勝ち

一昨日の対局は、先手番で矢倉対雁木模様。
序盤の何の変哲もなさそうな立ち上がりで、ちょっと面白い手順が現れました。

図から▲5五角△4五歩▲7七角と進展。
最初の▲5五角は、3七への転換を(普通は3手かかるところ)2手で実現しようという狙いで、たまに見かける手です。
次の△4五歩は、その狙いを許さないという手で、こう指されると角交換は避けられません。
が、やや伸びすぎになると見られているためか、実際にこう反発することは少ないイメージです。

対して普通は▲3三角成ですが、あえて▲7七角と引くことで、相手から角交換させて一手得(?)を狙いました。
トータルで見ると、最初の局面から「一手パスする代わりに△4五歩と突かせた」という勘定になっています。
損得は難しいところですが、悪くないと判断しました。

このあとは4五歩を目標に早めに戦いを起こしたのが良く、有利に運ぶことができました。
全体的にもまずまずの内容になったと思うので、良かったです。

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昨日は流行語大賞に「観る将」がランクインしたことが大きな話題となりました。
この言葉が将棋界の枠を越えて広く知られ使われるようになったということは、将棋というものの認知度の面で大きな転換点であると同時に、「かつては」やはり将棋は指すものと思われていた、ということも示しているのだと思います。
今後は「認知の次のステップ」にいかに進んでもらえるかが、普及の観点で重要ではないか、、、といったことを最近よく考えています。

また、新将棋会館のクラウドファンディングが2億円を突破したとのこと。


多くのご支援をいただき、本当に感謝しています。
引き続き、よろしくお願い致します。

達人戦ほか

先週末は第1回達人戦立川立飛杯の本戦と関連イベントが行われました。
観客を入れての公開対局は全国各地を回るJT杯や、準決勝・決勝が例年有楽町で行われる朝日杯などがこれまであったところ、ベスト8からを一気に指すのは初めてのケースと思います。

どの将棋も見ごたえがありましたが、特に決勝戦は圧巻の内容で、本当に手に汗握る大熱戦でした。
現地観戦の方々も、さぞ楽しまれたことと思います。

局後はセルフ表彰式が話題になっていました。
僕も家に帰ってから動画で見て、びっくり、ほっこりしました。
(旧)達人戦ではちょうど10年前にも谷川会長の優勝があり、あのときは青野専務がプレゼンターを務めたことを覚えています。
一人二役でも自然な(?)進行になるというのは初めて知りました。

同じ週末、僕自身は宇都宮へ。
恒例の段位認定大会で、例年より1週後ろ倒しの日程でした。
初めて行ってから、おそらく今年で20回目になるはずです。改めて振り返ってみると、感慨深いものがありました。

今年は女子の参加が例年より多かったように思いました。特に二段戦で女子同士の対局が行われていたのは、かなり珍しいことで、加えて初段戦では女子の全勝者も出ました。
将棋は老若男女人種国籍を問わず楽しめるゲームです。
女子選手が増えれば、それだけ将棋人口全体の増加にも寄与するので、これからも期待したいところです。

移動日に当たる金曜日は、女流名人リーグの最終日でした。
混戦なのと、内山さんの快進撃は知っていましたが、後で陥落のメンバーを見て、改めて驚きました。
3番手以下は本当に戦国時代ですね。誰が次に2強に割って入るか、が当面の関心事でしょう。
挑戦者決定戦の内容と結果には、大いに注目しています。

近況

今月はイベント続きで、怒涛の日々でした。
以前の記憶でも11月はとても忙しかった覚えがあるのですが、普及担当になって改めて実感しました。
来年の秋口は、間違いなく今年以上に忙しくしているはずなので、いまぐらいの時期にホッとしていられるといいなと思います。

まずは仙台でお目にかかった皆様方には、どうもありがとうございました。
おかげさまで大盛況、大成功のうちに終了しました。
実行委員会の皆様方には、本当にお世話になりました。
NHK-Eテレの放映は、12月24日です。

翌週は東京で表彰・感謝の式典が行われました
全国各地で普及活動にご尽力いただいている方々に感謝する、大切な一日です。
盛会で本当に何よりのことでした。ありがとうございました。

今週の日曜日にはJT杯(日本シリーズ)の決勝戦が行われました。
糸谷君はらしさ全開で、惜しい将棋でした。絶対王者の壁は高いですね。
同日開催のテーブルマーク子ども大会に足を運び、大勢の子供たちが一堂に会して盤に向き合う姿を久々に間近で見ることができました。

来年はさらに参加人数を増やしてピーク時の水準に近づいていけるよう、頑張っていきたいと思っています。
少子化に加えて、ここ数年のブランクは非常に大きく、目標達成には並外れた努力と、数年の時がかかりそうな気がしています。

将棋の日

この週末は仙台で「将棋の日」のイベントが行われます。
最近は大きな将棋イベントも増えている中でも、特に伝統的な一大イベントのひとつで、総勢20名もの棋士・女流棋士が参加します。
個人的にも棋士20年目にしてたしか初めての参加になると思うので、とても楽しみにしています。

また翌週は東京・大阪でもイベントが予定されています。
「関西将棋の日」は土日をまたいで総勢15名が出演する、一大イベントのようです。

また東京は駒テラスでイベントを行います。
「将棋の日 in駒テラス」

自分の知る限り、史上最も近い距離での目隠し将棋イベントになるのではないかと思います。
目隠し将棋というのは一種の芸で、見たことある方からは、プロはわりと難なくこなしている印象もあると思うんですが(違うかもしれませんが)、自分の経験で言うと正直かなりプレッシャーもかかり、集中力を要する催しです。
見たことのない方は、ぜひ一度間近で見ていただくことをオススメします。

ところでお城将棋に由来して11月17日が将棋の日、というのはある程度よく知られた話だと思いますが、もし当ブログの読者でまだご存じなかった方は、この機会に覚えて、広めていただけると大変ありがたいです。

では仙台でお会いする皆さまには、よろしくお願いします。