本日対局

いつも通り、予約投稿です。

今日は王座戦の対局で、相手は杉本四段。
前局の高野四段に続いての初手合で、楽しみな一戦です。
ちなみにいままでの対戦相手の中で、いちばん棋士番号の大きい(つまり新しい)棋士になります。

久々の枠抜け(予選決勝)の一番でもあり、他にも好カードが多い日にも関わらず、モバイル中継もしていただけるようです。
良い将棋を観ていただけるよう、一生懸命頑張ります。

ちなみに今日の中継は、リコー杯の最終第5局が大一番。
他にA級順位戦、叡王戦本戦、マイナビ本戦がそれぞれ1局。
竜王戦では古森新四段がデビュー戦。
と豪華な一日になっています。

ぜひ、お楽しみください。

昨日もA級・B1など豪華な一日でしたが、その話はまた後日。
では、行ってきます。

12/1 高野四段戦

戦型はゴキゲン中飛車で、▲6五角と打つ将棋でした。
今年のはじめ、王将戦七番勝負などで久々に、しかも続けて現れた形、と書くと思い出される方もいるかもしれません。

その将棋は角打ちに対してどちらも△5三飛(▲5七飛)と引いたのですが、本局ではそれ以前からある△5一飛と角を成らせる手を採用。
もちろん一局指しただけで結論が得られるわけではないのですが、どうなるか分からないからこそ実戦で指してみたいと思っていた形のひとつです。
いまは古い定跡が急に再流行したり、いろんな鉱脈がある時代なので、自分も公式戦の対局を通じて、すこしでも定跡の進歩に貢献できたらと思っています。

ただ勝負を決めるのはやっぱり終盤で、この将棋は中盤を割合うまく指せたおかげで、面白い終盤を戦うことができました。
これからもそういう将棋を指したいものです。

図は▲7二歩!の手筋に対してやむなく△6二銀とかわした場面。
代えて△同銀は▲6二金、△同玉は▲5三桂成で勝てません。
こんな利かしが終盤で入っては、ダメとしたものですがこの局面が案外難しかったのは幸運でした。

実戦はここから▲6三金△4九飛▲6八金と進行。
なかなか迫力のある手順ではないでしょうか。

まず▲6三金に△同銀なら▲7一銀で詰み。
しかしそのタイミングで△4九飛が狙っていた返し技で、▲5八銀の受けには△6三銀▲4九銀△6四銀と駒を取って勝ち。つまり受けに駒は使えません。
また普通に金取りを受ける(たとえば▲7八銀とか)のでは△4七飛成が厳しい。
▲5八玉には△1九飛成が飛車取りかつ詰めろです。

勝ちなのかと思っていたら次の▲6八金にはびっくり。
ここで△7九飛成は詰めろにならないので、攻め方が難しいのですね。
しかしちょっとお目にかかれない受け方です。

このあとは△4七飛成▲5七金打(上がるほうが良かった)△同角成▲同銀△6六歩▲7八玉△4九竜▲6二金△1九竜と進行。
金を合駒に使わせて、延命を図る手順です。
そこで▲2九銀と受ければまだ難しかったようですが、1分将棋で相手がこれを逃して辛勝。

感想戦は終盤を中心にけっこう長くやりましたが、はっきりした結論は出ず。
将棋の終盤が難しいということだけは分かりました。いつものことですが。

ミスや読み抜けもありましたが、競り合いの終盤になり、幸運にも勝つことができて良かったです。
明日の対局は、今日紹介した王座戦の次局になります。
再び良い将棋が指せますように。

 

 

12/5 宮田六段戦

今日と明日で、今月指した2局を振り返っておきます。
まずは残念なほうから。
全棋譜は名人戦棋譜速報で見ることができます。

この将棋の中盤は我ながら会心のさばき、のつもりでしたが形勢は案外ずっと難しく、宮田六段の強さを改めて見せつけられた気がします。
特に中盤で▲6三歩成(59手目)と成り捨てた手はこれぞ手筋、の一着で△同金右なら▲7二角もしくは▲8二角で優勢になります。
△同金左の瞬間は相当な悪形で、先後反転して見ていただければよく分かるのではないかと。

この手に代えて単に▲6五桂は△6四銀▲5三歩△4二金で難しい。
実戦の▲6五桂に△6四銀なら▲4六飛で技が決まるという仕組みです。

しかし数手後の▲4一角で、技が決まっているはずがそうでもないのは誤算でした。
もっと良くなるはずがそうならなかった、というのはときどきあることで、しかし振り返ってみても代案のある指し手は少なく、自分のレベルではこの将棋の敗因は不明です。

それでも自分なりに、こう指したほうが良かったなという後悔があるのは図の局面。
相変わらず左上はひどい駒の残り方をしているのですが、形勢は難しい。

実戦は▲4五竜と逃げたのですが、ここは▲3二竜のほうが良かった気がします。
以下は△3一銀打▲3四竜と進み、実戦との違いは穴熊が堅くなっているか、外堀が堅くなっているか。
微妙なんですが前者のほうが左上の駒を活用するのが大変でした。
何よりわずか数分ですぐ指してしまったことを反省しています。

