視聴御礼・クラウドファンディング

昨日は予定通り、朝・日中・夕方と何度かtwitterに解説を上げ、終局後のコメントも送りました。
感想戦取材に代わるものなので、終局後のコメントとしていくつか(10か所くらい?)棋譜の#印で入っている部分が、本来のお仕事です。
ただリアルタイムでその将棋について考える作業は、やはり楽しいですね。
担当した2局とも、こってりした相居飛車で最近の自分はあまり指していない戦型でしたが、これはこれで楽しそうだなと思いました。

今日からもしばらくはこの形式が続きます。
自分自身も、もしまた機会がありましたらよろしくお願いします。

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こないだ渡辺三冠がブログで「種プロジェクト」という旅館の応援サイトを紹介していて、その後すこし記事になったりもしていましたが、この自粛下において何かできないか、と考えている人は(棋士に限らず)多いと思います。
人に会えない、大勢で集まれない、という環境で苦慮している業界は数知れず、中でも個人的には飲食店のことを一番気にかけています。なんといっても身近な存在なので。

1週間ほど前にちきりんさんが、こんなツイートをしていました。


これ、大賛成です。
ということで、自分自身はこの給付金10万円は、飲食店のクラウドファンディングに使おうと思います。

こういうのって、誰かが自分一人でやってもたいした額にはならない(それでも小さなお店にとってはありがたいことだと思います)ですが、こういう声が広がることで、お金の使い方の選択肢として多くの人に認知されていけば、けっこう大きな効果につながる気がします。
いま社会に必要なこと、もちろんいろいろあると思いますが、できる限り人との接触を減らした上でお金を回すこと、これがかなり重要だと思います。

もしご自身や自分の身近な人でクラウドファンディングを集めている、とか、そういう店を知っている、という方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せください。
これについてはあとでtwitterでも呼びかけてみようと思っているので、ご協力いただけるとありがたいです。

では、いったんこのあたりで。

解説とか

今日はモバイル中継

中村修九段ー島朗九段(竜王戦)
村中秀史七段ー三枚堂達也七段(棋王戦)

の2局で、局後解説を担当します。

日中も何度かtwitterのほうで解説を入れる予定です。
ご質問等ありましたらリプでお寄せください。

なお、今日の公式戦対局はその他に2局、いずれも女流名人リーグで中継もあります。
こちらについても場合によっては触れたいと思います。

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自分自身の近況ですが、すこし前のブログでも触れたNHK予選のダイジェスト記事、ようやく書き終えました。
いったいどのくらいの時間をかけたのか、よく分かりません。楽しい仕事でした。

最近は家にいて仕事をしている時間、勉強している時間、情報収集の時間、散歩しながらいろんなことを考えている時間、まあまあメリハリが利いていて良い感じかなと思います。幸い体調も良好で、何よりです。
あとは手荒れ肌荒れに気をつけて、過ごしたいと思います。

今日はモバイル中継をこまめにチェックしつつ、詰将棋を作ります。

2週間

東京などに「緊急事態宣言」が発令されて、明日で2週間です。
もし、十分に人の接触が減っていれば、そろそろ効果が数字になって現れてくる頃です。
休業要請等は発令の数日後からだったので、それをふまえると今週後半くらいからかもしれません。

都心の人出はかなり減っているという報道も多く目にしているので、その効果が現れると良いのですが。
自分の体感でも、今月2日や9日に比べて、17日の対局のときは駅や電車内の人が明らかに減っていました。
今後はGWに行楽地に人が殺到したり、それ以降、せっかく始まったリモートワークが元に戻ったりしないでほしい、ということが目下の願いです。

それと、苦境にある飲食店に対して何かできないか、ということを2月後半頃からずっと考えています。
誰もがそれぞれに「何かできないか」ということは、考えている状態だと思いますが、人に会わずにお金を使う、経済を回すということはけっこう難しいです。
が、今後考えていかないといけないことでもあります。

飲食店がコロナに打ち勝つためのすべて
長いですが、気持ちがひしひしと伝わってくる文章でもあったので、シェアします。
いま考えていることについては、また近いうちに改めて。

