は案外、やろうやろうと思っていても、やらないものですね。
他にも、やりたいと思っているけど表に出せずにいることがたくさんあります。
この数年間はあまり自分を出さないように、それとなるべくいろんなものを吸収するようにと心がけてきたので、今後はすこしアウトプットを増やしていけたらと思っています。

金曜日は王位戦の挑戦者決定戦。
弟弟子の澤田君は、残念ながら不出来な内容になってしまいました。
彼がああいう将棋を指すのは、あんまり見た記憶がなく、相手の菅井七段がそれだけ充実していたということなんでしょうね。
菅井君の強気な(本人はそう思っていないと思う)発言と、それを支える日々の努力は、見ていて本当に気持ちが良いものがあります。
面白い七番勝負になりそうです。

A級順位戦は1回戦5局のうちの3局が指され、いずれも現タイトルホルダーが勝ちという結果に。
どの将棋もハイレベルなのは当然として、なかでも羽生三冠の中盤の指し回しには驚きました。
一時は金損だったのに、あれでバランスが取れているか、むしろ指せているという大局観はさすがと言うしかないですね。

昨日の叡王戦、藤井四段がまた連勝を伸ばしました。
内容もいつもながら強いので、もうなんと形容して良いのやら。
感想戦の内容でも周りのプロを感心させるのは、まさに強者の証明です。

次の対局は順位戦で瀬川五段と。
サラリーマンからプロ棋士へ、の瀬川さんは報道陣慣れという点で、連勝中の対戦相手ではたぶん一番でしょう。(※デビュー戦を除く)
過去に経験したのと逆の立場、というのはどういう気持ちなんでしょうか?
いろいろと楽しみな一戦です。

昨日はその藤井四段関連の取材を連盟で受けたあと、夕方から練馬のとある将棋会へ。
そこに森師匠がゲストで来られていたので、お会いしに行ってきました。
世話役のYさんによると、師匠は将棋界で3番目の人気棋士だそうです。
そんな師匠のミニ講演を聞くという、めったにない機会に恵まれました。
どうもありがとうございました。

今日はこれから研修会指導のため、朝早い出発です。
楽しみつつ、厳しく指してきます。

電王戦と名人戦が終わって、いま僕の思うこと

もう遠い昔の出来事のように感じる方も多いのでしょうか。
先日、コンピュータに現役の名人が敗れるという、将棋界にとって歴史的な出来事がありました。
僕はもうだいぶ以前から、もしその日が実際にやってきたときに、名人位というものの権威、あるいは名人戦の価値というものは(もちろん他のタイトルや公式棋戦も)、いささかも揺らぐことはないと、思っていました。
ずっと前からそう考えていて、そしていまも、同じように考えています。
今日は「そのことについてはまた改めて」と書いた、あのとき思ったことを書いてみます。

 

電王戦では、これまで多くの棋士がコンピュータと対戦しました。
しかし、タイトルホルダーの登場はこれまでになく、今回、初めて実現しました。
そして電王戦は、今回が最後です。最後の最後で、名人が舞台に上がったのです。
偶然にしては、あまりによくできた筋書きです。
だから僕は、これは将棋の神様が選んだ歴史なのだと、そういうふうに考えています。

僕自身、2度にわたって5対5の団体戦で担当理事を務め、さらに、新棋戦の立ち上げにも関わりました。
(※新棋戦の叡王戦はさらにその後、今期からタイトル戦に昇格しました。ドワンゴさんには本当に感謝しています。)
そういった立場からすれば、偶然とは、おかしな表現かもしれません。

しかし、実際には思い通りに事が運ぶことなど、めったにないのです。
むしろ現実は、思いがけない出来事の連続でした。
そんな中で、実際に舞台が用意され、対局が行われてきたことは、本当に幸運なことだったと思っています。

対局の結果は偶然はとは言えないと、そういう向きもあるでしょうか。
しかし、タイトルホルダーといえども、いつも勝てるわけではありません。
いま快進撃を続けている藤井四段だって、いつかは負けるはずです。
誰がエントリして、誰が勝つかは、全く分からないところからのスタートでした。

叡王戦の決勝トーナメント、とりわけ準決勝・決勝は、熱戦続きでした。
千田六段や羽生三冠、あるいはほかの棋士が優勝して、コンピュータと対戦することになっていても、おかしくなかったでしょう。
そうなったらなったで、「今回で最後」ということには、変わりなかったはずです。

最後の最後に、結果的に名人が対戦することになって、良かったのかどうか?
僕は、良かったと思っています。
ただこの「良かった」の意味を書き表すことは、なかなかに難しい。
それこそ語りつくせぬほどの思いが、僕にもあります。
でもあえて一言だけ言うならば、将棋の神様が、将棋の歴史をそう決めたのです。間違っているとは思えない。
来たるべき未来が、とても良い形で来てくれたと、将棋界は未来に祝福されたのだと、僕はそう思っています。

電王戦というイベントにおいては、「もしタイトルホルダーが負けたら」という心配と、常に背中合わせの日々でした。
先にも書いた通り、僕は、心配ないと思っていました。
僕と同じ意見の人もたくさんいたし、逆の意見の人もたくさんいました。当たり前のことだと思います。
いずれにせよ、今回、ひとつの結末を迎えました。
そして本当の意味での結果が出るのはまだこれからです。
いま、皆さんの目には、どう見えているでしょうか?
来年の春、来期の名人戦が始まる頃には、どうなっているでしょうか?

