オンラインでの動きなど

昨日は弟子から「棋譜つなぎ」が回ってきたので、僕も一手指しました。


棋譜をこのようにまとめて下さっている方がいて、現在はこのあと71手目から▲4五桂△5二金打と進んでいます。
世界は離れていてもつながっている、と実感できる良い企画ですね。

ブログでは告知し損ねてしまったのですがちょうど同じ頃、海外プレイヤー御用達サーバーである81dojoにて、羽生九段の指導対局が行われていました。なかなかない貴重な機会と思います。

棋士もそれぞれが24や81を活用して指導対局や教室などを開くことが増えています。
僕自身も考えていることはあるのですが、たまたま原稿のお仕事を抱えていることもあって、現状は様子見です。
ただ、知人の方はもし興味がありましたら、直接メールやツイッター・FB等でいつでもお声がけください。
こないだは支部例会のお手伝いをしました。ご相談いただければ、直接やり取りさせていただきます。

それと、正直なところ今回のことでは棋士もみんな(定期的な指導会や教室を開いていた方は特に)かなりシビれています。
ファンの方々の側にもぜひご協力いただいて、身近な棋士(女流棋士・指導棋士や指導者等)とオンラインで連絡を取りつつ、ご支援いただけたらと願っています。
よろしくお願い致します。

今週の対局予定を確認すると、公式戦対局のほぼすべてでモバイル中継がついてますね。
おそらく中継業務のリモート化で一局ごとの記者の業務が軽減されたことも影響してそうです。
と言いつつ自分のところはないのですが、観る側にとってはたくさんの将棋が中継されて何よりのことと思います。

最後に記事紹介。たまたま昨日、後輩の記事が2紙で重なってました。珍しい偶然です。
(ひと)谷合広紀さん (朝日)
(うたごころは科学する)将棋指しの胸のうち (日経)

各界の著名人やスターが出る「ひと」欄に出るというのはすごいことです。羨ましい。
日経の記事は、大学院での指導教官の方なのだと思われます。将棋界では師匠はいても、いわゆるコーチや指導者はいません。その点からしてすでに貴重です。

「彼は人の味わえない生みの苦しみと達成感を若くして味わった」という一文は印象に残りました。将棋界の中にいると、25歳三段がこのような評価を受けることは絶対にありません。誰もが通る道だし、若くもないからです。
しかし、外の世界からの客観的な評価はまた別です。彼はもちろん若いし、もしかしたら僕だってまだ若いのかもしれない。そのことを、思い出させてもらいました。

これ以上ないくらいに大変な時期のデビューになりましたが、これから頑張ってもらいたいと思います。

初の週末

緊急事態宣言発令後、初の週末です。
自分自身は、対局と散歩・買い物以外で外出しない生活を続けています。
妻も在宅勤務が本格化し、ひとまずホッとしています。
おかげさまで2人とも健康で、穏やかに過ごしています。

感染者は、依然として増え続けています。
東京・全国ともここ数日は毎日最多記録を更新する勢い。
人々の行動が少なくなっても、それがすぐに反映されるわけではない。ということは理解していても、やはり数字が伸びている現状は、気になってしまいます。
ただこの数字を見て、本当にギリギリのタイミングで宣言が発令された、という意味ではまだ良かったのかなとも思いました。

実際のところ検査自体が簡単なものではない(→おそらく検査数にも限りがある)上に、
「陰性と出ても実際には陽性」という場合もありうるので、
確定した陽性者の数に一喜一憂すべきではなく、危機が続いている、という認識をしっかり持つことが大事だと思います。
この数字が今後伸びなくなるかあるいは下がってくれば、それは喜ばしいことですが、もしそうなっても、そこで気を緩めてはいけないということです。

5月7日以降の東京や、日本全国がどうなるか。
たぶん、もし元通りに行動しようとする人が多いと、今度こそ、詰みます。
そうならないために、どうするべきかということを考えておくことが大事です。
3密を避けた上で、さらにそれ以外も人の接触を最小限にして、その上で日常を過ごし経済活動を回していくためにはどうするか。
これを、いまのうちに考えておかないといけません。

昨日は「どうしても必要な場合でも出勤者を最低7割は減らす」という要請があったそうです。(リンク先は日経の記事)
本当は、7割と言わず9割以上の削減を目指すべきだと思います。
また特に東京の場合、これを5月以降も継続できるかどうかが、一つの鍵になるのではないかと思います。

