15時からの予選決勝は、中田宏樹八段との対戦になりました。
後手番になり、ゴキゲン中飛車vs超速の定跡形から、ありそうでない展開に。
早指しなので前例との違いをゆっくり考えている時間はなく、結果的にはそれが良い決断につながったかもしれません。
図は▲5六歩と角取りに打った手に対し、(4二から)△3三銀と飛車取りで切り返した場面。いわゆる勝負手でした。
この手に代えて△1九角成は2二のヒモが切れてしまいますし、△5六同飛は▲6五角が気になります。
これだけでも相当激しいですが、実戦はここから▲2二飛成△7七角成▲同銀△同飛成▲同玉△2二銀、とすごい振り替わりになりました。
図では▲3三同銀成△同角▲2八飛、という穏やかな対応もあり有力でしたが、プロの第一感はこう踏み込みたくなるところだと思います。
実際、駒割りを整理すると角金vs銀桂なのでさすがに自信なかったですが、玉形の乱れも大きく、けっこう難しい形勢だったようです。
実戦はそこで相手が秒読みに突入したことが大きく、結果的に短手数での勝利。
持ち時間が長ければ、あるいは早指しであってももうすこし考えていれば、かえって踏み込めなくなっていたかもしれず、まったくもって幸運な結果でした。
ちなみに、本戦の対局日はまだすこし先ですが、すでに決まっています。
放映日は公開されているのに気づいたら、こちらでもお知らせしたいと思います。
久々の本戦に心躍りますが、もちろんここからがより大事なので、一つでも多く、良い将棋を観ていただけるよう頑張ります。