12連休?

暦の上ではGWが近づいてきました。
先日小池都知事が「企業は12連休を」と推奨(要請?)してましたが、実際のところ多くの企業はどういう対応なんでしょうね。
東京はすでに在宅勤務になっている会社も多いと思うので、そういうところは、今日明日は普通に仕事なのではと思います。
近所の様子も、普段通りに見えます。ただ、今日は朝から救急車のサイレンが多いのが気になります。

どこにも行けない休み、というのは多くの人にとって不自由なものなのでしょうか。この感覚はちょっと自分のほうが世間とズレすぎていて、分からないところがあります。
我が家も旅行はかなりのウエートを占める趣味の一つなので、出かけられないのは残念ですがそれで極端な不自由を感じることはなく、それなりに楽しく日々を過ごしています。

海外旅行に出かけられるのがいつになるのか、ちょっと想像がつきません。また何年後かには、安心して出かけられると良いのですが。
いまの社会に対する願いは「3密を避けていればある程度普通に行動できる」ところまで、感染が収まってくれることです。
5月6日は、ちょっと厳しそうな気がします。いずれにせよ緊急事態宣言の解除後に、どれだけ接触を抑制できるかによって夏以降の社会が変わってきそうです。

あとは、誰かが陰で誰かを攻撃する、といった良くないニュースが目に飛び込んできて、心を痛めています。
ストレスが他人への攻撃に向いてしまう人を、自分はうまく理解できません。
ただただ、どうかそういうことはやめてほしいです。
他人を攻撃しても、自分を守ることにも、社会を守ることにもつながらない。そういうことのない社会でありたいと願います。

その他の近況、抱えていた原稿が終わったので、最近は詰将棋を解く時間を増やして、たまに自分でも作ったりしています。
twitterを見ていると詰将棋が流れてきて、そこで立ち止まることもしばしば。家にいながらにして天童の街を歩いているような気分です(?)

自信作ができたら、いつかサロンの初入選特集に応募してみたいんですけどね。
その日は遠そうですが、ひとつの目標として持っておきます。

では今日はこのあたりで。

3/3 佐藤秀七段戦

公式戦の振り返りです。
昨年度順位戦の最終局。
先手番で角交換系の向飛車から、5筋で戦いが起こったのに合わせて中飛車に転じてこの局面。

この△4三金右は▲5四飛△同銀▲7一角の筋を防いでいる

ここで▲7一角△8三飛▲5二歩は、良いところに指がいきました。

▲7一角の飛車取りに対して△7二飛は、名人戦棋譜速報の棋譜コメントにもある通り▲5三角成△同金に(1)▲5五銀でも良いですし、(2)▲5四飛△同金▲6三銀と切り込む手も有力です。
本譜の△8三飛に対しても▲5五銀はありますが、それには△6九角の反撃が気になります。
それよりも、裏を取る▲5二歩は感触が良かったです。振り飛車はこの「感触が良い」という感覚が大切だと思います。

対して△4二銀なら▲6二角成があるので、適当な受けもなく△6九角と来ましたが以下▲5一歩成~▲5二と、と進めてわりとあっさり優勢に。途中▲5一歩成のところで△4二金寄と辛抱する手はあったようです。

対局翌日にも書いた通り、この将棋はここから読みが乱れてしまったのが反省点です。特に△5一飛という当たり前の手(68手目)が見えてないままその局面に誘導したのはひどかった。
ただ、後日調べてみるとリードを失うには至ってなかったので、良しとすべきかなと思い直しました。
終盤は自分で不安に思っているよりははっきりと、一手余していたようです。

今年度の順位戦がどうなるか、社会情勢が不安ですがひとまず抽選は終わったとの通知がありました。
近く、公開されるものと思われます。
これからも一局一局、全力を尽くしたいと思います。

