昨日も書きましたが神谷ー増田戦は劇的な幕切れでした。
最後の詰みの場面、部分的にはこんな形に似ているのですが
これはプロなら文字通り見た瞬間に詰まします。
なぜなら詰むということを「知っている」し、しかも相手の応手に変化の余地がないからです。
※▲1三香△同桂▲2二金△同銀▲同角成△同玉▲3三銀△1二玉▲2一銀△同玉▲3二金△1二玉▲2二金まで13手詰。
13手というのは慣れていない人にとってはかなり長く感じると思いますが「筋」さえ知っていれば難しくありません。
そして、こういう「詰む形」をたくさん知識として持つことは上達につながります。
ところがこれがほんのすこしだけ変わって、この図になるともう簡単にはいきません。
なぜなら詰むこともあれば詰まないこともあるので、きちんと読まないといけからです。
あとこれが詰むのは実戦ならではで、(合駒に制限のない)詰将棋の収束だとこういう図にはならないという事情もあります。
※▲1四香に桂か香の合駒がある、もしくは1五歩がいなくて歩合が利くと詰まない。
実戦のように飛・角・金・銀の高い駒にしか持ち合わせがない場合は↑の図に合流して詰む。
プロの対局でも秒読みにまつわるドラマは数多くあり、そういうときに限らず棋譜を並べたら自分ならどうしただろうかと考えるわけですが、当然ながら本局でも間違いなく詰ましたと言い切る自信はありません。
それぐらい実戦の終盤は難しいもので、こうやって切り取って一部分にフォーカスすれば簡単そうに見えても、時間や労力の制約の中で正しく指すのは大変なことです。
そういうわけで、日頃から「この形は詰むか詰まないか」「この形がどう変化したら(配置や持駒など)詰むようになるか」と考えて訓練しておくことも、上達につながると思います。
ということで(?)この筋で1問作ってみました。19手詰です。
これが詰将棋と呼べる代物なのかどうかは僕には判断がつきませんが、そんなに長い詰将棋は解いたことがない、という人には自信をつけてもらえるのではないかと思います。
同一作があったらすみません。
詰む、と言われれば詰ますけれど、言われないと気づかない、ということはプロでもよくあります。
(ちなみに、コンピュータもそういうことはある)
逆説的に、トップ棋士は勝ちだと解説されている場面からいつもちゃんと勝つけれどそれは決して簡単なことではない、ということも言えるのではないかと思います。
「仮に詰むなら」飛車を切るしかないので、疑心暗鬼でも着手してしまえば、各1分ずつ考慮できるので、プロなら早々に読み切れそう、(だからこそ、くやしさもひとしお)という印象でしたが、合っていますでしょうか。
その上で、深夜の自玉が絶体絶命の極限状態では、「仮に詰むなら」と思うこと自体が難しい、ということなのかなと思っていました。
たしかに、そういう感じかなと思います。
片上先生に同感です。
天が、増田5段に、藤井6段を追い、藤井6段に立ちふさがれ、まだ勝負はこれからだと言っているのだと思います。
(それはそれで過酷な運命かもしれませんが)
増田5段は恐縮なんかせずに、むしろ天佑指運を確信して来期も傲慢に行って欲しいです。
とは言え、C1昇級者同士は1年目当たらないかと思いますが…