出張中につき、予約投稿1本入れます。
こないだのエントリと同じく、先週中継された好局をご紹介。
先週は竜王戦の対局が多く、他にも持ち時間の長い将棋が多い1週間でした。
26日木曜日、飯塚ー千葉(竜王)戦は比較的穏やかな矢倉戦。
お互いが矢倉に囲っているというだけで、なんだか珍しい感じがする昨今です。
かつてはこういう将棋を盤に並べて勉強したものですが、いまはどうなんでしょうね。
こういう戦いは必ず1手違いの終盤になるので、上達にはうってつけだと思います。
最後の詰みが鮮やかでした。
24日火曜日は藤井ー大石(棋王)戦の他では、八代ー佐々木(竜王)戦と青嶋ー都成(王座)戦が面白かったです。
前者は角交換振り飛車で、プロ的には中盤のお互いの指し手がとても参考になる将棋でした。
終盤は余して勝つ振り飛車の勝ちパターンで、ああいうのは形勢は居飛車が良くても勝つのは大変なんですよね。
後者は相居飛車の流行形、いわゆる力戦。王座戦の本戦開幕局でもあったようです。
ちょうどハイライト(とそのときは思った)を電車でリアルタイムで観戦していて、読んでみるとなかなか面白くて気がついたら最寄り駅でした。
この局面、▲6六同歩だと△5六馬▲7九玉△7八銀▲同金△同馬▲同玉△6九銀▲同玉△5八成香・・と進んで頭金×2の形になって詰みます。
▲7九玉でも△7八銀▲同金△同桂成▲同玉△6九銀で、やはり同じことになります。
ということで▲同馬△4三金まで必然で、そこで▲3二飛成の詰み筋がない、というのがこの桂捨ての意味。
こうなると大変そうなので先手が(この局面の手前で)回避するのかなと思ったのですがそれも難しかったようで、実際に△4三金まで進んで以下も延々と面白い終盤が続きました。
ただこのあとの青嶋五段の指し回しが的確で、結果としては終始先手が押し切った一局だったと思います。
23日月曜日は稲葉ー広瀬(竜王)戦がすごい終盤でした。
ついこないだも思ったばかりなんですが、両者風前の灯みたいな玉が全然寄らないので驚かされます。
特に77手目▲4九金打~81手目▲5八桂の粘りには感心しました。
終わりそうで終わらないのが将棋というゲームなのですね。
この将棋は形勢自体は難解か揺れていたはずですが、それがいつ、どこでなのか観戦していてよく分からない好局でした。
金曜も好カードあり、土曜は叡王戦第2局でしたがそれらはまた帰京後に。