価値観の変化

昨日に続いて「コロナによって変わったこと」ですが最近よく思うのは、日本社会において「東京」の価値が変わるんだろうな、ということです。

僕はちょうど20年前に、高校卒業・大学入学のタイミングで東京に出てきました。
当時を振り返ってみると、とにかく東京に行きたいという気持ちは強くありました。
将棋とは関係なく、自分の世代は(広島は地方都市の中ではかなり都会ですが、それでも)東京に出たい、と思っていた人はかなり多かったと思います。
よく知りませんが上の世代でもたぶんそうだったと思うし、その後の世代も、似たような感じではないかと思います。

将棋界では僕のすこし下の世代から、急速に関西棋界が活性化したことは、よく知られています。
いま思えば20年前、その兆しはすでにあったわけですが、自分自身がそれを感じることはできませんでした。
その頃すでにネット将棋も台頭前夜で、あと2年くらい違えば、大阪に出るとか広島に残るといった選択肢もあって、また違った人生だったかもしれません。

社会一般に目を向けるとこの十数年、日本社会は地方創生、地方分権が叫ばれる中で、実際には東京一極集中が続いている印象があります。
とにかく人が多く、そして増え続けています。
それだけの価値が、あるからです。
それがいま、ものすごいリスクになっています。
今後、「東京」の価値が下がる可能性は高いと思っています。

人が集まる、ということをリスクと感じる人が増えれば、当然ながら人の流れが変わります。
ビジネスチャンスを狙う人は、その結果何が起きるか、ということをあれこれと考えているはずです。
特に都心は景色が(いまだけではなく)大きく変わるだろうし、また、そうでなくてはいけないでしょう。

東京以外の中核都市や、観光地なども、価値観が180度変わっています。
これまで、東京とのアクセスが良い、ということは大きな価値でした。そのおかげで、たくさん人が来てくれるからです。
いまや、東京からは人が来ないでほしい、となっています。リスクが高いからです。
東京からお客さんがやってくる、ということを前提とした街づくりがこれから変わっていくのだろうと思います。
それよりもある程度自己完結できる規模、適切な大きさの街づくりが、より大切になってくる気がします。

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現在、多くのスポーツでは(通例とは異なる)無観客試合によって、継続を図る動きが出ています。
個人的には将棋界ももっと生観戦を増やすべきだと以前から思っていました。
ただいまとなっては、幸か不幸かそれが実現していないおかげで、公式戦の継続が可能になっている、という側面があるように思います。
まさかこんなことになるとは思いませんでした。

将棋界唯一の全対局公開棋戦である日本シリーズは、開幕からの3局をスタジオで行うとの発表がありました。
JTプロ公式戦は僕も子供の頃何度も見に行ってましたし、その後行われるようになった子ども大会は、間違いなく将棋普及に一役も二役も買ってきました。
残念ですが、たしかに現状で普段通りの開催は難しそうです。

その他にも、全国大会につながるアマ大会は中止の発表が続いています。
一年休んで、来年は元通り開催する、というのは常識的な発想ですが、他に手はないものか、ということも時折考えています。

つらつらと、思いつくままに書いてみました。

社会の変化

コロナウイルスによって、身の周りも、すこし離れたところも、日本も世界も、いろんなことが一変したと感じています。たぶん、多くの人が同じように感じていると思います。

個人レベルではたとえば、旅行に出かけることは、当面難しくなりました。
いわば鎖国に近いような政策を、いろんな国が採るようになりました。やむを得ないことでしょう。
自分自身ここ数年は毎年どこかには出かけていたわけで、よもやこんな状況になるとは、想像もしませんでした。

社会の話題が一手に集約されることで、世の中が急速に関心を失い、半ばどうでもよくなったこと、というのもたくさんあります。
一方で気がついたら解決していた、とか一気に時計の針が進んでくれた、というものもあります。

前者の代表例としては、たとえばゴーンさん。いま、彼を追いかけているメディアは少ないと思いますが、どうしてるんでしょうか。
たとえば、英語教育や大学入試の問題。方針が定まらず、現場は大混乱しているように(報道からは)見えていましたが、休校となれば、さらにそれどころではありません。
とはいえ現場の苦労は続いているはずで、自分がもしその立場だったらどんな対応をするだろうかと考えたら、、、大変そうです。

