9/14 永瀬七段戦

棋王戦ベスト8入りを懸けた一番でした。

対局翌日に妙手の出た場面を書きましたので、その後振り返ってみて形勢の分かれ目となったと思われる場面をひとつ。

図は中盤の難所、長考40分余で3二の玉を2二に遠ざけた場面。
この手は後手の狙い筋である△5五銀に対して▲6五馬とかわしたときに、馬のラインに玉が入ってくる(以下△4三金なら▲5五飛△同歩▲4四銀のような攻めがある)のを避けた意味があります。

ここから実戦は▲4六馬△5五銀▲同飛!△同歩▲5四銀と進みました。
指している当人としては棋譜コメントのニュアンスとは違って、形勢が良いとは思っていなかったのですが、結果としては思い切って踏み込めたのが功を奏しました。

飛を切ってしまうので決断を要したものの、手順自体は一番自然なので、これでさばけなかったら仕方ない、という思いもありました。
こういう感覚を大事にしたいと思います。

ただ、その次の△4四飛打!には本当にびっくりしました。
もっともびっくりしたのは自分だけで、ソフトもこの手を示すようですね。いやはや。
こういういろんな手に出会えることが将棋の面白いところで、そう思える精神状態を、大切にしたいものです。

戻って図の△2二玉では△5五角と打たれる手を警戒していて、実際有力だったように思います。
実戦の▲4六馬のタイミングで△5五角と打つほうが自然なのですが、それには▲4七歩がぴったりです。
このあたりの変化がこちらに都合良くできていて、終盤も以前書いた通りで、勝ち運がありました。

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