昨日の電王戦がどうなったか気になるところですが、現在北海道を旅行中です。
今夜はponanzaの山本一成君が情熱大陸に取り上げられるらしいですね。
録画してあるので帰京後の楽しみです。
彼はこのイベントの申し子と言って良い存在で、ここぞというタイミングでの放映ですね。
松本哲平君と3人で、将棋世界に連載していた頃は、よもやこんなことになるとは思いもしませんでした。
こうやっていろんな形でスターが誕生したことも、本当に良かったと思います。
先日の竜王戦の対局、終盤が非常に面白かったので、予約投稿で2回に分けてご紹介します。
自分が後手番で、前局に続いてゴキゲン中飛車を採用。
図の後手玉は穴熊の名残ではなく、7二にいた玉が8二→9二と追われて、▲9一角成!△同玉▲8三桂成△9二角!というような攻防があってこうなりました。
このあたりのやり取りもなかなか面白かったし、序盤も比較的珍しい形で、最終盤も難解で、全体として良い将棋が指せたと思います。
この局面は数手前からの読み筋で、状況をこんなふうに把握していました。
(1)桂馬は基本的に渡せない。(▲8四桂がある)
(2)でも桂馬以外ならだいたい渡せる。(たとえば飛車を渡しても、まだ詰まない)
(3)自玉(後手玉)に次に詰めろをかけるなら、▲6五馬しかない。
(※)たとえば▲6一角とかは、一枚足りないので詰めろにならない。
以上をふまえて△6六飛!がきれいな妙手、のつもりでした。
▲6五馬を防ぎつつ、次に△6七飛成▲8八玉△6八との必至筋を見ています。
ところがこれは▲6五角!という切り返しがあって勝てないことに気がつきました。
一枚使ってでもこのラインを狙うのが急所で、次に▲7三金と開き王手をかけられたときに、合駒がないのです。
(△8三桂合は▲同香成△同歩▲8四桂で詰み)
重ね打ちは盲点でした。
他に△6七と、という手が浮かんだ人は鋭いです。
▲同玉は△5七飛の王手馬取りなので、▲8八玉と逃げるしかないのですが、そこでもうひと押しがなく、負け筋です。
他に△5六桂という足し算の攻めも有力ながら、▲5五馬と引いた手が詰めろを逃れながらの桂取りで、これも勝てません。
いろいろ考えた末に、実戦は△7七歩と王手。
この手は長考した甲斐あってなかなかの手だったようで、相手も長考に沈むことに。
(明日に続く)