後者の例としては、たとえば環境問題。
イタリアの川がきれいになったとか、中国の大気汚染が緩和されたとか、いろんなニュースを目にしています。
あまり詳しくは知らないのですが、これまでいろんな手を打ってもうまくいかなかったのが、劇的に変化したのではないかと思います。

国内ではここ数年の流行語として「働き方改革」がありました。
ようするに全然変われないでいたということだと思いますが、さすがに今回は変わりそうな気がします。
とりあえず要請だけ受け入れて、5月から元通り、とはならないでほしい。というのはいま、一番の関心事です。
どれだけ企業が働き方を改革できるかで、今後の感染拡大のペースにも影響が出ると思うので。

将棋界に目を向けると、昨年来の大きな課題としては、将棋会館移転の問題があります。
たぶん、今はそれどころではない状況という可能性が高いですが、課題としてはかなり大きいはずです。
順位戦制度の問題も、継続審議の状態が続いています。
こちらは内部的なことではありますが、棋士にとってはやはり大きな問題です。
周りが関心の度合いを下げても、当事者からしたらそれも依然として重大な問題、ということは多くて、こういうところが責任ある立場だと特に難しいところではないかと思います。

いまは感染拡大が小康を得ている状態なのが幸いですが、今後状況は良くなるかもしれないし、悪くなるかもしれないし、いずれにせよ目まぐるしく変わる可能性は高いと思います。
その状況を正しく見極めて、適切に判断できるようにしたいものです。

では、今日はこのあたりで。

オンライン指導とか

昨日の記事、残念ながらあまり反応は得られませんでした。
思い当たる原因はいくつかあるのですが、いずれにせよ、web上で(本業以外のことで)何かを呼びかける、というのはなかなか難しいですね。
自分に何ができるか、はまた考えていきたいと思います。

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表題の件、まとめサイトが登場してました。これは便利です。
こういうところが将棋ファンはすごい。ありがたいことですね。

あとスポーチ報知の記事
>講師となる棋士は今後も増える予定。教室では指導対局料(5000円)の一部を新型コロナウイルスへの対応に関わる医療従事者に寄付する意向だ。
とあるのは目を引きました。

いっぽうこの他にも当然指導棋士や、一般の指導者の方々も行っているケースが多々あり、急な流入で現状はやや供給過剰気味の感もあります。
もっともそれ以上にリアルのイベントや教室等が減っている状況なので、リアルからウェブに軸足を移す人が一定数出てくることで、変わってくると思います。
(もちろん全体として将棋ファンが増えること、も大切ですが)

オンライン指導は一度やってみないことには感覚が分からないと思うので、体験された方が、感想とかをどんどんウェブに上げてくださることで、活気づいてくるのではないかと思います。期待したいところです。

昨日に続いて、渡辺三冠のブログからですが5月のNHK杯は2局が再放送と告知されているのですね。
いまのところ、5月7日以降緊急事態宣言が解除される、という前提で今後の予定が立てられている気がするのですが、そうではない場合のプランについても、さまざまな状況に対応できるように準備を進めておかないといけないと思います。
これは将棋界に限らず、社会全体としてもそうだし、また、将棋界ももちろん連盟がそうすべきというだけではなく、棋士個人としても、です。

当然ながらこれはとても難しいことで、いままで通りにやるのに越したことはない、とかそうでないのは組織(連盟・会社・政府etc.)が悪い、といった考えは捨てる必要があると思います。
社会が変わってしまったのだから、それに応じてどうしてもできなくなる(場合によっては不便だったり不自由だったりする)ことを、誰もが受け入れないといけない状況だと思います。

一般論はまた今度にして、表題の指導対局の話に戻ると、どうしてもリアルのときとは指導方法、指導対局の楽しみ方、どちらも変わってくると思います。
ようは棋士のほうもウェブでの良さを活かせるかどうか、ファンの方々がそれを受け入れてくれるかどうか、ということになるのでしょう。

リアルでできないからしょうがなくやる、というのでなくどちらも頑張りましょう、という感じになれば理想だと思いますし、昨今の将棋界の適応力を見ていると、そうなりそうな気がしていて、とても楽しみです。