押し引き

昨日の女流王位戦第3局は素晴らしい大熱戦でした。
序盤から終盤まで見ごたえある応酬がたくさんあり、勝負所になった場面も一つではなく、いくつかあったと思います。
最後に中段で里見さんがしのいだのは、いかにも対抗形らしく、振り飛車の良いところが出たと感じました。
渡部さんと里見さんはこれまでにも熱戦が多く、これは女流王位戦の4時間という長い持ち時間に加えて、比較的波長が合う2人なのかもしれません。

また昨日は清麗戦の頼本ー中澤戦もかなりの好局でした。
頼本さんはこれまで本戦入りもそれほどなかったはずで、ベスト4は初めてと思うので見事な快進撃です。
実は小さいとき教室に通ってくれていた縁があり、教え子の活躍は嬉しいものですね。

ヒューリック杯清麗戦の棋戦表を見るとまもなく予選が終了という状況で、中村真梨花さんが全勝で予選通過したほか、残り2枠が里見ー伊藤戦と甲斐ー脇田戦の勝者になるようですね。
タイトルホルダーや経験者が姿を消す中で勝ち残っている頼本さんや中澤さん・脇田さんの健闘は見事と思います。
2敗失格というあまり例のない方式の第1回なので、状況を分かりやすくフォローするような表や記事があれば良いかなと思います。
たぶん今回に関しては参加人数が64人にかなり近いので、結果的には通常のトーナメント戦+敗者トーナメントを行っているのとほぼ同じ、でしょうか。

昭和の時代に指されていた急戦形(elmo囲い、という呼び名が僕は好きではないのですが他に良い名前はないものか)が見直されるようになった影響で、↑で挙げた2局のような中盤(駒組みの終わり~仕掛けの前後あたり)で押し引きのある将棋が、最近女流棋戦でも増えてきました。
女流のレベルアップが言われて久しいですがそれは終盤の鋭さが増したり、得意形に磨きをかけて研究を深めていたりという印象はあっても、こういう押し引きのある将棋はいままで少なかったと思うので、今後こういう将棋も増えてくればさらなるレベルアップにつながりそうな気がします。

今日は羽生九段の最多勝新記録なるか、竜王戦が大注目の一戦ですね。

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