最近の中継

自分の対局があったのでしばらく触れていませんでした。
ここ数日も好カード、好局ぞろいでしたのでまとめてご紹介したいと思います。
昨日は対局の疲れで完全オフモード、でもそんな日でも将棋観戦だけはしています。
つくづく、いい時代になったものだと思います。

昨日の叡王戦は深浦九段の逆転勝ち。
藤井四段の悔しがり方は、ファンの間でも話題になったみたいですね。
たしかにこれだけ勝ってて一つの負けを悔しがれる闘志はすごい。
内容的にはずっと藤井君が押していたでしょうからね。
勝っても負けてもニュースになる藤井四段、今回は「A級の壁」という言葉が見出しなどに多く使われていて、3月のライオンに出てくる「A級ナメんなよ」の名シーンを思い出しました。

朝日杯は二次予選が全局終了、本戦進出者が決定。
菅井王位は昨日の2局と、その2日前のB1でも中飛車舟囲い(?)を連投して3連勝。
またまた菅井流の新戦法でしょうか。あの独創力は本当にすごいです。

それと朝日杯は21日の佐藤ー中尾戦がすごかったですね。
やはり将棋の終盤は入玉と寄せ、攻めと守り、そして秒読みがからむと特に難しい。

そして、本戦1・2回戦の半分は名古屋での公開対局が行われるそうで。
なんか反則級の超豪華メンバー集結ですね。
これまでタイトル戦以外では、将棋会館以外での対局は稀でしたが、今後はテレビ・ネットでの中継とともに、こうして観ていただく機会が増えていくのが理想でしょう。
もっとも実現はなかなか大変とは思います。警備もきちんとしないといけないでしょうし。

リコー杯は里見さんの逆転防衛。
中飛車からの似た形が続いたシリーズ、第5局の序盤は居飛車がまずまずのワカレに見えましたが、中盤以降の指し回しが見事でした。
全冠制覇がいよいよ現実のものになってきた感があります。
これで年内のタイトル戦はすべて終了となりました。

また順位戦も一昨日のA級、久保ー広瀬戦で年内の対局はすべて終了。
同じ日に対局していたので昨日観たのですが、すごい終盤でした。
この将棋は最後の△5二飛という華麗な決め手がクローズアップされそうな気がしますが、そこに至るまでの組み立て、粘り方が参考になる一局だったように思います。

その前日のB1は谷川ー糸谷戦が特に面白い将棋でした。
糸谷玉は常に旅をしていないといけない運命なんですかね。
ちょっとマネできないし、マネしたいとも思わない豪快な勝ち方でした。

この日は全体的に力戦が多く、棋界全体の傾向を反映している気がしました。
順位戦はこれでB1は糸谷八段が全勝ターン、A級は久保王将と豊島八段が2敗で首位、ということで今期も関西勢の活躍が目立っています。

まだまだあるのですが長くなってきたのでなってきたのでこのあたりで。
今日も叡王戦本戦の中継(放映)があります。
15時からの対局開始は、平日だと家に帰ってから観られるのが良いですし、日曜日だとNHKと重ならないのも利点かもしれませんね。

勝ち

昨日の対局は、中終盤いろいろなことがあった末に深夜10時半頃、はっきり勝ちの局面になったのですがそこからドラマがありました。
面白い将棋ではあったと思うので、モバイル中継をご覧いただけると嬉しいです。

まず135手目、▲5五同歩が波乱の呼び水でした。
王手をうっかりして、ここで一度、軽く血の気が引きました。

ただ局面は、冷静に見ればまだ勝勢。
そこに140手目△7一馬、再び思いもよらぬ手が飛んできてびっくり。

ここで残り3分から、ちゃんと1分使ってるんですよね。
自玉はZに近い・・ことを確認したつもりだったのですが、詰み筋に気づけば▲5四金ととりあえず王手したことでしょう。(実際それが最善で勝ち筋)

