レビューとか

平成新手白書」発売から数日が経ちました。
おかげさまで売れ行き順調のようです。どうもありがとうございます。
発売当日、担当編集者からはamazonのランキングで1位になりましたよ、と連絡をいただきました。

反響なども時折チェックして、読ませていただいています。
こちらは叡王戦本戦出場者全員へのインタビュー記事を書かれた白鳥さん。

実は全体としての「ストーリー性」は、かなり意識して書いています。
もちろん大変だったのですが、そういう将棋の本は少ないのと、自分なりの個性や持ち味を出せる部分かなと思ったので。
プロの作家の方にこう言っていただけて、頑張った甲斐がありました。

また将棋×ブログ界隈では有名なsuimonさんに、素晴らしい書評を書いていただきました。
片上大輔七段著 「将棋 平成新手白書 居飛車編」レビュー

とても詳細でかつ急所が押えられているので、自分で紹介文を書く必要がなくなりました(笑)
発売直後にこれだけの書評を書けるというのは、本当にすごいなと思いました。

もっとも、どの部分に特に注目して読んでいただくかは、読者によっても違うと思うので、いろんな感想があるかなと思います。
この書評に触れられていない中で、著者からのオススメとしては随所に登場する早繰り銀に関する部分をひとつ挙げておきます。

引き続き、よろしくお願い致します。

羽生善治×AI

今日は本の紹介です。
出ると聞いたときから、かなり期待していたのですが期待以上の一冊でした。
「よくこれだけ書いたなあ」の一言ですね。
個の力が重んじられる、というかほとんどそれがすべての将棋界において、「右腕」的なポジションというのは聞いたことがなく、それだけに前例のない内容になっていました。

10年前に羽生さんが長岡君とVSを始めたらしい、という噂(というか事実)はその当時、すぐに将棋村を駆け巡り、あっという間に有名な話になりました。
それだけ、羽生さんの動向は注目されているという証と言えるでしょう。
僕もそうだし、多くの棋士が少なからず驚いていました。
周りがそうなのだから、長岡君本人がその「1本の電話」にどれほどの衝撃を受けたかは想像に難くありません。
ただ今にして思えば、何事もないようにそんな衝撃的な電話をかける羽生さんの姿は、なんとなく想像がつくような気もします。

本書はタイトルからしても「一人の棋士が近くで見てきた羽生さん」が主題なのだとは思いますが、読んだ感想としては、主役は著者自身のようにも思えました。
AIは、まったくの脇役でしょう。
そもそもトップ以外の棋士が、自伝的に自分のことを語る機会というのは皆無に近いはずです。(例外は瀬川さんと今泉さん)
特に前半は著者自身のことが自分の言葉で語られていて、それは僕にとっても非常に興味深いものだったし、多くの将棋ファンにとってもそうではないかと。
先の電話を受けたときのことや、その理由について推測している部分は、本書のいちばんのハイライトと思います。

逆に羽生さんに関する記述は、同じ棋士から見ると「やっぱりそうなのだな」と思わされる部分が多くなっています。
ただ、それが間近で見た棋士から語られているという点は、やはり説得力を持つし、貴重な証言と言えるでしょう。
羽生ファンの方からすれば、無冠になった今もまったく変わらず、情熱を持って将棋に取り組んでいるんだな、と改めて安心できる一冊でもあると思います。

私自身、研究会を始める前までは、羽生さんが他の棋士とは違う独自の研究方法を実践しているのではないかと考えたこともあった。しかし、いまは「特殊な研究方法を採用しているわけではない」とほぼ断言できる。羽生さんは将棋の神様で、すべての情報に通じており、何もかもお見通しであるというのは幻想で、むしろ羽生さんでも将棋に関してはいまだに分からないことだらけである―それが私の率直な印象である。

私はそのときの感想戦を通じて、羽生さんが将棋というものをいまなお「簡単には理解し得ないもの」と考えていることを改めて痛感した。より正確に言うなら、「将棋とは難しいものである」と考えなければならないと、常に自分を戒めているということである。

朝日杯

藤井七段、またしても衝撃的な優勝、そして衝撃的な強さでした。
いやはや、すごいの一言です。
そして、すごい、の他に言葉がありません。
人は本当にすごいものを目の当たりにすると語彙が貧困になるそうです。

例によって(?)振り駒は2局とも後手番を引き、しかし2局ともおそらく序盤から不利な局面はなく、トップ棋士相手に完勝。
いったいどうやったらこんなに強くなれるのか、ちょっと分かりませんね。

しかも2局とも藤井七段得意の角換わりにはならず。
行方八段の矢倉はともかく、渡辺棋王の先手雁木は明らかに練りに練った変化球で、相当な準備があったはずなのですが。

昨年は準決勝が羽生竜王との公式戦初手合でした。
また決勝は広瀬現竜王との初手合でした。
そして今年の決勝は渡辺棋王との初手合でした。
朝日杯は完全に歴史の舞台になってますね。

それにしてもすごい。以上です。

負け

後手番になり、居飛穴に対し向飛車にシフトして急戦を狙う作戦。
仕掛けのところで妥協した指し方をしてしまい、作戦負けになり、その後粘ったものの順当に押し切られて完敗。
早指しの田村さんにしては、かなり慎重な指し方をされました。

このところ結果が出ないというだけでなく、どうにも内容がついて来なくて苦しいですし、振り飛車に申し訳ない気持ちです。
自分の限界をもうすこし遠くへ押しやれるように、努力を続けたいと思います。

次は来週NHK杯予選がありますが、日程等は書かないでおきます。
その次が月末に棋王戦です。
なんとか巻き返せるように頑張ります。