在宅勤務・リモートワークは、これまでとは大きく環境が変わり難しい面もあるのだと思いますが、いざやってみたらできた、というケースもたくさんありそうです。
きっかけがなければなかなか踏み出せないし、やってみなければ、できるかどうか分かりません。
とりあえずやってみて、
実現・継続のために努力して、
そしてその後も時計の針を戻すことのないよう、
それこそ労使協力して、お客さんも協力して、頑張ってほしいです。

非常事態宣言の先行きはまだ分かりませんが、いま、自分が確信していることは、5月7日以降も、危機は続くということ。
そして、表面的・一時的に危機が去ったり、安心して過ごせるようになったとしても、昨年までと同じ社会には戻れないということ。
そう覚悟した上で、今後の社会がどうなるか考えていかなければいけないし、自分がどう行動するか、考えていかないといけません。

今夜は昨日録画しておいたNHKスペシャルを見ようと思います。

今後の対局についてなど(2)

先日、連盟HPに「緊急事態宣言を受けての対応」というお知らせが出されました。
すでになされている感染防止策に加えて、東西遠征の移動を伴う対局はすべて延期し、各部屋1局ずつのみで日々の対局を継続する、と決まったとのことです。

これに伴い、名人戦に続き叡王戦も七番勝負の開幕延期が発表されました。
普段自分たちの指している予選のずっと先、頂点にタイトル戦の対局があるわけですが、最高の舞台ゆえ多くの人の移動を伴い、結果開催が難しくなるというのは大きなジレンマです。
この社会情勢では、やむを得ないことではあると思います。

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昨日は王位リーグで全勝同士の菅井ー藤井戦があり、棋聖戦に続いて藤井七段の勝ち。
相変わらずの強い内容でした。
上記の方針により、愛知県在住の藤井七段の対局は5月7日以降になるとのこと。
しばらく姿を見せないうちに、またパワーアップするのでしょうか?する場所がもう見当たりませんが。。。でもたぶんするんでしょうね。

その棋聖戦は佐藤天九段が勝ち上がり、これでベスト4が出そろいました。
2局はいずれも東西対決のため、やはり5月7日以降になります。

新人王戦では前週に続き西山さんが長谷部四段に勝ち。強い。
今期の新人王戦は三段がプロを圧倒しており、なんとベスト16にプロ同士のカードは一局しかなく、三段が過半数を占めているようです。これはたぶん過去に例がないのではないかと。
三段が強いのは言うまでもないことで、長くやっていればたまにこういう年があるのも普通なのかもしれませんが、さすがにちょっと驚きです。

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昨日は突然ブログが見られなくなっていたようで、お知らせいただいた方がいたおかげですぐに対応できて、事なきを得ました。
どうもありがとうございました。

これからも更新は続けますので、ご愛顧のほど(?)よろしくお願い致します。

負け

昨日の対局は、角交換系の振り飛車を志向していたのですが、駆け引きの末に普通の四間飛車vs右四間飛車の戦型に。
これは、藤森君にとっては本を出すほどの得意戦法でした。警戒していたのに、忘れてました。

模様は悪いながらもうまくバランスを取れれば難しい、という展開だったと思うのですが実戦はバランスを崩してしまい、敗勢に。
その後は夕休前には投了に追い込まれそうだったのを、粘ってすこし長引かせたものの、結果としては完敗でした。

夕食は注文してなかった上に、夕休までは心地よい天候だったのが、対局が終わって帰ろうとしたところちょうどどしゃぶりに。まったくもってツイてない。
まあしかし、いまの社会情勢を思えばそんなことはたいしたことではないはずだし、それでなくても対局に負けているわけだから他のことはどうでもいいはずなんですよね。
なのにそこで自分はツイてないと落ち込むあたりに、人間らしさを感じました。我ながら、妙な感情です。

竜王戦はこのところ毎年1勝2敗ペースで内容も悪く、1期に2勝することすら珍しいというありさまで、これではクラスが下がってくるのも無理もないところです。
順位戦と比較しても成績が悪いのは何か準備に問題があるのかもしれず、何か浮上のきっかけを探さないといけません。

次の対局は来週の王将戦です。
気を取り直してまた頑張ります。

本日対局

竜王戦の裏街道で藤森五段と。
昨日も書いた通り、将棋界では当面の公式戦対局は継続です。
自分自身も日々の感染防止に最大限務め、心身を整え、対局に臨みます。
良い将棋が指せるよう、全力を尽くします。