△7七銀と打たれて、今度こそ本当に血の気が引きました。
その瞬間、周囲の全ての音が止まったような気がしました。

▲同玉は一番詰みそうなので(実際詰んでいた)、▲同金か▲同桂かを指そうとしていました。
(ちなみに▲同桂は△8九飛▲7七玉△8八銀▲8六玉△7七銀不成という順で詰み)
呆然としながら秒に追われて指したら、なぜか玉が7七に動いていました。
予定と違う手を指した、という経験は、もしかしたらあったかもしれませんが記憶にはないです。

△7七銀に▲同金の変化は、△8九角成▲同玉△6九竜に▲7九金合だと△9八銀!▲同玉△9七飛!という順でぴったり詰みます。
(以下▲同玉△8五桂▲8六玉△7四桂▲7五玉△8四金まで、竜がちょうど6五に利いている)


でも▲7九角合が△9七飛に▲同角を用意して詰まないのでは?と終局後すぐに杉本君に指摘され、なるほどと納得。
これが145手目の感想戦コメントに載っています。
しかしさっき柿木にかけたら以下△9八金▲同玉△7八飛!で8八に合駒をさせて△9七銀で詰み、と指摘されました。
(7九角の利きをさえぎるのがポイント)

また本譜151手目▲7九香合の局面は、△7七桂▲9八玉△8八金▲同玉△8九飛▲9七玉△9九飛成▲9八合△同竜▲同玉△6八竜という筋で、これも難解ながら詰んでいたようです。


両者呆然自失、なので仕方ないですが感想戦で調べて詰みなしと結論づけたのに詰んでいた、というのも珍しいことです。
結論としては、最初の△7七銀の図の時点で詰んでいて、最終的な敗着は152手目の△8八金、ということになるようです。

実戦の結末はこの後、杉本四段が詰みを逃しての逆転勝ち。
いままで何度もトン死負けは経験していますが(今期もやらかした)、相手が詰みを逃して勝ったのは初めてではないかと思います。
いくつかあった詰み筋も、本譜の不詰めも、どれもけっこう奇跡的な順で、本当に驚きました。
ちゃんと毎日詰将棋解いてるんですけどね。実戦の終盤で正しく読んで正しく指すことは難しいです。

ともあれこれで久々の二次予選進出です。
今年は本当に苦しい年でしたが、頑張ってきたご褒美と、もっと頑張りなよという激励を、将棋の神様からいただいたような気がします。
見ての通りで、とても弱い自分ですが、次も一生懸命指したいと思います。

本日対局

いつも通り、予約投稿です。

今日は王座戦の対局で、相手は杉本四段。
前局の高野四段に続いての初手合で、楽しみな一戦です。
ちなみにいままでの対戦相手の中で、いちばん棋士番号の大きい(つまり新しい)棋士になります。

久々の枠抜け(予選決勝)の一番でもあり、他にも好カードが多い日にも関わらず、モバイル中継もしていただけるようです。
良い将棋を観ていただけるよう、一生懸命頑張ります。

ちなみに今日の中継は、リコー杯の最終第5局が大一番。
他にA級順位戦、叡王戦本戦、マイナビ本戦がそれぞれ1局。
竜王戦では古森新四段がデビュー戦。
と豪華な一日になっています。

ぜひ、お楽しみください。

昨日もA級・B1など豪華な一日でしたが、その話はまた後日。
では、行ってきます。

12/1 高野四段戦

戦型はゴキゲン中飛車で、▲6五角と打つ将棋でした。
今年のはじめ、王将戦七番勝負などで久々に、しかも続けて現れた形、と書くと思い出される方もいるかもしれません。

その将棋は角打ちに対してどちらも△5三飛(▲5七飛)と引いたのですが、本局ではそれ以前からある△5一飛と角を成らせる手を採用。
もちろん一局指しただけで結論が得られるわけではないのですが、どうなるか分からないからこそ実戦で指してみたいと思っていた形のひとつです。
いまは古い定跡が急に再流行したり、いろんな鉱脈がある時代なので、自分も公式戦の対局を通じて、すこしでも定跡の進歩に貢献できたらと思っています。

