振り駒で後手番になり、ゴキゲン中飛車を採用。
相手は7八金型で、自分にとっては森下九段戦に続いてのことでした。
これはもちろん全くの偶然とは思いますが、棋士になって15年ほどで、一度も出会ったことのなかった作戦に立て続けに出会うというのは不思議なものです。
もっともこの本局は前の将棋とは全然違って、超急戦の激しい戦いになりました。
これは図の△4四歩が発端です。
もしここで▲2四歩以外の手を指せば、△3三角で飛先を受けて一局の将棋です。
気合からいっても▲2四歩の一手ですが、以下△同歩▲同飛に△4五歩▲同歩△8八角成▲同銀△2二飛と進むと大決戦です。
実戦もそのように進み、▲2三歩△4二飛から4筋で飛車を活用してさばくことができました。
振り飛車はやや無理をして動いていますが、居飛車の玉も不安定なので実戦的にはそれなりにいい勝負です。
こういう早い戦いになると、一段玉と二段金が飛車交換に弱い(7八金と6九玉が逆なら良い形)からこそ成立する仕掛けで、△4四歩という手も部分的には過去に指されたこともあります。
以下の指し手も100点にはほど遠く、ミスもありましたが勢いのある指し手を続けられたことは良かったです。
あと、実は小林先生にはまだ新人のときに銀河戦予選で負かされたことがあったので、リベンジすることができて良かったです。