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モバイル中継、先週後半の熱戦など。

木曜日はマイナビの第2局がありました。
この将棋は結果が出てブログも目を通してから棋譜を見たので、西山さんの快勝だったのかなと思っていた(実際そうだった)のですが、棋譜を見てみると実に際どい終盤戦でした。
玉頭戦を制する振り飛車の極意で、見事な一手勝ち。もちろんどこかで一手でも間違えたら即、転落するというスリリングな内容でした。
やはり華のある将棋です。

同日、竜王戦の阿部光ー青嶋戦は意表の夕休前決着。これは阿部六段の早指しによるもので、時間を使わずとも正確な指し回しが見事でした。
自分も今期同じトーナメントの下のほうでやはり夕休前に負かされたのですが、何か納得させられてしまう内容でした。

棋王戦の中村太ー高野秀戦は最終盤で▲9七香の絶妙手。
この将棋はそこまでもいろいろ見どころはあるんですが、この一手だけでも再度見る価値があると思います。

金曜日も面白い将棋が多数ありました。

今週は月曜日がお休みで、明日からは普段より対局数は少ないですが毎日公式戦の中継が行われるようです。

では今日はこのへんで。

感想戦とか

昨日は、たぶん初めて、リモートで公式戦の感想戦をしました。長谷部君どうもありがとう。
電話でもメールでもLINEでも、棋士にとってはまったく難しいことではないので、今後は増えるかもしれません。
そもそも観戦記者の方の質問に答えたりとかは普通にメールでやってきているので、自然なことではあります。

ただ局後の感想戦は純粋な検討の他に、勝負の余熱を冷ますような面もあるので、特に詳しく検討したい場面がない(ポイントがはっきりしていてお互い分かっている場合など)にはやらないことも増えてくるのかなと思います。
囲碁界は感想戦という文化は基本的にない、と聞いたこともあり、その違いは不思議ではあるものの、それはそれで一局なのかなという気もします。

あと感想戦といえば、先日棋士同士の練習将棋で、初めて81dojoの感想戦機能を使ってみたのですがあれは便利ですね。
これは文章で説明するより実際に使ってみてもらったほうが早いと思うので、興味のある方はぜひ試してみていただきたいと思います。

モバイル中継で業務のリモート化、という話は前も書きましたが、それなら記者の東西交流もできるなあと思っていたら、やっぱり中の人たちも同じことを考えていたみたいで、このところ何局か東京の対局を大阪の記者の方が中継していました。
これまで越えられなかった壁が簡単に越えられるようになった感じで、まあそこまで大げさな話ではないにせよ、新しい風が入るのは良いことだと思います。

この状態は永遠に続くわけではないとはいえ、当面は大変な状況が続いていき、どんな業界でも否応なく変化させられる部分があるのは事実です。
そういう中で、自分たちから変化していく部分がいまの将棋界にはたくさんあって、そこは本当に素晴らしいことだなと思っています。

今夜は棋士会の公式youtube配信が始まるとか。
まだ1本も動画上がってないのにチャンネル登録が2000人に達していて、期待感の高さがすごいです。

では今日はこのへんで。

勝ち

昨日の対局は、後手番で向飛車。流行の銀冠穴熊に対して角交換を挑んで戦いになりました。
中盤でポンと▲3七角と打たれて、長谷部君が令和新手白書(p64,116など)を読んでくれているのは分かりました。

形勢は難しかったと思いますが、久々に中終盤をうまく指すことができて、勝ち。
1か月ぶりの白星、今年度初白星で、ひとまずホッとしました。

あと、一つのトーナメントで2勝したのは、NHK予選を除くと一昨年度の王位戦・棋王戦以来みたいですね。
なかなか勝てないなとは思ってましたが、そこまででしたか。
枠抜けまではあと2つ、次も頑張ります。

昨日の中継局、竜王戦の松尾ー佐々木戦で千日手指し直しを後日に、という出来事があったそうで。
これは異例のことで、なぜ異例かというと昔からそういう慣例なのと、日程が詰まっている場合に対応できないことがあるからでしょう。
珍しいことなので驚きましたが、それも一局かなと思います。

最近の対局室は換気に努めたり、食事中でも誰も話さなかったりと厳戒態勢は続いていますが、対局を続けられていることは、ひとまず何よりのことです。
来週以降も、(↑のようなことはあっても)何事もないことを、願っています。