入玉

名人戦第3局は、よもやの入玉決着でした。

豊島玉が正面から猛反撃に遭う
→地下を這うようにして右辺に逃げる
→ようやく振り切ったと思いきやさらに追手が来る
→今度は穴から出てひたすら上へ、そして左へ
→ついに逃げ切る
という感じで、ハラハラするような逃走劇でした。
直角三角形を描くかのような豊島玉の軌跡は、めったにお目にかかれるものではないでしょう。

そもそも豊島名人が先に寄せ切って勝つような流れだったはずなので、それを許さず勝負、勝負と迫った渡辺三冠の追い上げが見事でした。
そして、普通なら逆転する流れだったと思いますが、そうならなかったのはさすが名人です。
渡辺三冠はこのところ追い上げ届かず、という終盤戦が続いており、明日の棋聖戦第2局ではどう巻き返してくるか、こちらも注目です。

またもう一局の解説担当局、竜王戦4組決勝はお互いに勝つチャンスのある内容だったように思います。
終盤のわずかなところで勝敗が揺れ動き、結果どちらかだけが栄冠を手にする。
という将棋の世界の厳しさがよく現れた一局だったかもしれません。

竜王戦はこれで決勝トーナメントの出場者が出そろいました。
本戦はやはり藤井七段に注目が集まるのだと思いますが、左の山で若手の中から誰が抜けるか、師弟対決が実現するかどうかも気になるところです。

2日間いつも以上に真剣に観戦して、楽しいひとときでした。
お好み焼き定食や天童のさくらんぼについても解説していますので、良かったら再度ご覧になってみてください。

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