昨日の続きです。
今日のテーマはこちらの図。
ぜひ、昨日の図と見比べてみていただきたいのですが、私見ではこの布陣がもっとも手ごわいのではないかと思います。
ここから同じように攻めるとどうなるでしょうか。
▲1四歩△同歩▲1二歩△7四歩▲1四銀△1三歩▲2三銀成
これは△2三同金と取られて大失敗です。
だいたいの子が直前で急に気づいて▲2五銀と引き返すことになりますが、うっかり突っ込んでしまう子も意外に多い印象です。
この構えに対しては、▲2三銀成の定跡は通用しません。
そもそも2三の地点はたくさん利いていて守りやすいのに、そこに突っ込んでいくというのは将棋のセオリーに反している気がします。
ではどうするか、ですが最初の図に戻って、たとえば▲1七香△7四歩▲1八飛と雀刺しの形を作る手は有力だと思います。
次は▲1四歩△同歩▲同銀△1三歩▲同銀成△同桂▲同香成△同銀▲同飛成、と突破することができます。
符号で書くとやや長いですが、この手順がイメージできるようになることで、先に進めるようになるのでここは頑張りどころです。
もしこの局面で上手が△2四歩と来ても、構わず▲1四歩と突きます。これ重要。
(1)△同歩は▲同銀でさっきと同じ。
(2)△2五歩▲1三歩成も、一瞬は先に銀を取られますが、しばらく進むとだいたい同じになります。考えてみましょう。
将棋の攻めの基本はあくまでも「数の攻め」です。
数が勝っていれば突破できるし、そうでなければ攻めがうまくいきません。
棒銀+雀刺しはかなり強力な攻めと言えます。
では最後に図面をもう一つ。
ここから▲1四歩△同歩▲1二歩△7四歩▲1四銀△1三歩、と進めた局面を、昨日の冒頭で載せました。
つまりこの局面は有名な定跡の入り口ということになります。
上の図で紹介した▲1七香~▲1八飛の雀刺しは、この図でもかなり有力だと思うのですが、自分の経験上そう指されることはめったにありません。
それだけ▲2三銀成と捨てる定跡が有名なのでしょう。
もちろん定跡よりも▲1七香のほうが優れているということではなく、どちらでも(あるいは他の攻め方でも)正しく指せば下手が勝てると思います。
ただ定跡を覚える際にも、数の攻め、の原則もしっかり押さえておいたほうが、上達がスムーズなのではないかとは思っています。
なお上手は紹介した他にも4三金と3二玉が逆だったり、7二金の位置など多少のバリエーションはありますが、基本的な攻めの考え方に変わりはありません。
何かご質問がありましたらコメントや質問箱等でいただければお返事したいと思います。
上手の2二銀、3ニ玉、3三金の形は灘蓮照九段が四枚落ちで得意にした形ですね。
「わしの両桂に勝てれば四段や」と言って実際二段クラスの下手は負かされていました。
下手の戦法はほとんど棒銀で、確かに上手の有力な対策なのでしょう。
また上手4三歩、4四銀の形を作って5五歩と角道を止めていました。下手「角落ち」だと尚更勝ちにくいようでした。
それは知りませんでした。三段と4枚落ちではさすがに厳しい気はしますが。
ただ灘先生といえばたしか上手の名手で「8枚落ちで棒銀が受かる」ことを発見されたんでしたか。
ちょっと記憶があやふやですがそんな話を読んだ記憶があります。