桂乱舞

昨日の叡王戦第1局は、夕休明けからしばらく進んだところでよもやの千日手に。
永瀬叡王が優勢という評判もあったようですが、何も知らずに局面だけ見たら大変そうに見えました。
ただその手前あたりは千日手になるとは予想しにくい流れだったので、ちょっと驚きました。

指し直し局は持ち時間1時間(+α)の短期決戦に。


桂の大乱舞、大活躍が印象的な内容で、とても華のある面白い将棋だったと思います。
最後の▲3五桂もきれいな決め手でしたし、終盤入り口あたりの△5四桂に▲4六桂打は特に見事な切り返しでした。
目が眩みそうな局面、連戦や深夜に及ぶ指し直しの疲れもある中で、正確な指し手を紡ぐ技術はさすがの一言です。

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昨日はNHK杯を観たあと、午後はずっと詰将棋の順位戦を解いてました。
毎回のように思うこととして、どれもすごい作品ばかりでABC評価だとほとんどAになってしまいそうな気がするんですが、でも当然ながらちゃんと順位がついて昇降級するんですよね。
ちょっと(?)難しいですが6月と12月の詰パラは特にオススメですよ。
(※追記:↑ABCの3段階評価なのは学校とかで、順位戦は1~5点の5段階だったみたいです。思い込みで書いてしまいました。訂正します。)

ではでは、今週も頑張っていきましょう。

奇跡的な記録がまたひとつ

注目の師弟戦は、弟子の完勝でした。昨日も強かったなー。という感じです。いつものことながら。
夜中の9時半すぎ、80手目まで駒の損得もなければ一度も駒が成っていないという超スローペースで、しかもそこではすでに形勢がついていた、という。
あれだけ時間を使えて考えられるというのはすごいことです。弟子ももちろんすごいですが、師匠もすごい。
序盤は四間飛車から相金無双(厳密には△3二金と上がったので違いましたが)という過去のいろんな常識を無視したような戦型で、興味深い内容でした。

藤井七段は竜王ランキング戦いまだ負けなし、これで6・5・4・3組で優勝ですか。
かなり奇跡的な記録だと思います。
そもそも決勝戦で師弟戦というのも相当な奇跡ですし、いろいろすごすぎて、なんかもう。

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話題の森内チャンネル、僕も見てみましたがまだ告知段階なのに早くも登録者2万人近く、合計再生数10万回越え、さすがにすごいものですね。
つい最近の記事で「先行者利益が少ない世界」「知名度を生かして新規参入」などと書いたのは、我ながらなかなか当たっていた気がします。
とはいえ、まさか永世名人が決めポーズを引っ提げて登場されるとは思いませんでした。世の中いろいろあって面白いですね。

今日から叡王戦7番勝負が開幕、舞台は伊豆。
名人戦と同様、予定より2か月遅れでしたが無事、対局が行われる運びとなり良かったです。
角換わり早繰り銀の戦型から、例によってものすごい勢いで指し手が進んでいます。

今期叡王戦は史上初めて持ち時間1時間でのタイトル戦が指されるということで注目を集めていますが、本局は5時間なのにこのスピ―ド、これが1時間だといったいどうなるんでしょう。気が早いでしょうか。

このブログを書いているいま、開始30分足らずで48手目まで進み、すでに銀桂交換の振り替わりあり、代償に馬ができたところ。
棋譜を見ないで、この文章だけ読んで↑の将棋と比較していただけると、スピード感が伝わるでしょうか?

(※数分後に追記)
その後も1分未満の着手が数手続き、現在10時32分、52手目まで。
どこまで進むんだろう?

名局の一日

名人戦は期待に違わぬ大熱戦になりました。
見立てはある程度正しかったようで、基本的には豊島名人ペースの時間が長かったと思います。
ただ昨日2日目、夜戦に入ってからの渡辺三冠の追い上げは見ごたえがありました。
終局前後の場面を生で見ていたのですが、読み切れない様子や、終局からすこし時間が経ってもなかなか言葉が出てこない感じなど、激闘の余韻が伝わってくるようでした。

本局の結果を受けて、今期名人戦の決着は8月に入ることが決まりました。
両者とも並行して別のタイトル戦もこなしながらの日程で、大変そうですが1局でも多く名局を魅せていただきたいです。

