解説とか

今日から名人戦第3局。
将棋会館での名人戦は、あの加藤名人誕生の一局以来とのこと。自分にとっては生まれて間もない頃のことです。
当時、他の対局はどうだったんでしょうね。今日はC2順位戦など他の対局もあり、やりくりがかなり大変だったのではと想像します。

将棋のほうは渡辺三冠が△4四歩と止める選択、これは叡王戦の挑決でもありましたがあのときとは持ち時間や振り駒の有無などの違いがあり、興味深いところです。
豊島名人は午前中から早くも仕掛けており、相変わらず決断が良いですね。
居玉の後手はまとめるのが大変そうで、ここからは一手一手が重くなると思います。

また今日はモバイル中継の局後解説を務めます。
担当は竜王戦の永瀬ー佐藤戦と王座戦の斎藤ー大橋戦の2局。
2局とも角換わり腰掛け銀に進んでいますが、佐藤会長がこんな普通の定跡形を指されているのはかなり意外です。
終局は夜になるでしょう。自分にとっても長い一日になりそうです。

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昨日のB2は、四間飛車が多い1日でした。
内訳はミレニアムが2局にエルモ急戦、銀冠、それに角交換型が1局の計5局。
四間に関する私見ですが、居飛車がいろんな対策を指しているときは、流行の兆しあり、だと思います。
さらに居飛穴が1局もないというのは、平成の時代を生きてきた自分にとってはかなり珍しく感じることで、新時代を思わせます。

一昨日の王位戦挑決の話題、藤井君が「30歳差のタイトル戦」に関して問われたときに「将棋は年齢に関係なく楽しめるのが良いところ」と返したのはいつもながら当意即妙で素晴らしいですね。
対して(?)木村王位の「彼は子供ではない」というコメントも良かったです。
7番勝負がいっそう楽しみになりました。

その藤井七段、中1日だけ休み、周りより1日だけ遅れて今日が順位戦開幕局。
いきなり昇級者同士での激突なんですね。こちらも見逃せません。
忙しい一日になりそうです。

強すぎる

昨日の王位戦挑決、またもすごい将棋でした。
藤井七段、永瀬二冠に2連勝ですか。言葉もないです。
途中は一方的に攻め込まれてどう見てもピンチに思えたのですが、攻めているほうも壁銀+居玉なので大変、ということだったんでしょうね。
と、後からは言えますけど。。。

フィクションみたい、と言っている人が自分の観測範囲では多くて、たしかに現実のこととは思えない気もするし、でも指している将棋の内容がすごいので当然といえば当然の結果にも思えたり。
最年長vs最年少、という構図には大きなニュースバリューもありますし、たしかに奇跡的な巡り合わせという感じがします。

将来の藤井七段について、いつだったか豊島竜王・名人が「これまでの常識では考えられない棋力に達する可能性が高い」という趣旨のことを言っておられたと思うのですが、いま書いていてそれをふと思い出しました。
どういう方法で脳を使うと、あれだけ適切な手を一度にたくさん読むことができるのか、何かが違うのだと思いますが、よくわかりません。

王位戦は早くも来週開幕なんですね。
ただその前に順位戦と棋聖戦第2局があり、注目の対局が続きます。

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それと昨日は西山さんの終盤がお見事でした。あれがぴったり詰むんですねえ。
序盤は苦しかったと思いますが、中盤以降は粘り強く指して、最後に抜き去った感じで本当に強かったと思います。

その他も好カード、好局ぞろいでしたが、中でも郷田ー斎藤戦は昭和の矢倉戦で目を引きました。
平成生まれの新A級棋士が令和の時代にあの将棋を指している、というのは趣深いものがあります。

今日はB2順位戦が開幕。これで全クラス開幕で、明日のC2後半で1回戦はひととおり終了です。
また明日・あさっては名人戦第3局。
名人戦が将棋会館で指されるのはいつ以来なんでしょうか?

