将棋世界

月の後半近くなり、ちょっと出遅れ感はあるのですが、将棋世界の話題。
できれば出てすぐぐらいで取り上げたいのですが、ニュースが多いのと、そもそも読まないうちからは書けないので、ついついこうなってしまいました。
将棋世界

藤井四段、表紙登場もたぶん最年少記録なんでしょうね。
特集記事で目を引いたのがこの一文。

決め手を与えない粘り方は四段の頃の羽生さんと似ているし、一手勝ちを見切る攻めは谷川さんのようです。普通の新人は1つ特長があれば十分で、プロ生活を送っていくうちに多くの要素を持ち、バランスを取っていくのが自然ですが、藤井君はすでに多くの特長を持ち合わせています。(深浦九段)

なるほどたしかに。

最近、いろんな報道関係の方からよく「藤井さんはいったいどこが強いんですか?」という質問を受けるのですが、正直言っていささか答えに困ります。
とにかくミスが少なくて正確、とか弱点がない、とかではちょっとインパクトに欠ける、でもそれに尽きるんですよね。
あとは、尋常でない集中力と、勝負への強い気持ちは見ていて感じます。

僕が好きな大山先生の名言に「長所は短所につながる」というのがあって、つまりここが強い、と言われるのは裏を返せば他のところが弱い、という意味でもあると。
そういう意味でも、「多くの特長を持ち合わせている」という表現は、なるほどと思いますね。

雑誌の話に戻って、そのほかの見どころを一言でまとめると、「斎藤七段、料理を語る」でしょうか。
あんなにいい男でタイトル戦にも出るような棋士が料理もできるとか、まったくもって隙がない。

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昨日の記事では触れませんでしたが、朝日杯は全体ではプロの9-1という結果でした。
今回のアマ側は例年以上に経験・実績の豊富なメンバーがそろった中でのこの結果なので、プロ側が実力を見せたという印象が強いです。
最近、順位戦の開幕戦などでも熱戦が多いように感じますし、プロも藤井四段フィーバーの中で、皆いっそう気合が入っているということではと思いました。
僕自身も、一局一局、一生懸命頑張りたいと思います。

全10局の中で、特に印象に残ったのはやはり持将棋にもつれた佐々木ー小山戦と、あとは井出ー鈴木戦、西田ー稲葉戦など。
個性豊かな将棋が多く、面白い一日だったと思いました。
昨日も加古川青流戦が行われていましたし、土日もこうやって中継があるのはやはり良いですね。

その青流戦は、1局目はまたも雁木風味の駒組みが登場。
進んでみると雁木+右玉vs右四間+左美濃、という珍しい対抗になっていました。
この4つの型はいずれも矢倉の支流で、僕が子どもの頃はがっぷり4つの相矢倉がプロの土俵であるのに対し、こうした支流はアマ強豪の土俵、というイメージがありました。
いまはもちろん、全然そんなことはなくて、最近はいろんな意味で、将棋に垣根がなくなってきたなと感じさせられます。

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