また昨日は他の中継局も熱戦ぞろい。
佐々木大地ー石田戦、▲2三飛成は目にも鮮やかな妙手でした。
終盤は難解でお互いいろいろあったと思いますが、最後両者1分将棋でああいう手が出せるあたりはさすが勝率の高い若手という感じがします。

松尾ー久保戦は飛車をうまく取らせる技が光りました。▲4四銀に△3一飛、この呼吸を見習いたい。
振り飛車党が何度も並べ返したい一局です。
黒田君の局後解説も良かったです。

リコー杯は自動記録(リコー棋録)で初の中継が行われ、無事うまくいったようで良かったです。
前回は記録のみ、今回は棋譜中継のみ、と順調に来ており、次に時間も含めた中継ができれば万全といった感じでしょうか。
引き続き、進捗が楽しみです。
将棋のほうも、こちらもアマチュアの方に参考になりそうな面白い将棋でした。

今日は竜王戦3組決勝、師弟対決が大注目の一戦です。

ガイドラインとか

今日から東京都の休業要請が全面解除、また都道府県をまたぐ移動の自粛も全面解除とのこと。
2か月前のことを考えると、いまの状況はかなり良いほうだと思うので、本当に喜ばしいことです。
この社会情勢が続けば良いですし、もちろん続くかは分かりませんが、仮に第2波が来たとしてもなるべく小さく抑えられるように、一人ひとりが日々気をつけつつ、普段通りに過ごすことが大事だと思います。

スポーツもプロ野球が今日から開幕、Jリーグもまもなくということで、いよいよ社会が本格的に動き出すのを実感します。
と考えると、やはりスポーツや文化というのも、暮らしに大切なものなのだという気がしますね。
いま書いていて、羽生永世七冠の「日々の生活の中の片隅に将棋があるというのが良い形」という言葉を思い出しました。

1週間ほど前に、将棋ファン・指導者の方向けに活動の指針のようなものが示されました。
大会・イベント・教室・例会等の運営におけるガイドライン
こうしたガイドラインが出されたのは、とても良いことだと思います。

もちろんこれがすべて、ということではなく、また今後も見直しながら進んでいくものだと思いますが、ぜひご一読ください。
対局に夢中になっていると、いろいろなことを忘れる瞬間が訪れるものですが、まずは会場に向かう前に頭に留めた上で、将棋を楽しんでいただけたらと願います。

僕個人のことでいえば、最後に人前に出たのが2月のとちぎ将棋まつりで、今後もしばらくは機会がないかもしれません。
また社会情勢がいまよりさらに良くなれば、機会もあると思うので、早くその日が来てほしいですね。

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昨日のC2は、今泉ー田中戦が中盤も終盤もいろいろとあって面白い将棋でした。
最後は端に▲9五香打、▲9六飛と連打した手が流れを引き寄せた感じでしょうか。後手にもチャンスがありそうには見えましたがどうだったか。
今泉さんは五段昇段とのこと。おめでとうございます。
たぶん、最年長記録なんでしょうね。

名人戦は相掛かり特有の差し手争いでこってりした進行。
ただ封じ手のすこし前あたりからは基本的に後手ペースと見ていて、今朝の進行を見た感じだとその流れが続いているように見えます。ただ先は長そうです。

今日はそのほか竜王戦の2組決勝が大きな一番。

ストレート

昨日の女流王位戦は、里見さんが勝ってストレート決着。
まさか3局とも同じ戦型になるとは、戦前には予想できませんでした。日程が立て続けになったことも、あるいは関係しているでしょうか。
居飛穴に悩む中飛車党にとっては参考になるシリーズになったことと思います。

それと一昨日は竜王戦6組決勝が大きな一番でした。
この舞台は自分もかつて経験していますが、思い出してみると上位クラスとは違った大勝負感があるような気がします。
高野君は新人王戦優勝など、この1年で実績と注目度を大きく上げた一人になりました。
西山さんを破って登場の星野君も、会社の名を挙げるチャンスでもありましたが残念でした。

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今日・明日は名人戦第2局、舞台は天童。戦型は相掛かりに進んでいます。
将棋の街でのタイトル戦の開催は、将棋界に日常が戻ってきた象徴のような感じもして喜ばしい限りです。

その他、東西の将棋会館ではC2順位戦など、今日も公式戦多数。
少数の公式戦で全局中継されていた一時期に比べると、最近は逆に中継されない対局も増えてきた感がありますが、記者の作業量にも限りがありますし、やむを得ないところでしょうか。

今日もじっくり観戦しようと思います。