ただ勝負を決めるのはやっぱり終盤で、この将棋は中盤を割合うまく指せたおかげで、面白い終盤を戦うことができました。
これからもそういう将棋を指したいものです。

図は▲7二歩!の手筋に対してやむなく△6二銀とかわした場面。
代えて△同銀は▲6二金、△同玉は▲5三桂成で勝てません。
こんな利かしが終盤で入っては、ダメとしたものですがこの局面が案外難しかったのは幸運でした。

実戦はここから▲6三金△4九飛▲6八金と進行。
なかなか迫力のある手順ではないでしょうか。

まず▲6三金に△同銀なら▲7一銀で詰み。
しかしそのタイミングで△4九飛が狙っていた返し技で、▲5八銀の受けには△6三銀▲4九銀△6四銀と駒を取って勝ち。つまり受けに駒は使えません。
また普通に金取りを受ける(たとえば▲7八銀とか)のでは△4七飛成が厳しい。
▲5八玉には△1九飛成が飛車取りかつ詰めろです。

勝ちなのかと思っていたら次の▲6八金にはびっくり。
ここで△7九飛成は詰めろにならないので、攻め方が難しいのですね。
しかしちょっとお目にかかれない受け方です。

このあとは△4七飛成▲5七金打(上がるほうが良かった)△同角成▲同銀△6六歩▲7八玉△4九竜▲6二金△1九竜と進行。
金を合駒に使わせて、延命を図る手順です。
そこで▲2九銀と受ければまだ難しかったようですが、1分将棋で相手がこれを逃して辛勝。

感想戦は終盤を中心にけっこう長くやりましたが、はっきりした結論は出ず。
将棋の終盤が難しいということだけは分かりました。いつものことですが。

ミスや読み抜けもありましたが、競り合いの終盤になり、幸運にも勝つことができて良かったです。
明日の対局は、今日紹介した王座戦の次局になります。
再び良い将棋が指せますように。

 

 

12/5 宮田六段戦

今日と明日で、今月指した2局を振り返っておきます。
まずは残念なほうから。
全棋譜は名人戦棋譜速報で見ることができます。

この将棋の中盤は我ながら会心のさばき、のつもりでしたが形勢は案外ずっと難しく、宮田六段の強さを改めて見せつけられた気がします。
特に中盤で▲6三歩成(59手目)と成り捨てた手はこれぞ手筋、の一着で△同金右なら▲7二角もしくは▲8二角で優勢になります。
△同金左の瞬間は相当な悪形で、先後反転して見ていただければよく分かるのではないかと。

この手に代えて単に▲6五桂は△6四銀▲5三歩△4二金で難しい。
実戦の▲6五桂に△6四銀なら▲4六飛で技が決まるという仕組みです。

しかし数手後の▲4一角で、技が決まっているはずがそうでもないのは誤算でした。
もっと良くなるはずがそうならなかった、というのはときどきあることで、しかし振り返ってみても代案のある指し手は少なく、自分のレベルではこの将棋の敗因は不明です。

それでも自分なりに、こう指したほうが良かったなという後悔があるのは図の局面。
相変わらず左上はひどい駒の残り方をしているのですが、形勢は難しい。

実戦は▲4五竜と逃げたのですが、ここは▲3二竜のほうが良かった気がします。
以下は△3一銀打▲3四竜と進み、実戦との違いは穴熊が堅くなっているか、外堀が堅くなっているか。
微妙なんですが前者のほうが左上の駒を活用するのが大変でした。
何よりわずか数分ですぐ指してしまったことを反省しています。

ただそう指しておけば勝てた、という類の手ではなく、そのあとも難しい将棋が続いたでしょう。
本譜ももちろんこの後もいろいろありました。
勝つチャンスもあったはずですが、相手が強かったです。

自分としては割合うまく指せていると思ったし、実際そうだったと思うので非常に悔しい敗戦になりました。
とても健康的な感情だと思うので、この気持ちをバネに次の対局を頑張りたいと思います。