棋聖戦勝ち、負け

先週の棋聖戦は、モバイル中継もありました。

午前は高橋四段との対戦。純粋な初手合でした。
久々の先手中飛車から積極的に動いたのが功を奏し、比較的良い内容で勝てました。
特に中盤の▲4四銀(57手目)は、良いところに手が行きました。
佑二郎君は99年生まれで、たぶん自分が挙げた白星の、最年少記録を更新しました。
次は2000年代生まれからの白星を目指したいところですが、こちらがどれだけ棋力と気力を維持していられるかですね。

午後は炭崎四段との対戦。こちらは初手合どころか、たぶん初対面でした。
高校生と指したのも初めてのような気がします。こちらはもしかしたら、過去にあったかもしれませんが、少なくとも制服姿の少年と公式戦を指すのは、初めてのはずです。

急所の場面としては104手目△7五桂が鋭い手で、この局面は負け。
となると98手目△6九角と打たれたところはすでに負けで、以降の数手は水面下にはずっとある攻防でしたが、本譜のタイミングで飛び込んではいけない手順でした。
さかのぼって91手目▲4一銀が敗着だったということになり、棋譜コメントにもあるように、代えて▲2五歩なら難しい勝負でした。
ミスはありつつも、それなりに力は出せたので結果は仕方ないかなという感じです。

27歳差の対戦はさすがに新鮮で、次に会うときはまったくかなわない可能性が極めて高いし、そもそも最初で最後の対戦になることも普通に考えられるので、なんとか頑張りたかったのですが残念でした。
あとは40歳とか年下の若手に勝つ大ベテランの偉大さが、すこしだけ分かってきました。

将棋は年齢差に関わらず対等に戦えるところが素晴らしいところなので、いつかは引退することになるわけですが、それまでに令和生まれとの対戦も実現すると良いなと思っています。
特に今月はこの後も対局が続くので、気持ちを切らさずにまた頑張ります。

順位戦勝ち、ほか

しばらく放置している間に、季節がすこしずつ動いていました。
テレビ棋戦とか以外で「明日対局」って書かずに対局に行ったのはいつ以来だったのか?すぐには思い出せません。

実は順位戦のあと、軽い風邪を引いており、気力が出なかったのもあります。
コロナでもインフルでもなく、珍しいくらい単なる風邪だったようで、熱が出ることもなくダラダラと1週間くらい続いて、なんというか、面倒でした。
まあ人間だから、風邪を引くこともあるのは仕方ないのですが。

8月は上旬に大阪で順位戦を指し、200手越えの末に負けた(これは書いた)あと、翌週は広島で怪童戦、終わったあとは帰りに大阪に寄って、清麗戦に立ち会ってから帰京しました。

清麗戦が終わってまもなく白玲戦が開幕し、1局目は前夜祭での乾杯挨拶、2局目は指宿に出張し、昨年に続いて大盤解説にもすこしだけ出させてもらいました。
このときはフライトが大幅に遅れるトラブルもありましたが、対局への影響はなかったので幸いでした。

カレンダーを見返してみると東京にいない日がわりと多く、日常の業務もあるので休みが少なく、ちょっと疲れが出たかもしれません。
今月に入ってからはいくつか予定をキャンセルすることになってしまったのですが、丸一日休める日を作れたおかげで、いまは良くなりました。

先月後半の順位戦は、珍しく序中盤をうまく指せて大量リード⇒ミスが続いて逆転⇒相手にもミスが出て再逆転、という内容の辛勝でした。
本当はスンナリ押し切っていればベストでしたが、いずれにせよ一生懸命指すことはできているので、指し分けに戻すことができてひとまず良かったです。

その後の棋聖戦では、2人合わせて同い年くらい、という若者との連戦でした。
そちらはまた週末にでも書きたいと思っています。

この夏は暑さという意味では比較的、過ごしやすかったと思いますが、全国各地で大雨が多く、ニュース映像に驚いてばかりです。
気候変動の影響が今後も続くことは間違いないので、もしものときの行動を考えておくことと、あとは無理をしないように心掛けています。

順位戦負け

先週の大阪対局は、先手番で居飛穴vs四間飛車ミレニアム。
比較的経験の多い戦型ですが、指したのは久々だった気がします。

序盤はややイマイチでしたが中盤で▲1五角(55手目)と打ったところははっきりリード。
ところが夕休前後でうまく指せずに優位をフイにしてしまい、夜戦に入ってからは逆にずっと苦しい将棋になりましたが、そのあとは我ながらよく頑張りました。
特に▲6八金打(119手目)は他にないとはいえ、よく打てたなと。

粘った甲斐あって終盤はチャンスも来ていたと思いますが、つかみきれず惜敗でした。
171手目▲7一成桂に代えて▲7二金△6九歩成(詰めろ)▲9六歩△6四馬(詰めろ)▲8六角という順ならば勝機があったようですが、それ以前から秒読みが続いていた状況でもあり、仕方ないかなという感じです。

棋風的なものがどの程度影響するのかはよく分かりませんが、長手数の経験はおそらく少ないほうで、200手を越えたのは棋士生活20年以上、公式戦を700局以上指してきて、初めてのことです。
まさかこの年になってそんな記録更新があるとは思っておらず、これで勝てればもっと良かったですが、忘れられない対局のひとつにはなりました。

いっぽうで終局はそれでも意外と0時前で、いまのルールで日付が変わることは相当難しいことなんだなと分かりました。
体力的なところは大丈夫だと分かったので、次も全力で指せるよう、気力を保っていきたいです。

ただ星取りとしては再び先手番を落としての黒星先行で、苦しくなりました。
公式戦全体でも苦戦が続いていますが、いつもこれくらい一生懸命指せれば、いずれは上向くと思いたいです。