新竜王

昨日は出演を終えたあと、午後はずっと自宅で竜王戦を観戦していました。
よくわからない難解な展開がずっと続いていて、自分の目には挑戦者のペースに見えている時間が長く、しかし逆の見解が書かれている場面も多くありました。

▲3五銀(117手目)と打ったあたりで先手が抜け出したのかなと思ったのですが、感想戦コメントによるとそこで△4三金なら難しかったとのこと。
この時点で一局の平均手数に達しているわけで、いかに難しい将棋だったかが分かります。

今期の竜王戦を振り返ってみて気が付いたのですが、第6局まで手数の長い3局を羽生竜王が取り、短い3局を広瀬八段が取っていたのですね。
第7局はそのどれよりも長い対局(167手)になりました。羽生竜王としても、特に力を振り絞った一局になったと想像します。

広瀬竜王といえば初タイトルの王位のイメージが強いですが、あれはもう8年も前のことになるのですね。
あのとき、初タイトル獲得を決めた一局も、161手の長手数でした。
また今期竜王戦では、挑決第2局の二転三転した将棋を、231手の長手数で制したのが特に大きかったような気がします。
やはり将棋は情念のゲームなんだな、と改めて思いました。
新竜王、おめでとうございます。

今年ももうすぐ終わりますが、8つのタイトル戦のうち後半の4つはすべてフルセットになり、すべてタイトルが移動したことになります。
昨年は将棋界にとって大ニュース続きでしたが、今年も負けていないような、激動の年になりましたね。

羽生さんの国民栄誉賞に始まり、8冠を8人で分け合う時期を経て、羽生さんの無冠で終わるとは、誰が一年前に想像できたでしょうか。
あと、下関で七冠になり、下関で無冠になる、というのも歴史の不思議を感じます。

他人事で語ってばかりいてはいけないとも思うものの、素晴らしい将棋を見せていただいて感動する気持ちや、歴史に立ち会える喜びは人並み以上です。
これからも楽しく将棋に向き合っていきたいと思います。

(追記)
中継ブログに会見の内容が掲載されていました。

こういったときに結果を出す人が勝ち残っていく世界だと思う

最後まであきらめてはいけないというのは当たり前のことなんですが、その原点を意識したのがよかった

といったところが印象に残りました。
「鷹揚」という言葉はたしかに新竜王にピッタリで、しかし同時に勝負への執念もはっきりと見て取れた名シリーズでした。

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