 

佐藤名人にとっては、電王戦と並行する形で行われることになった今期の名人戦。
第1局と第2局は、お互いの気合が、ちょっとズレたところでぶつかったような内容と感じました。
第3局以降は、お互い波長が合って、大熱戦が続きました。
とりわけ全国一斉の解説会が行われた第3局が熱戦になったことは、本当に良かったと思います。
個人的には、防衛を決めた第6局が、一番印象に残っています。
見慣れない局面が続く中で、正確な指し手を紡いでいく。
トップ棋士の技術の確かさを示す内容だったと思います。

名人戦を楽しむ媒体もより多様化して、厚みが加わった印象を受けています。
いろいろな形で、いろいろな層のファンが、名人戦を楽しんでくれたことを、実感しています。
ファンがもし、名人位という権威の失墜を感じていたらば、こういう形には、たぶんならなかったでしょう。

これからも、多くの棋士が、この最高峰の場所を目指して、切磋琢磨、研鑽を積んでいきます。
それぞれの棋士が技術と個性を磨き、それをぶつけ合い、その頂点に名人戦という舞台があります。
そうである限り、その価値はいささかも揺らぐことはないと、僕は確信しているのです。

 

 

名人戦など

予期せぬ生放送出演の2日間が終わりました。
昨日は短い時間の中で大盤も使わせていただき、盤面を見てもらえたことは、とてもありがたく思いました。
将棋を楽しむのにいろいろな切り口があるのは当然として、やはり盤面のことも知ってもらえたらと、棋士としては思いますので。

北朝鮮のミサイル発射で、現場は緊迫した様子でした。
まったくもって、世の中で一番大切なことは平和と安全です。
将棋をもっとグローバルにして、世界平和に貢献するぐらいの気概を持たねばと思います。

それにしても、キャスターや出演者の方々は当意即妙ですね。当然とはいえ。
舞台裏にいるとそれがよく分かります。
自分もプロ棋士という肩書を持っている以上、将棋に関してはプロ意識を持つと同時に、異業種のプロの方々にはいつも、敬意を持っています。
プロの仕事ぶりを見るのは気持ちの良いものです。
こちらは素人なので緊張もしましたが、話すことは好きですし、またお声がけいただくことがあれば、しっかり務めたいと思います。

この2日間触れられなかった、名人戦の話題を。
防衛を決めた第6局は、トッププロの技術の高さがよく分かる内容だったと思いました。
ただそれは、我々同業者にとって、という意味です。
このすごさを、どう多くのファンに伝えていくか。それは将棋界の大きな課題ですね。

印象に残ったのがこの場面。

この局面、僕は佐藤名人のほうがさほど良いとは思っていなかったのですがそれは間違い。
ここからの数手で一気に形勢がハッキリしました。
(この後稲葉八段に悪手があったようには思えなかったので、実はもともと差がついていたということになる)

その端緒となったのが、この局面で△5三桂と銀取りに打った手。
角筋を止めて意外な一手ですが、ここからは流れるような手順で佐藤名人が優勢になりました。

自陣に繰り返し桂馬を打って、その桂馬がすべて跳ねるというのは、まるで詰将棋のようで、実戦ではかなり珍しいことです。
ちなみに数えてみたところ、佐藤名人の指し手56手のうち、桂を跳ねる手が3回、桂を打つ手が4回、桂で相手の駒を取る手が6回ありました。
全体の約4分の1の手が桂馬だったということになります。
中原名人もびっくりの桂使いでした。

名人戦全体を通しては、力戦というか、定跡や流行からすこし離れた形が多く、逆説的ですがそれこそがいまの流行かなと思いました。
研究の深化と定跡の整備、情報の共有によって本来的には将棋の序盤は狭苦しく、息苦しくなってくるはずなのですが、実際にいま起きていることはそれとは全く逆で、拡散化の流れが著しいという現状です。
そして、実はそれは何年か前から、予想していた未来でもありました。

今後どうなっていくかは分かりませんが、読みの深さや正確さがより重視される一方で、読みを深めるための材料を収集・分類するという意味においての情報整理能力と、もう一つは空間認識能力が大切になると考えています。
この二人や、あるいは藤井四段のような若く優秀な頭脳に対抗する方法を、自分も考えなくてはと思います。

名人戦決着の翌日から、今期の順位戦が始まりました。
この2か月は比較的対局が少ない時期だったので、これからは紹介したい将棋が多すぎて困る日々がやってきそうです。
昨日はさっそく熱戦ぞろい、200手超えが2局あったりで、観ていてああ今期も始まったんだなあと実感しました。
自分のクラス(C1)は来週火曜日です。
久々の対局になりますが、しっかり調整して臨みたいと思います。

続・テレビ

昨日の今日で、が2回続いて、今朝も昨日と同じ時間帯に、同じ番組に出ることになりました。
ということで、良かったらまた観てください。

昨日に引き続き朝が早いので、盤面の話はまた明日。
三度目はさすがにないと思うので・・(あればいくらでもしゃべりますけど笑)
昨日から今日にかけて、いろんな局にいろんな棋士が招かれて、話をしているようで。
なんだか本当にすごい波が来ているようですね。

将棋界の他の話題まではなかなか話す時間がなさそうですが、今日は盤面のことも多少話せそうなので、すこしでも(将棋を知らない)一般の視聴者に分かるように、言い回しを考えて話したいと思います。

女流王位戦はフルセットに。
終盤はドラマがあったようです。
藤井四段もそうですが、みんな本当にギリギリのところで戦っているので、どうしてもミスは出ます。
最終局も、名局と呼ばれるような熱戦を期待します。

また昨日は新しい順位戦が開幕、今期はB2からのスタートでした。
僕自身は朝からお昼すぎまでテレ朝にいて、そこから連盟に寄り、夕方帰ってきてからはずっと将棋を観ていた気がします。
楽しい一日でした。

今日の中継はA級の三浦ー久保戦と、C2の半分、それに王将戦が1局。
日本将棋連盟モバイル名人戦棋譜速報でお楽しみください。

では、行ってきます。