ただそう指しておけば勝てた、という類の手ではなく、そのあとも難しい将棋が続いたでしょう。
本譜ももちろんこの後もいろいろありました。
勝つチャンスもあったはずですが、相手が強かったです。

自分としては割合うまく指せていると思ったし、実際そうだったと思うので非常に悔しい敗戦になりました。
とても健康的な感情だと思うので、この気持ちをバネに次の対局を頑張りたいと思います。

あれこれ

気をつけます、と書いた昨日の今日で、ちょっとだけですがノドを痛めてしまいました。。。反省。
急に寒くなりましたもんね。
今週は対局以外の予定はないので、家で安静にしようと思います。

それと昨日は、ちょっと練習将棋の出来が良くなかったです。
そういえばこないだもそうでした。

調子、というものがあるのかどうか?はトップ棋士の方々の発言とかを見ていると分からなくなることもあるんですが、自分の体感としては大いにあります。
今週の対局は久々に枠抜けの大きな一番なので、当日までできるだけ将棋に触れる時間を多くして、万全の調子で臨めるようにと思っています。

 

しばらく前の棋譜に関する記事、その後すこしだけ反響があったようで。
どちらかというと急所は前段で、繰り返しになりますが棋士は(というか一般論としても)自分たちの商品の価値を高める努力をすべきでしょう。

後段はいろいろ議論の余地があると思いますが、さしあたりこれ以上深堀りするつもりはありません。
まとまった考えを発信する気が起きたらそのときはまた書きます。
興味のある方はぜひ再読して、さらに興味のある方は自身のご意見を発信していただけたらと思います。

ちなみに千田君とは直接話しました。
彼に悪意がないのは知っているし、弟弟子とわざわざ目につくところで議論するのもどうかと思うので。

リンクはあえて貼りませんが将棋観戦氏の長文記事は面白かったですよ。
タイトルは釣りですがw、中身は本質的だし、もとの素材を広げる方向でいろいろなことを書いてくれていて興味深く読みました。

本質的、という意味で言うと、将棋連盟(あるいは将棋界)の商品は何なのか?(何であるべきなのか?)ということは、棋士になった十数年前からずっと考えています。
言うまでもなくいまは「棋譜」なんですが、他にも対局姿であったり、あるいは棋士そのものであったり、売る(抽象的な表現ですが)べきものはあるはずです。
ここ数年は会長が亡くなったり、辞任したりと体制に急激な変化が起こる中で、全体としては良い方向に進んでいる、けれどまだ道半ば、というのが自分の印象です。

 

第31期竜王戦 野村ホールディングスの特別協賛が決定
ちょっとこれだけでは具体的なことは分かりませんが、明るいニュースであることは間違いないですね。

今年は史上例を見ないほど、将棋界への注目が集まった一年でした。
来年はそれがこういう感じで、具体的な成果につながる一年であってほしいと願っています。

趣味の話

昨日は久々にバックギャモンの四谷例会へ。
名人リーグがスタート、出目が良く、幸先良い立ち上がりでした◎

東京1部リーグは強豪ぞろいで、参加していて楽しいのでこれからもできる限り続けたいですね。
続けていればいつかはタイトル獲得のチャンスもあることでしょう。
年内の例会参加はおそらくこれで終わりですが、来年は日程が許せば地方大会や世界大会にも参戦したいと思っています。

例会後に飲みに行ったのも、いつ以来かというぐらい久々で、メンバーを見ても年下のプレイヤーが増えたなあとしみじみ。
そしてただ若いだけでなく、熱心で強いプレイヤーが増えています。
普及の賜物、成果が出ているのだと思います。喜ばしい限りですね。

それと思うのは、自分よりだいぶ後から覚えた、年上で、強いプレイヤーも増えました。
これは勉強法が確立していることが大きいと思います。
将棋との比較で言うと、大人が強くなるための環境は整っている世界だと思うので、ゲーム慣れしている人なら短期間である程度強くなれるだろうし、そうでなくても時間をかければ必ず上達できます。

逆に言えば、そこは将棋界の側から見て学ぶ点があって、やはりこれからはソフトやアプリなどの新しいツールも交えながらの、上達法の確立が普及の鍵かなと思います。
将棋が強くなるためにはどうしても時間と労力はかかるわけですが(ラクして強くなることはない)、その中でもより良い方法というのは、必ずあるはずなので。

 

年の瀬が迫ってきて、この週末で東京も一気に冷え込んできましたね。
今朝たまたま知りましたが「初氷」だったそうで。どおりで寒いわけだ。

幸い体調は良いので、風邪をひかないように気をつけて、今年の残る2週間も健康で過ごしたいものです。

今日は午後から練習将棋の日。