昨日書いた順位戦との間に、NHK予選があったのですがそちらについてはまたのちほど。
あと銀河戦本戦についても触れていないので、それもまた後日に。
本局は竜王戦の2回戦でした。
1回戦に続いて先手番を引き当て、中飛車に構えたところ相手の見慣れない対策+すごい早指しを前に、一方的に時間を使う展開。
お昼休みに入った時点でなんと消費時間はこちらが101分に対して相手は4分でした。
さすがにこんなことはこれまでも、これからもたぶんないと思います。
もっとも局面のほうはやや作戦勝ち~まずまずの中盤戦、と順調に推移していました。
しかし残念ながらそこから才能の差が出てしまいます。
玉側の端で戦闘開始。
この攻防は分がありそうと思っていました。しかし後で考えると、それは間違いでした。
ただしここで△1四同香▲同歩△同飛は▲1六香で勝ちだし、△1三角も▲同角成△同香▲2二角でこちらが指せています。
実戦はここから△3一角▲5七角△2四歩▲3九玉(?)△1三角(!!)と進み、一気に敗勢に転落。最後の△1三角は↑のように直前まで大丈夫だったはずの手なので、完全にうっかりしていました。
その局面は次に△8一飛~△8七歩成の侵入というシンプルな狙いがある上に、△2五歩からいつでも角交換を狙えるようになったため、こちらは収拾がつかなくなっています。
以下は多少の抵抗もむなしく順当に押し切られました。
上記手順中▲3九玉は目線が1~2筋だけに集中してしまった悪手で、直前の△2四歩という手に対して「△2一飛・△2三桂・△2五歩等の狙い」と判断してしまったのがその原因です。
ただその局面自体、すでに思わしいものではなく、そもそも図の局面を指せると判断してしまったのが誤りでした。
改めて冷静に考えてみると、1筋の戦力差は互角(どちらも飛角香が集中している)の状況で交換した桂を一方的に打たされており、相手玉は戦場から離れていて自分だけ近い。
そう考えると、良い理屈はどこにもありませんでした。
図の局面に至る手順中、左桂をさばいて交換したために相手からの仕掛けを誘発したわけで、そのあたりの判断、感覚がおかしかったということになります。
本局は小競り合いが一段落した後に互いが地下鉄飛車にするという現代的な将棋で、こういう将棋に挑戦できたことは良かったのですが、競った終盤戦を迎えることができず非常に残念な一局でした。