桂乱舞

昨日の叡王戦第1局は、夕休明けからしばらく進んだところでよもやの千日手に。
永瀬叡王が優勢という評判もあったようですが、何も知らずに局面だけ見たら大変そうに見えました。
ただその手前あたりは千日手になるとは予想しにくい流れだったので、ちょっと驚きました。

指し直し局は持ち時間1時間(+α)の短期決戦に。


桂の大乱舞、大活躍が印象的な内容で、とても華のある面白い将棋だったと思います。
最後の▲3五桂もきれいな決め手でしたし、終盤入り口あたりの△5四桂に▲4六桂打は特に見事な切り返しでした。
目が眩みそうな局面、連戦や深夜に及ぶ指し直しの疲れもある中で、正確な指し手を紡ぐ技術はさすがの一言です。

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昨日はNHK杯を観たあと、午後はずっと詰将棋の順位戦を解いてました。
毎回のように思うこととして、どれもすごい作品ばかりでABC評価だとほとんどAになってしまいそうな気がするんですが、でも当然ながらちゃんと順位がついて昇降級するんですよね。
ちょっと(?)難しいですが6月と12月の詰パラは特にオススメですよ。
(※追記:↑ABCの3段階評価なのは学校とかで、順位戦は1~5点の5段階だったみたいです。思い込みで書いてしまいました。訂正します。)

ではでは、今週も頑張っていきましょう。

奇跡的な記録がまたひとつ

注目の師弟戦は、弟子の完勝でした。昨日も強かったなー。という感じです。いつものことながら。
夜中の9時半すぎ、80手目まで駒の損得もなければ一度も駒が成っていないという超スローペースで、しかもそこではすでに形勢がついていた、という。
あれだけ時間を使えて考えられるというのはすごいことです。弟子ももちろんすごいですが、師匠もすごい。
序盤は四間飛車から相金無双(厳密には△3二金と上がったので違いましたが)という過去のいろんな常識を無視したような戦型で、興味深い内容でした。

藤井七段は竜王ランキング戦いまだ負けなし、これで6・5・4・3組で優勝ですか。
かなり奇跡的な記録だと思います。
そもそも決勝戦で師弟戦というのも相当な奇跡ですし、いろいろすごすぎて、なんかもう。

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話題の森内チャンネル、僕も見てみましたがまだ告知段階なのに早くも登録者2万人近く、合計再生数10万回越え、さすがにすごいものですね。
つい最近の記事で「先行者利益が少ない世界」「知名度を生かして新規参入」などと書いたのは、我ながらなかなか当たっていた気がします。
とはいえ、まさか永世名人が決めポーズを引っ提げて登場されるとは思いませんでした。世の中いろいろあって面白いですね。

今日から叡王戦7番勝負が開幕、舞台は伊豆。
名人戦と同様、予定より2か月遅れでしたが無事、対局が行われる運びとなり良かったです。
角換わり早繰り銀の戦型から、例によってものすごい勢いで指し手が進んでいます。

今期叡王戦は史上初めて持ち時間1時間でのタイトル戦が指されるということで注目を集めていますが、本局は5時間なのにこのスピ―ド、これが1時間だといったいどうなるんでしょう。気が早いでしょうか。

このブログを書いているいま、開始30分足らずで48手目まで進み、すでに銀桂交換の振り替わりあり、代償に馬ができたところ。
棋譜を見ないで、この文章だけ読んで↑の将棋と比較していただけると、スピード感が伝わるでしょうか?

(※数分後に追記)
その後も1分未満の着手が数手続き、現在10時32分、52手目まで。
どこまで進むんだろう?

名局の一日

名人戦は期待に違わぬ大熱戦になりました。
見立てはある程度正しかったようで、基本的には豊島名人ペースの時間が長かったと思います。
ただ昨日2日目、夜戦に入ってからの渡辺三冠の追い上げは見ごたえがありました。
終局前後の場面を生で見ていたのですが、読み切れない様子や、終局からすこし時間が経ってもなかなか言葉が出てこない感じなど、激闘の余韻が伝わってくるようでした。

本局の結果を受けて、今期名人戦の決着は8月に入ることが決まりました。
両者とも並行して別のタイトル戦もこなしながらの日程で、大変そうですが1局でも多く名局を魅せていただきたいです。

また昨日は他の中継局も熱戦ぞろい。
佐々木大地ー石田戦、▲2三飛成は目にも鮮やかな妙手でした。
終盤は難解でお互いいろいろあったと思いますが、最後両者1分将棋でああいう手が出せるあたりはさすが勝率の高い若手という感じがします。

松尾ー久保戦は飛車をうまく取らせる技が光りました。▲4四銀に△3一飛、この呼吸を見習いたい。
振り飛車党が何度も並べ返したい一局です。
黒田君の局後解説も良かったです。

リコー杯は自動記録(リコー棋録)で初の中継が行われ、無事うまくいったようで良かったです。
前回は記録のみ、今回は棋譜中継のみ、と順調に来ており、次に時間も含めた中継ができれば万全といった感じでしょうか。
引き続き、進捗が楽しみです。
将棋のほうも、こちらもアマチュアの方に参考になりそうな面白い将棋でした。

今日は竜王戦3組決勝、師弟対決が大注目の一戦です。