昨日は羽生九段が王座戦で勝ち、「1432勝」がニュースになっていました。
大山先生の記録に並び、追い抜くときにはもちろん話題を呼ぶと思っていましたが「あと一歩と迫った」がこうやって記事になるとは、やや意表を突かれました。
それだけ将棋の話題が、需要があると見られている証ではないかと思います。
いっぽう「次は藤井七段と当たるかもしれない」は注目ポイントではなかったようですね。いざ当たったらそれもまた話題にはなると思いますが。
羽生九段の次の対局はあさっての王位リーグ最終日とのこと、記録達成は時間の問題とはいえここで谷川先生がいったん阻止したら、それはそれでまた話題になりそうですね。
そして記録以上に、将棋の内容がすごかった。
夕方の局面では金損ではっきり不利に見えたのですが、そうでもなかったのでしょうか。あの切り合いで行けると見た大局観はすごいの一言です。
右玉で飛車先を突破されても指せている、といえばあの有名なパリでの竜王戦が思い浮かびます。
局面の雰囲気はだいぶ違えど、本局もまた、自分にとって驚きの踏み込みでした。
そして最後は1分将棋の詰むや詰まざるや、つい最近王位リーグでも似たようなことがありました。相変わらずの終盤力です。
戦型はいろいろで、早い時間から激しく切り結びながら最後にこうやって競り勝つ、というのはまさに「名人芸」だなあと、表題の言葉が浮かびました。
名人、といえば豊島新名人も昨日は対局で、竜王戦で勝ち。
こちらはじっくりした将棋で、いわゆる「難易度の高い将棋」だったのではないかと思いました。
ジャンルとしては角換わりなのか、相掛かりなのか、居飛車なのか振り飛車なのか。垣根を越えまくってましたね。
他の2局も含め、昨日の中継はどの将棋も大熱戦で、大いに堪能した一日でした。